経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率総費用と地方債償還金の合計額に占める料金収入等の割合は、80%前後で推移しており、一般会計からの繰入金なしに経営が成り立っていない。②企業債残高対給水収益比率地方債残高は、料金収入等の5倍程度に減ってきており、経営状況の改善につなげたい。③料金回収率給水費用に対する料金収入等の割合は、50%前後で推移しており、一般会計からの繰入金に大きく依存している。④給水原価使用水量1㎥当たりの費用は、500円前後と全国平均より高水準で推移しており、経営圧迫の要因となっている。⑤施設利用率日当たり配水能力に対する平均配水量の割合は、50%前後と全国平均より低水準で推移しており、使用料に見合った施設の更新を検討する必要がある。⑥有収率年間配水量に対する年間有収水量の割合は、前年から2.3%下回っているが、これは、管路等の老朽化による漏水の増加が主な要因であり、漏水の抑制など効率的な配水に努める必要がある。水源を県境のダムから遠距離送水に求める本町は、給水コストが高く、料金収入による独立採算が成り立たない。しかし、県内一の高料金水準のため、更なる経営の効率化に努めるとともに、一般会計からの繰入金確保による料金水準の維持に努めたい。
老朽化の状況について
①管路更新率経営状況から、近年では修繕事業を主とし、老朽管や設備等の計画的な更新が行えていないが、現在、実施の海底送水管布設事業を最優先とし、事業終了後、水道施設や管路の修繕、更新等を予定している。
全体総括
水源からの遠距離送水に頼らざるを得ないこと、集落が点在するため施設・設備の集約が困難なことなどの地域性を持つ本町水道事業において、ある程度給水コストの高止まりはやむを得ないものの、漏水の抑制や施設・設備の集約・更新等により効率的な配水に努める必要がある。また、今後ピークを迎える管路や施設・設備の更新については、延命化や設備の再配置などによりコストの圧縮を図りたい。