下田市
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2013年度
2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成30年度の単年ベースでは財政力指数が0.501となり、昨年度の0.507より減少傾向にあるが3か年平均では0.50と同数値となった。近年では、平成25年度に単年ベースで0.494を記録してから増加傾向にあったが、平成29年度をピーク(0.507)に減少している。高齢化等による人口減少が顕著であり、基準財政収入額が減少し、平成30年度は-0.006ポイント減少している。税収の減少を筆頭に基準財政収入額が減少する要因である人口減少に対して、人口減少施策を実施し、歳入の確保に努め、健全な財政運営に努めていく必要がある。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
平成27年度の82.5%を境に増加傾向にあり、平成30年度は90%を超える結果となった。主な原因としては物件費の増(分子)と地方税の減(分母)の影響によるものである。平成30年度より庁舎建設、令和元年度より中学校統合の大型事業が実施され、今後の公債費の増加が見込まれるため、経常収支比率の増加は避けられない状況となっており、条件の有利な起債を借り入れる等、将来負担を可能な限り減らし、中小事業の見直しによる歳出削減、歳入の確保を強化し、経常収支比率の悪化を最小限にとどめる必要がある。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口減少が顕著であり、平成28年1月1日(23,172)、平成29年1月1日(22,714)、平成30年1月1日(22,192)、平成31年1月1日(21,748)と毎年500人程度減少しており、毎年2%以上の減少が続いており、分母の減少に歯止めがかからない。平成30年度においては、庁舎建設関連経費により、物件費が増加しているため、人口減少施策とともに、今後想定される大型事業による物件費の増加以外の物件費について内容をより詳細に精査し、歳出削減を積み重ねていく必要がある。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
類似団体内平均を1.9ポイント上回っており、さらに全国の市平均と比較しても、0.5ポイント上回っている。この指標の国家公務員との比較では給与水準は及ばないものの、近年上昇傾向にある。全国市平均や類似団体内平均と比較しながら適切な数値の維持を図っていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
分母となる人口が、過疎地における少子高齢化の影響を受け、500人/年程度の割合で大幅に減少している。そのため、今後も増加傾向となることが予想される。職員数については定員適正化計画に基づき、適正な人員の確保に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率の増の要因は、下水道事業における分流式下水道に係る経費の算出方法変更、下田地区消防組合における平成26デジタル無線、平成27救助工作車、平成28高規格自動車の元金償還開始、下田MC按分率変更などによる分子の増が主なものとなっている。今年度から庁舎建設や中学校統合などの大型事業が始まっていく中で、平成29年度より借り入れの始まった過疎対策事業債により、公債費の増が見込まれるため、内容の十分な精査や、既に借り入れを行っているものについては、繰り上げ償還や借り換え等の検討もしていく必要がある。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成29年度の38.9%から60.1%に大幅に将来負担比率が増加している。主な原因としては、平成29年度より過疎対策事業債の借り入れが始まり、平成30年度より庁舎建設が始まったことにより、地方債残高が大幅に増加していることによるものである。今後、庁舎建設、中学校統合の大型事業が予定されており、分子となる地方債残高の増加が避けられないため、起債の借り入れにあたっては、条件の有利な起債の選択等の配慮を行い、将来負担の減少を検討していく必要がある。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
類似団体内平均を0.9ポイント下回っているものの、昨年度と比較し、0.1ポイント増加した。主な要因としては給与改定が影響したものである。定員適正化計画や、民間事業者への業務委託等を検討し、適正な人員管理に努める。
物件費
物件費の分析欄
類似団体内平均を1.1ポイント上回り、昨年度と比較しても0.5ポイント増加した。主な要因としては、学校給食の公会計化により、賄材料費が増えたことが大きな要因である。今後は大型事業により、物件費の増加が予想されること、公共施設等総合管理計画に基づく、既存施設の更新・解体関係費用等による経費が発生していくことが予想されるため、内容を精査し、必要最小限の増加になるように努める。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体内平均を2ポイント下回り、昨年度と比較しても、0.3ポイント減少した。主な要因としては、臨時福祉給付金、生活保護、児童手当、児童扶養手当等の減少が影響したものである。生活保護については、一人当たりの扶助費が減少していることが大きな要因であるが、先進医療により高額な医療扶助が発生する可能性もあるため、今後とも注視していく必要がある。
その他
その他の分析欄
類似団体内平均を4.8ポイント上回り、昨年度を比較しても1.9ポイント増加した。本項目は、下水道施設の維持管理経費としての公営企業会計への繰出金や、国民健康保険事業会計への繰出し金などが多くの割合を占めている。今後は、独立採算の原則に立ち返った料金の値上げによる健全化、国民健康保険事業会計においても、保険料適正化を図ることにより、負担軽減に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
類似団体内平均を0.1ポイント上回り、昨年度と比較しても1.3ポイント増加した。主な要因としては、賀茂広域化に関係する、地方税債権整理回収協議会兼技術派遣職員給与負担金と校務事務共同化事業負担金が大きな要因である。補助金交付事業評価を引き続き実施し、評価基準や視点の精査、事業効果の見極めについて、更なる整理を進めていく。
公債費
公債費の分析欄
類似団体内平均を6.8ポイント下回り、昨年度と比較しても、0.9ポイント減少した。主な要因としては、過去に実施した大型事業の償還が終了したことが主な要因である。今後、平成29年度から借り入れが始まった過疎対策事業債や予定されている大型事業について事業内容の精査、有利な財政措置の起債を活用し、公債費の増大を最小限に抑制するように努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
類似団体内平均を3.1ポイント上回り、昨年度と比較しても3.5ポイント増加した。これは普通建設事業の増加によるものである。今後、大型事業が予定されており、普通建設事業及び物件費の増加が見込まれる。そのため、歳出の取捨選択等のスリム化と一般財源の確保に努める必要がある。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
【総括】少子高齢化・過疎化の影響は著しく、人口が500人/年程度減少しており、住民一人当たりのコストの上昇の主因となっている。これについては今後も続く見通しで、人口減少施策に取り組んでいくことが重要な課題である。【総務費】類似団体内平均や前年度と比べて大きく増加傾向にある。主な原因は庁舎建設関連経費の増加、光ファイバ網整備が挙げられる。庁舎建設が本格化していく中で、総務費の増大は避けられない状況であるため、内容精査、財源確保に努める。【民生費】高齢化の影響で、扶助費や保険会計繰出金の増加が見込まれる。資格審査の適正化や保険事業計画の適正実施を行い、費用の増大に歯止めをかけるように努める。【衛生費】清掃費については施設の老朽化が著しく、長期的且つ計画的な施設更新の検討が必要となっており、広域化を含めた検討を行い、事業費の抑制を図る。【農林水産業費】漁港更新工事や分収林伐採管理など、海や山の資源を管理することにより、新たな地域の付加価値を検討する【商工費】観光振興費が主となっている。今後は観光と商工を組み合わせた効果の高い事業を精査し、地域の魅力発掘に注力する。施設においては老朽化が著しく、観光施設整備エリア計画に基づいた計画的な修繕を行い、補助金等の財源を最大限活用し、一般財源の抑制を図る。【土木費】道路や橋梁、河川の維持費用が主となっているが、施設の老朽化が著しく、長寿命化計画に基づく事業を計画的に実施し、費用の抑制を図る。【消防費】消防防災施設の整備、常備・非常備消防の整備、住民への啓発等が主となっている。今年度においては、耐震性貯水槽の整備、津波避難路の整備等の大型事業が増えたため、費用が増加している。消防関連施設の老朽化が進んでおり、集約化等を計画的に行い、効率的に費用の抑制を図っていく。【教育費】学校給食の公会計化や中学校統合事業により費用が増加した。今後中学校統合が予定されているため、内容精査及び財源確保を検討していく。【災害復旧費】台風や大雨などの災害が4件あり、道路、漁港、離岸堤の大規模修繕が発生したことにより、昨年度に続き高い水準となっている。【公債費】過去に起債を抑制してきた効果による減少が続いているが、過疎対策事業債の発行開始、今後の大型事業により大幅な増加が見込まれるため、内容の精査はもちろんのこと、条件有利な借り入れの選択などの検討をしていく。【諸支出金】国有地の購入を実施したため、皆増となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
【総括】少子高齢化・過疎化の影響は著しく、人口が500人/年程度減少しており、住民一人当たりのコストの上昇の主因となっている。これについては今後も続く見通しで、人口減少施策に取り組んでいくことが重要な課題である。【人件費】類似団体内平均と比べて-7,353円となっており、年々下回っている額が少なくなっている。これは人口減少が要因であると考えられる。【物件費】類似団体内平均と逆転して大きくなったのは、大型事業関連物件費の増加が要因であると考えられる。【維持補修費】類似団体内平均と比べて低い水準となっているが、公共施設の老朽化が著しいため、維持補修費は増大していくと推察される。公共施設等管理計画に基づき、施設の集約化等を進めて抑制を図る。【扶助費】類似団体内平均と比べて低い水準ではあるが、高齢化に伴う社会保障関連経費の増大が予想されるため、資格審査等の適正化を進め、適正な扶助に努める。【補助費等】類似団体内平均をわずかに下回ったが、増加傾向にある。補助金交付事業評価を進め、事業効果の最大化に努める。【普通建設事業費(新規)】類似団体内平均と逆転し、また、昨年度と比べ大きく増えたのは、耐震性貯水槽の整備やデジタル同報無線、新庁舎建設関連経費によるものである。公共施設等総合管理計画において行政のスリム化が問われている中で新規建設事業については慎重に判断をしていく必要がある。【普通建設事業費(更新)】類似団体内平均と比べて低い水準にはあるものの、今年度実施した、宮渡戸橋架替工事やじん芥処理場集じん器改修工事などに代表されるような老朽化施設の更新が増加していくことが想定される。大型事業が予定されている中で公共施設等総合管理計画に基づき、集約化等の検討に努める。【災害復旧事業】台風や大雨により、計4回発生しており、白浜中央海水浴場離岸堤損壊や道路、漁港など、大きな修繕が発生したため、昨年度に引き続き高い水準となった。【公債費】過去に実施した大型事業の償還が終わったため、前年度より下がったが、大型事業が予定されており、事業内容を精査し、有利な条件で、最小限の起債とするよう努める。【積立金】ふるさと納税に係る寄附金の基金への積立が増加しており、適正な事業分配を行っていきたい。【投資及び出資金】主なものは、下田メディカルセンターへの出資金(普通交付税分)であり、数値の変動は、普通交付税の変動及び人口の減少によるものである。【繰出金】主な繰出しは下水道事業特別会計への繰出金となっており、独立採算の原則に立った料金の値上げ等による健全化を図り、負担軽減を図るように努める。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄行財政改革への取組等により、実質収支は継続的に黒字を確保している。財政調整基金残高の減少は災害復旧や庁舎建設、中学校統合事業等に対して基金取り崩しをしたためと考えられる。今後、予定されている大型事業に伴い、更なる財政調整基金を含めた基金の大幅な取り崩しを検討しており、実質単年度収支は引き続き低い水準で推移していくものと推察する。そのような中でも行財政改革を進め、中長期的な見通しで取り崩し額を最小限にとどめるように努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄全会計において黒字収支となっているが、一般会計より他会計への繰出し金が実質収支額を支えている側面もあるため、各会計における経費の削減を徹底することが課題となる。特に、下水道事業会計においては、独立採算の原則に立ち返った料金収入の拡大による経営健全化を図り、下水道事業単体の黒字拡大を達成する必要がある。これにより、一般会計の黒字拡大につながるため、計画的な運営、経営の健全化を行うことにより、下田市全体の黒字拡大を目指していく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄平成19年度以降公的補償金免除繰上償還の実施や大型起債事業の抑制によって、一般会計における元利償還金や公営企業債の元利償還金に対する繰入金等は、平成28年度まで毎年減少傾向にあった。しかし、今後庁舎移転事業や中学校統合事業等大型施設の更新事業が予定されており、元利償還金の増加は避けられず、実質公債費比率の分子は増大するものと推察する。借り入れに当たっては条件有利なものを選択できるよう注視し、事業執行に当たっては徹底した事業精査を行い、その他の借入を抑制することにより分子の増大抑制を図っていく。
分析欄:減債基金減債基金残高のうち、当該目的での積立額はありません。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄一般会計等に係る地方債の現在高は、現在まで新規借入額が起債償還額以内となるよう事業を整理、縮小したことにより減少してきたが、庁舎建設事業、中学校統合事業等大型事業を予定しており地方債残高の増加が始まっている。事業執行に当たっては特定目的基金をはじめ基金の充当も考えており、充当可能財源等も減少することとなるため、将来負担比率の分子は大幅に増大する。公営企業債繰入見込額の増加は、主に下水道事業における分流式下水道に係る経費の算出方法変更による。組合等負担等見込額の増額については、下田メディカルセンター按分率変更による組合負担等見込額の増に伴うものである。今後は起債償還額に対する新規借入額の割合を抑制することにより早期の地方債残高の縮小に取組むよう努めていかなくてはならない。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)増加の主な要因は、平成29年度より過疎地域に認定されたため、過疎対策事業債の発行が可能となった。過疎対策事業債の発行が増えることによる将来負担の増を抑制するため、過疎対策事業債発行額のうち、普通交付税の基準財政需要額に算入されない約3割相当額を減債基金に積み、償還原資とすることとしたため、減債基金が増額となっている。(今後の方針)減債基金については、過疎対策事業債の償還に合わせて取り崩しを行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)減額の主な要因は、大型事業に係る補助金等の財源確保が難しい事業費への財源として取り崩しを行ったことにより、減額となっている。(今後の方針)庁舎建設、中学校統合の事業が進んでいく中で、予想外の支出も考えられ、そのために大幅な取り崩しも考えられる。当市の適正と考える財政調整基金残高は標準財政規模の10%(約6億円)と見込んでおり、その金額を一つの目安とし、残高確保に努めたい。
減債基金
減債基金
(増減理由)平成29年度より発行可能となった、過疎対策事業債の発行額が増えることにより、将来負担が増加するため、それを抑制する目的で、発行額の3割を積み立てて償還原資としている。(今後の方針)過疎対策事業債の償還に合わせて取り崩しを行っていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)庁舎建設基金・・・・・・市庁舎を建設するために必要な資金を積み立てるための基金ふるさと応援基金・・・・下田市ふるさと応援基金条例に資することを目的とした事業に要する経費に充てるための基金学校施設整備基金・・・・下田市立学校施設を適正に維持管理するための基金子育て支援基金・・・・・子育て支援活動の推進を図るための基金奨学振興基金・・・・・・奨学事業の振興を図るための基金(増減理由)主に庁舎建設事業を(-)47百万を取り崩し庁舎建設の財源とし、ふるさと応援寄附を積み立てたことによる増額が105百万、逆に(-)64百万を事業の財源として取り崩しを行ったことによる。(今後の方針)庁舎建設基金については、予定されている庁舎建設事の財源として取り崩しを行い、学校施設整備基金については、主に中学校の統合事業の財源として取り崩しを行い、その後、長期的に適切な学校施設の維持管理を行えるように計画的な積立・取崩を行っていく。ふるさと応援基金等については、目的別に適切な事業を各課において提案し、事業執行の財源として計画的に取り崩し行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
平成29年度分については財務書類が完成し、66.2%という結果になり、減価償却が進んでいる状況にある。しかし、庁舎建設・統合中学校建設の大型更新事業を目前に控えているため、令和元年度以降になると数値が低下していくと推測される。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
デジタル同報無線・庁舎建設・統合中学校建設等の大型事業が始まり、今後も公共施設の更新費用が増えることが想定される。公共施設の統廃合、依存財源に頼らない施設の更新を行い、債務の上昇を抑制について検討が必要となっている。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
平成29年度分については財務書類が完成し、有形固定資産減価償却率が66.2%という結果になった。将来負担比率については、38.9%となっており、施設の更新をしていない分、将来負担比率が低くなっている現状が顕著になっている。今後、庁舎建設・統合中学校建設の大型更新事業を目前に控えているため、令和元年度以降になると将来負担比率が増加し続けていくと推測される。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
平成24年度以降新規債の発行を抑制し財政の健全化に努めた結果、実質公債費比率は減少し、将来負担比率においてもふるさと応援基金等の基金残高の増により比率が減少してきた。実質公債費比率は類似団体より低くなっているものの将来負担比率は平均値を上回っており、類似団体に比べ、長期の起債を多く借り、債務負担行為に基づく支出予定額が多いと考えられる。平成30年度からの各比率の上昇については、平成29年度より借り入れが可能となった過疎対策事業債、デジタル同報無線・庁舎建設・統合中学校建設の大型施設の更新により実質公債費比率、将来負担比率共に大幅増加につながっている。今後も継続して大型施設の更新が想定されるため、より一層の自主財源確保策の実施、無駄な歳出の削減に努めるなど再度財政健全化を図る一方、不要な施設の廃止を盛り込んだ更新計画を立てる必要があるものと考える。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
平成29年度分の財務書類が完成し、有形固定資産減価償却率について算出が可能となった。平成28年度と比べて顕著なものについては、学校については施設の小規模修繕を多数実施した。そのため、有形固定資産減価償却率は62.5%と同程度で推移した。市営住宅については老朽化が著しい一部の施設を解体を実施したため、有形固定資産減価償却率は66.5%と大幅な減少となった。また、1割程度の市営住宅施設について解体を実施したため、一人当たりの面積も0.2882ポイントとなり、減少となった。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
平成29年度分の財務書類が完成し、有形固定資産減価償却率について算出が可能となった。平成28年度と比べて顕著なものについては、消防施設において、一部の詰所について解体を行ったため、有形固定資産減価償却率が28.0%と大幅に減少した。消防施設については一人当たり面積についても、複数が合併しているため0.066に減少している。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から497百万円の増加(+1.7%)となった。金額の変動が大きいものは工作物であり、前年度末から445百万円の増加となっている。内容としては、宮渡戸橋架替工事164百万円などの更新工事があり、インフラ資産が徐々に更新され始めた。全体会計における資産総額が前年度末から1,399百万円減少した大きなものは現金預金である。また、連結会計における資産総額についても大きなものは現金預金であり、全体会計の影響が大きくなっている。市庁舎建設や統合中学校建設などの大規模資産の更新事業を控えており、今後は負債の増加も懸念されることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。
2.行政コストの状況
一般会計等において、純行政コストは対前年度比57百万円の減少となった。内訳として、生活保護費等扶助費が減少した一方で、大規模更新事業の業務委託が開始されたため、物件費が増加している。物件費については今後も増加傾向が見込まれ、経常費用の生活保護等の扶助費については安易に抑制できるものではないことから、今後の純行政コストの増大が懸念される。全体会計において、純行政コストは対前年度比2,249百万円の減少となった。内訳として、移転費用の減少が多くなった。これは国民健康保険特別会計等の各種保険特別会計が移転費用が多いためであり、その影響によるものである。連結会計においてもその傾向は顕著であり、純行政コストは対前年度比3,280百万円の減少となった。連結会計には静岡県後期高齢者広域連合があり、国民健康保険特別会計と同様に移転費用が多くなる傾向にある。
3.純資産変動の状況
一般会計等において、本年度差額が前年度比408百万円増加しており、次世代への負担の先送りは軽減されているが、依然として財源と純行政コストを比較した本年度差額が負の値であり、次世代への負担の先送りをしていることに変わりはない。これは全体会計や連結会計でも同様の状況となっている。全体会計、連結会計においては財源が大きく減少となっており、結果として、本年度純資産変動額が減少しているが、純行政コストがこれに反比例して相殺している状況にある。しかし、最終的に純資産残高としては減少しているため、効率的な市の運営について検討する必要がある。
4.資金収支の状況
一般会計等において、業務活動収支、投資活動収支、財務活動収支のバランスは、業務活動収支と投資活動収支の減少分の前年比202百万円を財務活動収入である地方債発行で賄っているような図式となっている。これは、平成29年度に過疎対策事業債が借り入れ可能になり、徐々にシフトしていること。災害復旧事業債を多く発行したことによるものである。今後は大規模更新事業が予定されているため、交付税措置のよりよい起債の選択や事業費の精査を進め、財務活動収支に頼らない財政運営を心掛けたい。全体会計、連結会計においては、全ての収支が悪化してきているが、投資活動収支が大幅に減少していることから、資産として将来にわたって利益を享受できるため、業務活動収支の改善とともに財務活動収支に頼らない財政運営を検討していく必要がある。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
住民一人当たりの資産額は、当年度においては若干増加した。これは、分子である資産の増加と分母である市民の減少によるものである。資産の増加は橋の架替工事などの更新工事による資産の増加、新たなインフラ整備によるものがある。今後、市庁舎建設や統合中学校建設などの大規模更新工事が続くため、資産の増加は一時的に進むものと想定される。また、人口については約500人/年のペースで減少しており、分母の減少も著しいことから、住民一人当たりの資産の状況は増加していくと考えられる。歳入額対資産比率は変動が少ないものの、住民一人当たり資産額とともに類似団体平均値を大きく下回っている。これは移転費用等の扶助費といったコストに歳入が充てられていることが推測される。有形固定資産減価償却率は年々上昇傾向にあり、類似団体平均値と比べても減価償却が進んでいる現状が明らかであるため、老朽化施設の適正化に努めていきたい。
2.資産と負債の比率
純資産比率はほぼ横ばいとなっているが、資産形成の中で負債の割合が変わらず、経営改善が進んでいないことを示している。将来世代負担比率は増加傾向にあり、資産が増えていく中で、その財源としての地方債の増加に歯止めがかからない現状を示している。現状として老朽化施設が多数あり、今後大規模更新工事が予定されているため、地方債の発行抑制のための事業費精査や交付税措置の有利な地方債の借入等を検討し、地方債の抑制や資産の増を検討していく必要がある。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは増加傾向にあるが、人口の減少に行政コストが対応しきれていない現状があると推測される。職員人件費等、直ちにコストを減少することができない経費があり、約500人/年で減少している状況に合わせきれていない。類似団体平均値は下回っているものの、より一層の改善策としての人口減少対策が急務である。
4.負債の状況
住民一人当たりの負債額は前年度比1.7万円増加しており、主要な負債である地方債の増加については、平成29年度に過疎対策事業債が発行可能となったことから増加に拍車がかかっている。基礎的財政収支においても状況は悪化していることは変わりなく、今後大規模更新工事が予定されており、地方債の増加は避けられず、分母である人口も著しい現象が進むことが見込まれる。地方債発行抑制対策と人口減少対策は急務であり、今後の重要な課題である。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率が前年度比1.1%増加したのは、給食費の公会計化が始まったことにより、経常収益が伸びたため受益者負担比率が増加したものと推測される。しかし、類似団体平均値には遠く及ばず、経常収益向上のための受益者負担を求めていく必要がある。行政サービスの適正化図るとともに受益者負担の原則に則り、施設利用料等を再検討し適正な受益者負担を検討していく必要がある。
類似団体【Ⅰ-3】
留萌市
赤平市
三笠市
滝川市
砂川市
歌志内市
登別市
岩沼市
東松島市
潟上市
館山市
小浜市
上野原市
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