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2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
人口の減少(前年同期-296人1.9%減)と併せ、農林水産業以外の中心産業が少ないことから財政基盤が弱い。昨年度と同様に、類似団体平均より0.23ポイントと大幅に下回っている。基準財政需要額は、令和3年度から36,309千円(-0.6%)減、基準財政収入額は、69,316千円(4.3%)増となり、財政力指数は単年度では増加したが3か年平均では同値となった。引き続き、自主財源の確保に努めながら、財政の健全化を図る。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
前年度と同値の90.3%となったが、類似団体平均が3.5ポイント増加したことにより、類似団体平均との差は3.3ポイントに縮小した。分子である経常的経費充当一般財源が扶助費や補助費等の減等により前年度比214,716千円(-3.4%)の減となったが、分母である経常一般財源総額も同様に普通交付税や臨時財政対策債の減等により232,763千円(-3.3%)の減となったため前年度と同値となった。今後は公債費が令和4年度をピークに減少する見込みであるが、人口減少により交付税額の減が見込まれることから人件費抑制や補助金見直し等により経常経費の縮減を図る。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
1人当たり決算額は前年度と比べ11,450円増加、前年度同様に類似団体平均を大幅に上回った。分母側の人口減少は避けられないことから分子側の伸びを抑制する必要がある。人件費は、農林水産業費や商工費関係の会計年度任用職員の増により人件費全体で14,052千円(0.7%)増、物件費は、光熱水費の増等により60,703千円(4.2%)増となった。定員管理適正化による人件費抑制や公共施設管理適正化による維持補修費の縮減等により経費削減に努めたい。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
前年比で0.4ポイント増となり、類似団体平均との差は4.0ポイントに縮小した。高齢・高給者の退職により0.1ポイント減となったが、職員分布の変動による階層変動(特にも大卒25年から30年)が大きく0.5ポイント増となり、指数は前年度比増となった。総人件費の削減に努める一方でラスパイレス指数の改善にも取り組む必要があり、両方のバランスを取りながら適正な定員管理を進める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
前年比で0.02ポイント減少し、類似団体平均との差は2.85ポイントに縮小した。一般職員等における職員数は対前年度4人減となったことが影響したものである。今後は再任用職員や定年延長を加味しつつ、定員管理計画に基づき適材適所・適正配置を基本とした定員管理を推進していく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度比0.2ポイント改善し、類似団体平均との差は3.3ポイントに縮小した。事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費は4,149千円の減、災害復旧費等に係る基準財政需要額は臨時財政対策債、東日本大震災全国緊急防災施策債償還費、合併特例事業債の増等により30,681千円の減となり、基準財政需要額算入額は36,309千円の減となった。一方で、標準税収入額等が増加したものの、普通交付税額及び臨時財政対策債発行可能額が減少した。単年度では比率が増加したが、令和元年度と比較して比率が改善したため、3か年度平均では改善したものである。公債費は本年度がピークとなり、今後は減少する見通しである。予算の選択と集中を徹底し町債発行の平準化に努め、プライマリーバランスの黒字を確保し引き続き比率改善を図る。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
地方債現在高及び公営企業債等繰入見込額の減により、将来負担比率無しとなった。今後も起債発行の平準化等により地方債現在高をコントロールするとともに、可能な限り有利な起債を活用し算入公債費の確保に努める。基金の計画的な管理運用等により充当可能財源を確保し持続可能な財政運営を目指す。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
前年度比1.5ポイント増加したが、類似団体平均との差は0.8ポイントに縮小した。農林水産業費や商工費関係の会計年度任用職員等の増により、人件費全体で増となっている。計画的な定員管理の推進が必要である。
物件費
物件費の分析欄
前年比2.0ポイント増加したが、全国的な燃料高騰によるものであるため、類似団体平均との差は0.6ポイントに縮小した。本町においても、主に燃料高騰による光熱水費の増により、物件費の経常経費全体で103,703千円の増となった。今後、施設の老朽化に伴う物件費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき施設の統廃合などによる物件費の徹底した見直しを行い改善に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率の算定にあたり、臨時経常区分の誤りが判明した。見直しの結果、5.1ポイントとなるものであり、前年度より0.2ポイント減少し、類似団体平均から0.6ポイント下回った。町民サービスに直結する経費であり、町単独事業で子ども医療費給付などを実施しており、財政を過度に圧迫することのないように注視する必要がある。
その他
その他の分析欄
その他に係る経常収支比率は前年より1.2ポイント増加し、類似団体比を0.6ポイント上回った。繰出金の増により比率が増となったもの。特別会計においては独立採算の原則に立ち、一般会計に負担が生じる繰り入れに依存しないように、引き続き努める。
補助費等
補助費等の分析欄
前年度比2.2ポイント減少し、類似団体平均との差は0.7ポイントに縮小した。病院会計への負担金を経常的経費から臨時的経費へ整理したことから、比率が減となったもの。今後とも、通常事業分については町単独補助金の整理や合理化を図り、補助費等の抑制に努める。
公債費
公債費の分析欄
前年度比1.3ポイント増加し、類似団体平均との差は7.6ポイントに拡大した。過疎対策事業債、学校教育施設等整備事業債の増により公債費の経常経費全体で38,481千円の増となったことにより比率が増加したもの。本年度は公債費のピークとなっており、今後は減少していくことが見込まれるが、今後においてもプライマリーバランスの確保、実質公債費比率の動向を見極めながら、緊急性、必要性を検討し事業の取捨選択に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外の経常収支比率は前年度比1.3ポイント減少し、さらに類似団体平均が前年度から大幅に増となったことにより、類似団体平均を4.3ポイント下回った。経常的支出のうち補助費等が減となったことが要因となっている。経常経費であり簡単に削減することのできない費目ではあるが、町単独補助金の整理合理化を図るなどし、引き続き抑制に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
民生費の増は、種市こども園施設整備費補助金169,998千円増等によるもの。衛生費の大幅減は、久慈広域連合し尿処理負担金-586,468千円減や予防接種業務委託料-34,947千円減等によるもの。農林水産業費の増は、人件費10,333千円増や燃料高騰による農林水産関連施設の光熱水費22,926千円増等によるもの。商工費の減は、廃校再生サテライトオフィス等整備工事-110,943千円減やサテライトオフィス機能強化工事-14,752千円減等によるもの。土木費の減は、定住促進団地整備事業-160,232千円減等によるもの。教育費の減は、文化会館屋根幹天井等改修工事-140,291千円減や宿戸小学校トイレ改修工事等-55,406千円減等によるもの。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
物件費の増は、燃料高騰による光熱水費38,939千円増等によるもの。扶助費の減は、住民税非課税世帯臨時特別給付金(社会福祉費-154,106千円)減や子育て世帯への臨時特別給付(児童福祉費-256,243千円)減等によるもの。補助費の減は、久慈広域連合し尿処理負担金(建設事業分)-586,468千円減等によるもの。普通建設事業費(うち更新整備)の大幅減は、文化会館屋根幹天井等改修工事-140,291千円減や宿戸小学校トイレ改修工事等-55,406千円減等によるもの。公債費の増は、過疎対策事業債50,619千円増、学校教育施設等整備事業債11,899千円増等によるもの。令和5年度から減少が見込まれる。積立金の増は、公共施設等整備基金積立金56,000千円増、財政調整基金積立金29,072千円増、森林環境譲与税基金積立金13,532千円増等によるもの。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄依然として、新型コロナの影響による未執行事業や事業費の減額が発生しており、歳入ではコロナ対策に当たり国庫補助金や交付金等を有効活用したことにより、財政調整基金については取り崩しがなく、残高は301,172千円増となった。今後はポストコロナを見据えながら繰入れの抑制を図りつつ、積立額をコントロールし基金の持続可能な活用を図る必要がある。実質収支については、歳入歳出差引額が大幅に減少(令和3:571,670千円→令和4:112,206千円)し、実質収支は496,988千円の減額となった。地方交付税の合併算定替の終了等により今後一層厳しい財政状況が見込まれることから、経常経費の縮減を進めるなどの努力が必要である。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄病院事業については、収益的収支で57,120千円の利益となり、資本的収支では18,032千円の不足額となった。水道事業については、収益的収支で16,861千円の純利益を計上しており、資本的収支においては263,840千円の不足額を過年度分損益勘定留保資金等で補填している。町村合併後の課題だった料金改定を令和元年度から本格実施しており、一般会計負担の縮減に寄与するものと期待している。一般会計については、実質収支が-496,988千円減となったことから、標準財政規模比も1.00%と減少した。公共下水道事業では、歳入が4.2%、歳出が4.0%それぞれ増となり、4,662千円の実質収支黒字となっている。歳入においては国庫支出金や繰入金の増、歳出においては公共下水道事業費等の増が要因である。国民健康保険会計については実質収支の黒字額は20,473千円から47,046千円に増加した。その他の会計についても、一般会計からの繰入金等で黒字を維持している状況であるが、一般会計の負担を必要最少限に抑えるため、基準外繰入を抑えるよう努め、収支均衡を図っている状況である。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄元利償還金については増加傾向が続いており、令和2年度は減となったものの令和3年度の増に引き続き令和4年度も36,057千円増となった。過疎対策事業債50,619千円増、学校教育施設等整備事業債11,899千円増等が要因である。実質公債費比率の分子についても増加し、令和4年度は705,824千円となった。事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費は4,149千円の減、災害復旧費等に係る基準財政需要額は、東日本大震災全国緊急防災施策等債、合併特例事業債の減等により30,681千円の減となり、基準財政需要額算入額は822,055千円の減となった。公債費は令和4年度にピーク迎え、今後は減少していく見通しである。基金を有効活用しつつ規模を一定程度維持しながら、住民サービスを低下させることなく有利な起債の活用に努めていく。
分析欄:減債基金該当なし
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄将来負担額は、これまで発行してきた地方債残高が令和4年度末で11,081,432千円であり、前年度に比べて-1,166,076千円(-9.5%)減、公営企業債等繰入見込額は前年比-337,302千円(-8.0%)減、退職手当負担見込額は前年比-45,163千円(-8.1%)減となった。全体では-1,549,445千円(-9.1%)減となった。充当可能財源等は、財政調整基金が前年度に比べ301,172千円増、減債基金が-4,889千円減となっており、充当可能基金全体では132,206千円(2.7%)増となった。基準財政需要額算入見込額は、前年度に比べ-822,055千円(-7.4%)減となった。標準財政規模は、6,870,000千円で前年度に比べ-237,376千円(-3.3%)減となった。前年度の将来負担比率は8.7%であったが、本年度は将来負担額が充当可能財源等を下回ったため、将来負担比率は無しとなった。算式の分子において、基準財政需要額算入見込額の減により充当可能財源は減となったものの、地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減等により将来負担額が減となったことにより分子全体で-193.2%減となったことによるものである。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)令和3年度から令和4年度にかけては、約343,000千円の増となった。減債基金は4,889千円減となったが、財政調整基金が301,172千円増、、その他の特定目的基金の公共施設等整備基金は42,909千円増等となり、基金全体では増となったもの。(今後の方針)基金残高は令和3年に続き増加したものの、新型コロナの影響による事業中止や不用額の増等、特異な要因によるところが大きい。歳入においては人口減少や合併算定替終了により税収や普通交付税の減少が見込まれ、積み立てることはおろか基金を維持していくのも困難になってきている。歳出においては機構改革やデジタル化による行政効率化、公共施設の統合を含めた適正管理等、あらゆる事業見直しにより基金を確保し、行財政運営の維持にあたる必要がある。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)301,172千円を積立て取り崩しはなかったことにより増額となった。当初予算においては取り崩しを見込んでいたものの、新型コロナの影響による事業中止や不用額の増等により取り崩しがなく、決算剰余金及びふるさと納税分等を積立てたもの。(今後の方針)財政状況が厳しさを増す中、積み立てを取り崩しが上回る状況が続き残高は減少していく見込み。人口減少が続く町の規模に合わせた事業のダウンサイジングを徹底することで繰入れの抑制を図りつつ、町民サービスの質量の低下を招かないよう留意して適宜適切に積立額をコントロールし、有利な基金運用も含め基金の有効活用を図る必要がある。
減債基金
減債基金
(増減理由)減債基金の残高は、運用益金を積立て、公債費償還金増額相当分として4,934千円の繰入を行ったことにより4,889千円の減となった。(今後の方針)中野小学校改築事業及び洋野消防署新築事業等の大型事業が続いたことから、令和4年にかけて償還金が増加し、実質公債費比率もピークを迎えた。これに伴って減債基金の残高も減少していくことが見込まれ、今後も残高を維持するため計画的な起債発行を図る。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)合併振興基金:合併に伴う地域の振興及び住民の一体感醸成。福祉基金:町民の保健福祉の増進。公共施設等整備基金:町が行う公共施設その他の施設の整備。ふるさと創生基金:伝統、文化、産業等を活かした特色のある町づくり。農山漁村地域活性化基金:農山漁村地域の活性化を図る。(増減理由)合併振興基金:運用益金の積立て(36千円)に対し、取り崩しは無し。福祉基金:積立額が23,143千円(ふるさと納税分)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が57,400千円であり、34,257千円減となったもの。公共施設等整備基金:積立額が56,009千円であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が13,100千円であり、42,909千円増となったもの。ふるさと創生基金:積立額が16,741千円(うち、ふるさと納税11,641千円)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が31,300千円であり、14,559千円減となったもの。農山漁村地域活性化基金:積立額が24,096千円(ふるさと納税分)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が15,700千円であり、8,396千円増となったもの。(今後の方針)福祉基金は、着実に増大している社会保障費に対し、町民サービスのレベルを維持していくため、取り崩しは避けられない。その他の特定目的金についても財源不足により継続的な活用が見込まれるものの、これ以上の基金残高減は一般的な公共サービス低下を招くおそれもあるため、機構改革や公共施設の統合、行政サービスの電子化などを進め、人件費を含む全ての事業で事業の廃止を含み見直しを進めることにより取崩額の抑制を図る。積立については、ふるさと納税を含め積立額の確保に努める。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
資産の減価償却がどの程度進んでいるか資産の経年の程度を表す有形固定資産減価償却率は70.1%で、市町村類型が変わったこともあり類似団体の平均との差は縮小したが、依然として平均を上回っており老朽化が進んでいる状況にある。令和4年3月に改訂した公共施設等総合管理計画及び令和3年3月に策定した個別施設計画に基づき、計画的な修繕、長寿命化及び統廃合による施設の品質保持や機能改善に努める。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還に充当できる一般財源(経常経費一般財源-経常経費充当財源ー償還充当限度額)に対する実質債務(将来負担額-充当可能財源)の比率である債務償還比率は、433.9%となり、市町村類型が変わったことにより類似団体の平均を上回ってしまったが、昨年度より13.5ポイント改善した。将来負担額は減少が続く見込みだが、人口減少等により経常一般財源等の確保は厳しさを増すことから比率の減少傾向は頭打ちとなる見込み。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
令和3年度における将来負担比率は8.7%、有形固定資産減価償却率は70.1%であり、類似団体の平均をそれぞれ8.7ポイントと5.8ポイント上回った。将来負担比率は、東日本大震災以降概ね減少傾向にあり、地方債現在高及び充当可能基金現在高も今後減少が見込まれることから、類似団体との均一化が進むものとみている。また、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して高い数値であるため、令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画と令和2年度に策定した個別施設計画による計画的な修繕、改善及び統廃合を進める必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率については、上記のとおり減少傾向である。実質公債費比率は上昇傾向にあったが令和2年度は改善に転じた。公債費は令和4年度にピークを迎えその後減少する見込みである。両比率とも改善傾向にあるが、依然として類似団体平均を上回っていることから、これらの指標を注視しながら引き続きプライマリーバランスの黒字を確保し、適切な起債活用に努める。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率は、道路から公民館までほとんどの資産において類似団体を上回る数値となっている。これは、種市町と大野村が平成18年に合併した洋野町において旧両町村の類似資産重複があることや、施設の修繕及び長寿命化等が類似団体と比較して進んでいないことを表している。学校施設の有形固定資産減価償却率が類似団体とほぼ同値であるのは、種市中学校、種市小学校及び中野小学校の改築が大きく寄与しているものと考えられる。また、令和2年度に認定こども園・保育所・幼稚園の有形固定資産減価償却率が大きく低下したのは大野こども園の新築によるものである。他方、道路の一人当たり延長は162,905mであり、類似団体内順位が1位で平均の32,759mを大きく上回っている。広大な面積の岩手県の中にあって、洋野町の面積も類似団体と比較して広大であることが伺える。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
図書館から庁舎までの各施設においても、有形固定資産減価償却率が類似団体平均と比較して高い傾向は変わっていない。一人当たり面積については、特に図書館、体育館・プール及び市民会館において類似団体平均を上回っており、旧種市町と旧大野村でそれぞれ保有していた現有施設の重複等が要因と考えられるため、施設の集約や規模の適正化を図る。常備消防施設及び一般廃棄物処理施設については久慈広域連合において広域実施しているものであるが、消防施設については洋野消防署が平成29年度に供用開始したことにより減価償却率が改善したものの、依然として類似団体平均より高い数値となっている。また、一般廃棄物処理施設については平成30年度から令和2年度まで実施した基幹的設備改良工事が完了したため大きく数値が改善し、令和3年度には、し尿処理場が移転新設したことによりさらに数値が改善した。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が1,394百万円△2.5%(令和2年度:54,913百万円→令和3年度:53,519百万円)となった。各種減価償却累計額(事業用資産、インフラ資産など)が主な要因である。負債については、△613百万円△4.5%(令和2年度:13,641百万円→令和4年度:13,028百万円)となった。臨時財政対策債現在高△196百万円、旧合併特例事業債現在高△263百万円、過疎対策事業債現在高△156百万円などが主な要因である。
2.行政コストの状況
一般会計等の純経常行政コストは、505百万円5.0%増(令和2年度:10,197百万円令和3年度:10,702百万円)となった。移転費用が大きく増加しており、主な要因は補助金等が531百万円17.6%増(令和2年度:3,022百万円→令和3年度:3,553百万円)となっており、久慈広域連合し尿処理負担金(建設事業費分)の増が主なものである。また、業務費用のうち物件費は108百万円6.9%増(令和2年度:1,572百万円→令和3年度:1,680百万円)、維持補修費は80百万円85.1%増(令和2年度:94百万円令和3年度:174百万円)となっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等の本年度差額の差は△119百万円(令和2年度△793百万円令和3年度△912百万円)となった。税収等は△188百万円△2.4%(令和2年度:7,738百万円令和3年度:7,550百万円)、国県等補助金が△1,424百万円△37.9%(令和2年度:3,759百万円令和3年度:2,335百万円)で純行政コストの金額に対する財源は減となった。国県等補助金の減の要因は特別定額給付金事業費補助金や新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金等の減である。本年度純資産変動額の差は1,563百万円66.7%増(令和2年度:△2,344百万円令和3年度△781百万円)となった。増の要因は、令和2年度に特別養護老人ホームうなばら荘跡地の土地評価減があったためである。人口減少により税収や普通交付税等の減が見込まれることから、老朽化している公共施設等の統廃合など歳出の削減を図ることやふるさと納税等の寄附金増加などの施策の展開により財源確保に努めていかなければならない。
4.資金収支の状況
業務活動収支は△126百万円△9.1%(令和2年度1,392百万円令和3年度:1,266百万円)となった。物件費等支出や補助金等支出が増となったことに加え、税収等収入が減となったことが要因である。投資活動収支は△213百万円(令和2年度△754百万円令和3年度△967百万円)となった。令和2年度に引き続き財政調整基金の取崩額はなく、基金積立金支出の272百万円増が主なものであり、本年度資金収支についても△471百万円△214.1%となっている。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
住民一人当たりの資産額は340.5万円であり、類似団体平均値238.9万円より101.6万円42.5%高くなっている。昨年度より2.0万円減少しているが、類似団体平均が大幅に減少しているため、類似団体平均との差は拡大した。歳入額対資産比率は4.31年であり、類似団体平均値3.58年より0.73年多くなっている。昨年度より資産は減少したものの、歳入が減少したこともあり類似団体平均との差は拡大しており、依然として資産額が多い状況となっている有形固定資産減価償却率は類似団体平均との差は縮小したものの、依然として類似団体より高い状況であることから、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の長寿命化や統廃合、未利用施設の売買及び解体による土地の売買等、計画的な施設の保有、運営、維持、処分に努める必要がある。
2.資産と負債の比率
純資産比率は75.7%で昨年度から0.5ポイント増加し、類似団体比率74.8%を0.9ポイント上回った。将来世代負担比率は20.9%で昨年度より2.1ポイント減少し、類似団体平均16.2%を4.7ポイント上回った。プライマリーバランスの黒字を保っていることにより地方債残高は減少している。引き続き、地方債においては世代間の公平に努めながら計画的に発行していく。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは68.7万円であり、昨年度から8.0万円10.4%減少したが類似団体平均値53.5万円を15.2万円上回っている。単年度の純行政コストが△14億9,418万円と大幅減となったが、これは令和2年度の災害復旧事業費及び特別定額給付金事業により臨時損失が減少したことが要因である。また、公債費が令和4年度が償還ピークとなり、経常収支比率が高水準である。人口減少を注視しながら、行政コストの削減に努める。
4.負債の状況
住民一人当たりの負債額は82.9万円であり、昨年度より△2.2万円と改善しているが、類似団体平均値の60.4万円を22.5万円上回っており、類似団体平均値との差は拡大している。地方債現在高が減少傾向にあることから、引き続き地方債発行の抑制を図るほか、職員数の削減により退職手当引当金の減少に努める。基礎的財政収支は522百万円であり、類似団体平均を99.2百万円下回ったが、これは類似団体区分が変わったことにより類似団体平均が大幅に上がったことが要因である。業務活動収支では黒字となっているが、投資活動収支では787百万円の赤字となっている。人口減少による税収減等を見据え、歳出抑制に努める。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は3.8%で昨年度より0.1ポイント上がった。類似団体平均値を1.2%下回ったが、これは類似団体区分が変わったことにより類似団体平均が大幅に上がったことが要因である。税負担の公平性やの確保については常に検討していく必要がある。
類似団体【Ⅳ-1】
帯広市
弘前市
金ケ崎町
洋野町
涌谷町
美郷町
河北町
会津坂下町
会津美里町
矢吹町
三春町
大子町
那珂川町
上市町
志賀町
辰野町
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