経営の健全性・効率性について
【単年度の収支】収益的収支比率は、施設整備時の起債借入の償還が多額となっているため、70%台と低い数値で推移し、慢性的な赤字経営となっている。【債務残高】企業債残高対事業規模比率は、償還が進み数値は下降している。今後も大きな投資は予定しておらず、数値は下降していく見込みである。【料金水準の適切性】経費回収率は、類似団体平均値及び全国平均値を上回って推移しているが、本年度は、打ち切り決算による影響で70.91%となっている。【費用の効率性】汚水処理原価は、類似団体平均値及び全国平均値を大きく下回っている状況が続いている。今後も経費の節減等に努め数値の上昇を抑えていく。なお、本年度数値が上昇しているのは打ち切り決算の影響によるものである。【施設の効率性】施設利用率は、人口減少が進行しているため、年々下降し、類似団体平均値及び全国平均値を下回っている状況が続いている。施設更新時には規模の見直しを検討し効率的な施設運営を図る必要がある。【使用料対象の捕捉】水洗化率は、過去5年間類似団体平均値を下回っている状況である。区域内の下水道整備は完了しており、大きな増加は見込めない状況である。
老朽化の状況について
平成11~17年にかけて供用開始された事業であり、供用開始後17年が経過したところで、比較的老朽化は進行していない状況である。現時点では適切な維持管理を行うことで施設の延命化に努めながら、施設更新に向けて検討し、計画的な更新を実施していく。
全体総括
本事業は、平成11~17年度に供用開始し、整備率は100%となっている。経営状況は、類似団体平均値と比較すると概ね良好な状況であるが、施設利用率及び水洗化率が低く、効率的な施設運営の観点で問題がある状況である。しかしながら、当該事業区域は地理的に過疎化が一層進んでいる地域であり大きく好転させることは困難な状況である。今後は、平成29年4月に地方公営企業法を適用し、企業会計方式に移行することで、事業の計画性や透明性の確保、財政状況及び経営状況の透明化・明確化を図り、本年度策定した中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」に基づき、計画的で合理的な事業運営を図る。