収益等の状況について
①立地条件上、入込が天候の影響を受けやすいことが特徴である。夏期の週末天候不良により利用者減となった前年(平成30年)と同傾向にあった今年度は、ほぼ前年同様の入込となった。10月12日に台風19号による局地的な大雨により、大樺沢や野呂川流域が林道も含め多大な被災を受けたが、シーズン終盤における被災であったことから、この影響は次年度以後となる見込。また、近年の社会経済情勢に伴う空輸料金及び燃料費、人件費等固定経費の高騰による支出の増加も収支に影響を与えている。②他会計から補助金率は0%である。③他会計から補助金額は0円である。④類似施設と比較し、10%前後低い値で推移しているのは、公営の山小屋という性質上、登山道整備、山岳公衆トイレ及び救護所運営、公営ヘリポートの維持管理を特別会計内で行っており、通常の山小屋よりも営業コストが大きいためである。また、調査期間は1年間であるが、営業期間が5ヵ月間と少ないためである。⑤利用者の減少に伴う収益減少で数値は前年度から比率は1.0%上昇したが、類似施設との比較では低い水準に留めている。⑥類似施設と比較は大きな差異があり、前年度比較では7.0%減少した。これは、④と同様に公営の山小屋という性質上、登山道整備、山岳公衆トイレ及び救護所運営、公営ヘリポートの維持管理を特別会計内で行っており、通常の山小屋よりも営業コストが大きいためである。⑦今年度は類似施設とほぼ同数値であるが、平成29年以後天候に影響されている状況にある。今後は台風19号による林道や登山道の一部崩壊に対する影響を注視したい。
資産等の状況について
⑧該当数値なし⑨周辺類似施設のデータが無いため比較不能。⑩該当数値なし⑪該当数値なし⑫比率0%である。しかし、施設の老朽化等により大規模改修の必要性が生じ、将来的な比率の増加が予想される。
利用の状況について
⑬平成30年度から令和元年度にかけて、当市及び北岳山荘は、共に利用者の割合が低い状況にある。これは週末に天候不良の日が多く、この影響が当市の入込減少にも繋がったものと考える。今後は週休日や祝日が天候不良であった場合に備え、平日にも安定的に利用者を確保するためのサービス開発や、週末に集中する利用状況を平日にも振り分ける予約制などの手段検討を視野に入れ、これまでとは違う経営改善が必要である。
全体総括
1.経営の健全性について・立地条件上、気象による影響を受けるため、年度ごとに利用者数に変動のある不安定な状態である。特に平成30年度及び令和元年度は、週末の天候不良が年間利用者を例年より少なくする状況に繋がった。また、公営の山小屋という性質上、登山道整備、山岳公衆トイレ及び救護所運営、公営ヘリポートの維持管理を特別会計内で行っており、類似施設と比較しても営業コストが大きい。更に、近年の社会経済情勢により、ヘリコプターの空輸料金や燃料費、人件費などの固定経費が増加している。このため、近年は基金を取り崩しての運営が続いており、今年度と同じ状況があと2年続くと基金は残らない。よって、経営の健全化には、使用料の値上げが必要である。また、週休日や祝日が天候不良であった場合に備え、平日にも安定的に利用者を確保するためのサービス開発など経営改善が必要である。また、施設の維持管理等一部を業務委託することで営業費用削減を検討していく。2.老朽化の改善について・所有者である山梨県により令和3年度から工事予定。