経営の健全性・効率性について
本市は、平成16年4月に6町が合併し誕生したが、多くの簡易水道事業等を抱え、現在では、25簡易水道、6飲料水供給施設、2簡易給水施設の計33事業・施設を実施している。合併後も統合が進んでいないため施設数が多く、人口減による給水人口の減少に伴い施設利用率は減少傾向にあり、類似団体平均に比べても低くなっている。経営面では、統合事業等の実施に伴う起債償還金の増加や委託費の増加などにより、給水原価は増加傾向にあり、さらに、料金回収率が100%を下回っているとともに、収益的収支比率も100を割り込んでおり、多額の一般会計からの繰入金に頼っているのが実情である。今後は、施設の統廃合をすすめ、施設利用率の向上など、経営の効率化を図っていく必要がある。なお、平成28年度においては、毎月検針から隔月検針への移行初年度により、給水収益(有収水量)が11ヶ月分となったことから、⑧有収率が下がるとともに、④企業債残高対給水収益比率が上がった。
老朽化の状況について
51の浄水場や93の配水池など、非常に多くの施設を抱えているが、更新が進んでおらず、その多くが老朽施設である。また、管路についても、布設替が進んでいないため老朽化しており、石綿管も一部残存している。施設の統廃合をすすめるとともに、有収率の向上を図るためにも、計画的な管路の布設替を行っていく必要がある。
全体総括
統合事業の実施等に伴う起債償還額の増加により、年々給水原価が増加傾向にあることから、施設の統廃合や有収率の向上など、これを下げる取り組みを行っていく必要がある。一方で、計画的に施設更新を行っていくためには、給水収益を確保することも必要であり、定期的な水道料金の見直しが求められている。