経営の健全性・効率性について
①収益的収支利率については、地方債元利償還金の財源を一般会計負担金に依存しており、68%と類似団体平均より10%近く下回っているが、⑤料金回収率については60%と平均を上回っている。また、④企業債残高対給水収益率から見ると、当町の簡易水道区域については整備が早かったことや、区域の一部を平成23年に上水道区域へ編入したことで企業債の残高が減少している。しかし必要な更新については満足に出来ているとは言えない。⑥給水原価については、施設が古く基準は満たしているものの、簡易的な浄水施設(急速ろ過等)が多く、類似団体平均を下回っているが、今後更新が必要である。⑦施設利用率については、類似団体の平均並みの数字である。⑧有収率から見ると、平成26年度から増加傾向にあり、やや類似団体平均を上回っている。しかしながら漏水率が30%を超えていることから、漏水調査を平成27年から順次行っている。
老朽化の状況について
当町では、③管路更新率からも見ても、類似団体平均を大きく下回っている。平成17年度の町村合併から10年が経過しているが、旧4町村の古い施設が残っており、管路については布設年度等を完全には把握できていない状態である。また漏水率が非常に高く30%を超えていることから、平成27年から漏水調査を行い部分的に修繕を行っているが、大規模な管路の更新までは出来ていない。当町の簡易水道区域は3地区に点在しており、浄水場は18箇所、配水池は42箇所と非常に多く、今後は計画的に上水道に統合し、施設の更新を行っていく必要がある。
全体総括
現在、当町では給水率99%を超えているが、町村合併から10年が経過した今日、施設の老朽化や人口の減少等を踏まえ、自主財源の確保はもとより、効率よい事業運営を余儀なくされている。今後は、長期的視野に基づき、点在している簡易水道区域の統廃合を行い、料金改定等の施策を実行していく必要がある。平成30年度から越前地区の布殿浄水場区域に血ケ平地区を統合する計画である。