経営の健全性・効率性について
平成24年7月の使用料改定により、平成26年度にかけて使用料収入は増加したが、平成27年度以降は、使用者数の減少等により使用料収入額は減少に転じ、①収益的収支比率は低下してきた。また、当事業は多くが山間という地形で、区域が広く集落が点在するため処理場数が多く、汚水処理費が割高になる傾向がある。そのため、⑤経費回収率は低い数値、⑥汚水処理原価は高い数値で推移しているが、これらの指標を改善させるため、今後も経費削減を図りつつ、使用料の改定を検討していく必要がある。なお、平成30年度は災害復旧に係る修繕費が増加しているため、①収益的収支比率及び⑤経費回収率の低下や⑥汚水処理原価の上昇に影響している。④企業債元金償還金の財源のほとんどを一般会計に依存しているため、経費削減と収入増を図り、一般会計繰入金を減らしていくべきである。⑦施設利用率は類似団体や全国の平均値より高くなっているが、将来の汚水処理人口の減少に備えるため、施設の縮小・統廃合について検討が必要である。⑧水洗化率は類似団体や全国の平均値よりは高くなっているが、更なる向上に努める。
老朽化の状況について
③農業集落排水は、一番古いもので昭和61年度から供用開始しており比較的新しいため、現状では管渠の更新は行っていないが、今後は処理場施設も含め改築等の必要性を把握し、計画的な更新を検討する必要がある。
全体総括
施設整備はほぼ完了しているので、維持管理を中心に運営していくとともに、経費削減、使用料改定等により、一般会計繰入金を減らし、健全で効率的な経営となるよう努めていく必要があるものの、公共や特環に比べるとかなり効率の悪い事業であるため、今後は現在の状況のまま事業を継続するか、処理場の統廃合や公共・特環への統合を進めるか、市町村設置型合併浄化槽に転換していくのか、事業の存続について検討する必要がある。