経営の健全性・効率性について
経費回収率は、類似団体及び全国平均と比較しても若干の差がある。(料金で経費を全て賄えている場合は、100%となるが、平成28年度現在では46.25%に過ぎない)使用料金で経費全てを賄えていないことから料金収入以外からの収入(一般会計繰入金)による依存をしている状況である。給水原価については、地域的に山間部に位置するために送配水施設が多く点在することから維持管理費等にも相当の経費がかかっている。起債残高対給水収益比率については、建設改良事業の内容を調整し進めることで企業債残高をなるべく抑制しているが、今後の建設改良の実施については経営の状況による検討となる。有収率は平均値とほぼ変わらない数値ではあるが給水人口の逓減により使用水量の減少及び地形的な面からの施設利用率の非効率性が要因となり悪化していく見込みとなる。今後においては、施設の統合や廃止、合理化に加え維持管理の形式などを選択することも必要となる
老朽化の状況について
管路については、供用開始当初からのものについては、法定耐用年数を経過しており、更新率も類似団体平均と比較しても低く、管路更新が進んでいないのが現状である。今後においては経年化管路の増加を見据えた計画的な更新が必要である。
全体総括
今後においては、給水人口の減少や節水技術の向上等により料金収入の減収が見込まれる。その反面、管路や機械類を含めた施設全体の老朽化に対しての更新費用は増加していくこともあり、施設全体のアセットマネジメントが必要とされる。また、平成29年度には上水道事業との統合により上水道事業一本としての運営となることから、将来へ向けての施設、設備の統廃合、合理化に加え維持管理方法の見直し、経費の節減に努め、使用料金の減収が見込まれるため収益性確保のため、適正な水道料金の見直しも必要とされる。