経営の健全性・効率性について
本町の小規模集合排水処理施設は2処理区あり、経営改善の努力により水洗化率100%を達成している。収益的収支についても、事業規模が小さいため、修繕費等により年度によって違いはあるが増加傾向にある。事業投資に要した企業債に関しては償還により残高削減が進んでいる。汚水処理原価については施設の修繕、改築更新等の費用が目立っておらず、類似団体と比較してもかなり低い状態にある。経費回収率は類似団体と比較しても高い水準が保たれているが、今後は少子高齢化や自然減等による人口減少により下水道使用料が減少に転じると予測されるため、収益の安定的確保が課題である。
老朽化の状況について
供用開始から13,14年と比較的新しいため、老朽化による施設の対策は今のところ発生していない。また、管渠も判断の目安となる20年より短い。現在、維持管理委託により施設の状態を把握することで異常に対して、早めの対策を行い修繕等の経費を抑制するようにしている。
全体総括
今後は老朽化により維持・更新費用等の増加が予想されるため、施設の長寿命化を含めた計画的・効率的な管理に努める必要がある。また、機器の修繕や更新、汚泥処理等を含めた包括的な委託化の研究など経営の効率化について検討することや、有収水量の実態把握についても進める必要がある。なお、下水道使用料に対しては、現在経費回収率が高い水準で保たれているが、今後の人口減少による下水道使用料の減少を考慮し、安定した事業経営を維持するために、適正な資産維持費等を含めた今後の在り方を研究する必要がある。