経営の健全性・効率性について
市内27簡易水道は、新見市の周辺部の山間地帯にあり、地形的・自然的要件により集落と集落が離れていて、民家も散在している。このため、管路延長も類似団体に比して長く、標高の高い地点に配水池を設置することから、送水のための加圧ポンプ場などを整備するため建設コストが非常に高くなり、⑥給水原価が高く、④地方債残高も多額となっている。また、40年を経過した管路も多くなり、老朽化が著しく漏水が頻繁に発生しているが、漏水調査・修繕を積極的に行うことにより、⑧有収率は増加傾向になってきている。料金収入は横ばいながら、⑤料金回収率も含めて類似団体に比して低い状態が続いている。現在の料金設定は、市町合併の経緯から月額1,404円/10.を基本料金としており、他の類似団体に比して割安となっており、このため、①収益的収支比率、⑤料金回収率が低く、簡易水道特別会計予算に占める市一般会計繰入金の割合が非常に高くなっている。こうしたことから、簡易水道・上水道の経営統合に合わせ、適正な料金体系の見直しを早急に検討する必要がある。
老朽化の状況について
市内27簡易水道の整備年限はそれぞれ違うが、布設後40年になる管路も多く、老朽化が著しく進み漏水なども頻繁に発生している。従来は、施工の効率性から集落を短絡し山林などに埋設されていた配水管を道路に移設することや、下水道事業による水道管移設などによって、管路の更新を図ってきた。しかしながら、漏水の発生を抑え管路更新率を上げるため、今後は可及的速やかにアセットマネジメント、インフラ長寿命化計画を策定し、計画的に更新工事を行うことが必要と考えている。
全体総括
分析で考察した料金体系の見直しについては、経営統合を計画している上水道料金との調整も必要であるが、給水収益で経営するという原点に立ち返る必要がある。ただ、管路の老朽化対策として早急にアセットマネジメント、インフラ長寿命化計画を策定し、計画的に更新することが急務であることから,収支のバランスを考慮しながら、より健全で効率性の高い経営となるよう強く改善に取り組む。