経営の健全性・効率性について
本事業は、個別排水処理事業とあわせ、浄化槽事業会計として実施している。経営状況は、公共下水道との負担の公平性の観点から、料金体系が同一となっており、料金収入等の自主財源で維持管理経費を賄う事ができず、市債償還額の不足分をあわせ、一般会計繰入金に頼らざるを得ない状況にある。①収益的収支比率は、新規接続による使用料収入及び維持管理経費の増はあったが、比率は前年度とほぼ同じであった。④企業債残高対事業規模比率も同様に、新設事業により市債残高、使用料収入ともに増加したためと考えられる。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価は、使用料収入の増によりそれぞれ改善しているが、汚水処理原価については、類似団体平均を上回っており、更なる経費の削減を進め、経営状況の改善を進めていく必要がある。⑦施設利用率は、昨年度に比べ低下しているが、本事業は個別の浄化槽設置であり、⑧水洗化率も99.79%と高いことから、数値の大幅な向上は見込めない状況である。
老朽化の状況について
本事業は、平成15年度から実施した事業であり、法定耐用年数を経過する施設はなく、ブロアポンプ等の機器類について、老朽化の状況に応じて修繕を行っている状況である。今後も適正な維持管理に努めるとともに、老朽化の進行、更新期の到来に備えて、長寿命化、更新の方針等について検討を行う必要がある。
全体総括
本事業は、個別の浄化槽設置という事業であり、水洗化率も高く、使用料収入の増要因は見込めない状況である。引き続き経費の削減等に努め、経営改善を図っていくことが必要である。なお、本事業については、平成29年度をもって新規の設置事業を終了することとしている。