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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
財政力指数は、市税収入等の増により基準財政収入額が11%増加したものの、基準財政需要額も15%増加したため、横ばいの結果となっています。類似団体との比較では、人口の減少や高い高齢化率などの影響により、市民一人当たりの市税収入が類似団体の平均を下回っていることから、依然として低い水準となっています。企業誘致の推進による税源の涵養に取り組むなど、歳入の確保に努めます。
経常収支比率は、平成26年度は国に準じた給与支給措置の終了に伴う人件費の増加等により96.9%まで増加しました。平成27年度は、地方消費税交付金の増加等により、95.7%まで改善しましたが、平成28年度は臨時財政対策債及び地方消費税交付金等の減少と公債費の増加等により99.6%となりました。平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う人件費の増加及び税源移譲による経常一般財源総額の増加がありましたが、結果としては地方税の増加等と公債費の減少等により99.4%となっています。市税や地方交付税等の主要な一般財源が限られる中、福祉・医療関係経費の伸びが見込まれるなど、本市財政を取り巻く状況は引き続き厳しいことが見込まれます。今後とも一層の「選択と集中」を行いながら、行財政改革大綱に掲げた取組みを推進し、持続可能で安定的な財政の確立、維持に努めていきます。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口一人当たりの金額が類似団体平均を大きく上回っている要因としては、本市が他の類似団体に比べ、人口一人当たりの公共施設の保有量が多いこと等が挙げられます。平成28年度以降の増加の主な要因は、平成28年度は障害児施設運営費に係る物件費の増加等、平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う人件費の増加等によるものです。真に必要な施設を安全に保有し続ける運営体制を確立し、施設に関する将来的な財政負担を軽減するため、選択と集中による公共施設マネジメントに取り組みます。そのため、施設の複合化等を含めた総量抑制、民間活力の導入等による維持管理コストの縮減、施設の長寿命化による資産の有効活用等に努めます。
本市のラスパイレス指数は、平成29年については、国よりも給料表の引上率が低いなどの要因により、前年に比べて0.2ポイント低下(103.2から103.0)しています。平成30年のラスパイレス指数については、当該資料作成時点(平成31年1月末時点)において、地方公務員給与実態調査の結果が未公表のため、前年度の数値を引用しております。本市職員の給与水準は、毎年、人事委員会勧告に基づき、市内民間企業の給与水準との均衡を図っています。今後も人事委員会勧告を尊重することを基本とし、引き続き給与水準の適正化に努めます。
本市の職員数は、平成29年度の県費負担教職員の給与負担等の権限移譲(4,486人増)に伴い、平成29年4月1日現在で10,738人となっています。今後も、北九州市行財政改革大綱に基づき、民営化や民間委託化、事務事業の見直し等に取り組み、簡素で効率的な組織体制・行政運営を図るとともに、職員の適正配置に努めます。
実質公債費比率は、平成29年度は12.2%となっています。県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴い標準財政規模が増加したことなどにより、前年度1.5ポイント減少の12.2%となりました。今後も地方債の活用にあたっては、事業の熟度や重要性を吟味した上で、施策の選択と集中により、適正な市債管理に努めます。
将来負担比率は、他の類似団体は近年減少傾向にある一方、本市は増加傾向にありました。その原因の一つとして、平成27年度は第三セクター等改革推進債の活用に伴う地方債の現在高が増加したことなどにより、前年度14.0ポイント増加し188.3%となったことが挙げられます。平成28年度は、公共事業等に係る地方債残高が減ったことなどにより、前年度0.4ポイント減少し187.9%となり、平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴い、標準財政規模が増加したことなどにより、さらに12.3ポイント減少し、175.6%となっています。今後については、将来負担額の大半を地方債の残高が占めることから、地方債の活用にあたり、事業の熟度や重要性を吟味した上で、施策の選択と集中により適正な市債管理に努めます。
人件費の経常収支比率は、平成26年度は国家公務員の給与減額支給措置に準じた措置の終了等による人件費の増加等により前年度0.8ポイント増加しました。平成27年度は支給人員の減等により前年度0.1ポイントの減少となり、平成28年度においても引き続き支給人員の減等の人件費抑制を行いましたが、経常一般財源総額の減により、前年度0.5ポイント増加となりました。平成29年度は県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う人件費の増等により前年度8.8ポイント増加の32.4%となっています。今後も行財政改革大綱に基づく取組みにより、簡素で効率的な組織体制・行政運営を図り、総人件費の抑制に努めます。
物件費の経常収支比率は、平成25年度から平成27年度までは微増傾向を保っていましたが、平成28年度は13.5%まで増加しました。これは、行財政改革大綱等に基づき、事務事業の見直しを継続的に実施する一方で、障害児施設運営費や学校給食調理業務の民間委託化に係る委託料の増加等によるものでした。平成29年度は、経常経費充当一般財源が前年より微増しましたが、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う税源移譲による経常一般財源総額の増等により、前年度1.5ポイント減少の12.0%となっています。今後も引き続き、行政サービス水準の維持・向上やコスト削減等を図り、民間委託等を進めながら、事業の有効性・経済性・効率性などを検証した上で、見直し・改善を図ります。
扶助費の経常収支比率は、社会保障の充実のための事業費増などにより高い伸びが続いていましたが、平成27年度には子ども・子育て支援新制度の開始に伴う県負担金の新設による経常経費充当一般財源の減などにより前年度0.9ポイント減少しました。平成28年度は、障害福祉サービス事業の増等により、前年度0.6ポイント増加となりました。平成29年度においても、障害福祉サービス事業等が増加しましたが、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う税源移譲による経常一般財源総額の増等により、1.2ポイント減少の14.3%となっています。今後の見通しについては、高齢化社会の進展に伴い、扶助費に係る経常収支比率は増加していく見込みです。
その他の経常収支比率は、平成25年度から平成28年度まで増加傾向にありました。これは、高齢化社会の進展に伴い、国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療制度などの各特別会計への繰出金等について、高い伸びが続いていることによるものです。平成29年度においても、引き続き繰出金等は伸びていますが、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う税源移譲による経常一般財源総額の増等により、前年度1.2ポイント減少の12.3%となっています。
補助費等の経常収支比率は、行財政改革大綱等に基づき、補助金の見直し等に継続的に取り組んでいます。平成29年度は、経常経費充当一般財源が前年より微減しており、また県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う税源移譲による経常一般財源総額の増等により、前年度1.1ポイント減少の7.1%となっています。補助金については、今後も引き続き、必要性や有効性等の観点から、常に見直しを行っていきます。
公債費の経常収支比率については、公共投資が減少傾向にある一方で、臨時財政対策債等の影響もあり、引き続き高い水準で推移しています。平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う税源移譲による経常一般財源総額の増等により、前年度4.0ポイント減少の21.3%となっています。今後も、地方債の活用にあたっては、事業の熟度や重要性を吟味した上で、施策の選択と集中により、適正な市債管理に努めます。
公債費以外の経常収支比率は、平成26年度は国に準じた給与支給措置の終了に伴う人件費の増加等により、72.8%と増加したものの、平成27年度は扶助費の子ども・子育て支援新制度の開始に伴う県負担金の新設による経常経費充当一般財源の減少等により71.8%と減少に転じ、平成28年度は、経常一般財源総額の減少等により74.3%と増加しました。平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う人件費の増加及び税源移譲による経常一般財源総額の増等により、前年度3.8ポイント増加の78.1%となっています。今後も引き続き、より一層の「選択と集中」を行いながら、行財政改革大綱に掲げた取組みを推進し、持続可能で安定的な財政の確立、維持に努めていきます。
(増減理由)運用収益分の積み立てにより減債基金の残高が微増する一方で、廃棄物処理施設の整備等に伴い「環境保全基金」を7.4億円取り崩したこと、「都市高速鉄道等整備基金」を都市モノレール施設改善・維持修繕事業等の都市基盤整備のため16億円取り崩したこと等により、基金全体としては6.3億円の減となっています。(今後の方針)財政調整基金については、平成30年度は平成30年7月豪雨による災害対応等のため、一定の基金取り崩しが想定されます。今後も、歳入、歳出の状況をみて取り崩しを検討することとなりますが、それぞれの基金の設置の趣旨に即して、適正な管理・運営に努めます。
(増減理由)平成28年度は、29億円の取り崩し、7億円(前年度実質収支2分の1)の積み立てを行い、基金全体としては22億円の減となっています。平成29年度は、32億円の取り崩しを行いましたが、31億円の積み立てを行ったため、基金残高は前年度とほぼ同水準を維持しています。(今後の方針)平成30年度は、平成30年7月豪雨による災害対応等のため、一定の基金取り崩しが想定されます。今後も、歳入、歳出の状況をみて取り崩しを検討することとなりますが、持続可能で安定的な財政運営に努めます。
(増減理由)平成29年度は運用収益分の積み立てにより、残高が微増しています。(今後の方針)財政調整基金とともに、歳入、歳出(公債費)の状況をみて、取り崩しを検討します。
(基金の使途)・都市高速鉄道等整備基金:都市高速鉄道及び総合展示場の建設並びに市長が特に必要と定める都市改造事業その他都市機能の整備・地域福祉振興基金:各種地域福祉活動の基盤整備及び、ボランティア活動等の地域福祉活動に資する事業に対する助成・環境保全基金:市民の環境保全に関する知識の普及及び実践活動の支援など(増減理由)・環境保全基金:PCB廃棄物処理にかかる寄付金等を0.2億円積み立てた一方で、主に廃棄物処理施設の整備やPCB廃棄物処理に係る経費のために7.4億円を取り崩したことにより7.2億円減少しています。・未来人材支援基金:平成29年度から新たに創設された基金であり、企業からの寄付や市費を2.5億円積み立てたことにより皆増しています。(今後の方針)・環境保全基金:平成36年度に完成予定の廃棄物処理施設の整備等のため、取り崩しを予定しています。・未来人材支援基金:奨学金返還支援のため
本市の有形固定資産減価償却率は、類似団体より高い水準にあります。これは、本市が昭和38年の五市合併の影響等によって、他都市に比べて多くの公共施設を保有しており、それらの施設の大規模改修や更新を控えているためです。平成25年度に策定した行財政改革大綱及び平成27年度に策定した公共施設マネジメント実行計画で「今後40年間で保有量を約20%削減する」ことを目標を掲げており、今後も老朽化した施設の集約化・複合化、除却を進めていくと共に、引き続き公共施設の長寿命化に取り組んでいきます。
将来負担比率と有形固定資産減価償却率は、両方とも類似団体平均を上回っている状況であり、老朽化施設を多く持っている一方、老朽化対策にかけられる経費が少ないことを表しています。行財政改革大綱及び公共施設マネジメント実行計画に基づき、財政負担を抑えつつ、老朽化施設への対応をしていきます。また、将来負担比率が低下している一方、有形固定資産減価償却率が上昇している現象については、他の類似団体にも言えることですが、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴い、標準財政規模が増加したことによる将来負担比率が低下したものであり、一時的なものと考えられます。将来負担比率と有形固定資産減価償却率の推移については、平成30年度決算の状況をみて、その分析を今後の公共施設マネジメントの取り組みに生かしていく予定です。
将来負担比率は175.6%、実質公債費率は12.2%といずれも前年度と比較して改善しています。これは、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴い、標準財政規模が増加したことによるものであり、依然として類似団体内平均値を上回っている状況です。引き続き、事業の熟度や重要性を吟味した上で、施策の選択と集中により適正な管理に努めていきます。
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