経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については、100%を達成しているが、経費回収率については、100%を達成していない。これは、集落排水の普及を推進するため、供用開始当初から使用料を低廉に抑えてきたことや地域間格差を生じさせないように集落排水使用料の設定を公共下水道と同額としていることと、汚水処理費が嵩んでいる等の要因による。汚水処理原価については、平均値より高く、施設利用率については、平均値より低い状況にある。これらについては、離島の小規模集落地域により、処理区域内人口の増加が見込めず、施設利用率が上がらないなどの非効率的な経営となっているためである。
老朽化の状況について
現在、管渠の耐用年数50年に対し、平成9年の供用開始から20年程度が経過しているが、耐用年数を超えた管渠はないため、管渠更新等は進んでいない。今後も施設の適正な管理を行うとともに、経年による不具合(機械修繕及び管路の破損等)が生じた場合は、修繕等により適時対応していく。
全体総括
経営の健全性等を確保するためには、下水道使用料の見直し等による経費回収率の向上が必要である。これまで下水道使用料については、経費回収率の向上と使用者の適正な負担を踏まえて、概ね5年ごとに改正を行っているものの、新料金の抜本的な見直しにより市民負担の激増を避けるため大規模な改正は控えてきた経緯がある。今後についても、中期財政計画を立て、下水道使用料の必要な見直しを行い、施設の管理等に当たっては他の下水道事業の長寿命化計画を参考に効率的な経費削減を図るなど、経費回収率の向上を図る。