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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
本市の財政力は、類似団体内平均値、全国平均、県平均よりも上回っており、前年度との比較では横ばいとなった。類似団体内平均値との比較では、平成26年度に0.56となり類似団体内平均値(0.63)を下回っていたが、平成27年度以降は類似団体の財政力指数が低下傾向にある中で、本市は、雇用・所得環境が比較的安定していたことによる給与所得の増に伴う個人市民税の増収等により財政力指数の水準を維持し、類似団体平均を上回った。
経常収支比率は、依然として高い水準にある。会計年度任用職員制度開始や退職者数増による人件費などにより経常的な経費が増加したものの、地方消費税交付金が前年度から約3億円増となるなど経常的な財源の増額がこれを上回ったこと等により、前年度に比べて0.3ポイント低下したが、類似団体内平均値との比較では4.0ポイント上回った。今後、経常一般財源の大幅な増収が見込めないため、経常経費の一層の効率化に努める。
人件費、物件費等の人口1人当たりの金額では、類似団体内平均値を上回ったが、物件費が主な要因となっている。令和元年台風19号豪雨災害及び令和3年福島県沖地震災害に伴う災害ごみの処理経費をはじめ、住宅等除染対策事業に伴う除染廃棄物(除去土壌等)の中間貯蔵施設への搬出経費など本市の特殊要因によるものである。物件費である震災関連委託費は事業の進捗により減少するが、公共施設の維持管理については、公共施設等個別施設計画等による施設配置の最適化を進め、コストの低減に努める。
本市においては、福島県人事委員会勧告の内容を基に給料表の改定を行っているため、国を上回る改定となっていること、また、職員の年代ごとの給与バランスを図るため給料表の号給を増設していること、更には一般行政職に占める4級以上の在職者の割合が高いことが、ラスパイレス指数の上昇要因となっている。
本市は、平成27年度から令和6年度までを計画期間とする職員定員適正化計画において、平成27.4.1の定年前正規職員数559人を基準として、計画期間において12人の削減を目標としている。また、再任用職員については、計画期間で常勤再任用職員の12人増を目標としている。課題は、本市の職員数は類似団体との比較においては低水準にあるが、年齢別の職員構成で見ると、年代別の職員数にバラつきがあることから、今後安定的な行政運営を図るためには、長期的な採用計画のもと年齢の平準化を図る必要がある。また、定年年齢引上げに伴う職員の定員管理も併せて検討が必要である。
実質公債費比率は、前年度から0.2ポイント低下したものの、類似団体内平均値を0.9ポイント上回った。今後は近年多額の借入れを行った地方債の元金償還が順次開始されることで、指標が徐々に上昇する見込みであるが、地方債の借入れにあたっては、交付税措置が手厚い地方債を厳選し、実質的な公債費負担を抑制することで、健全な指標の維持に努める。なお、当該指標は、令和1年度に茶畑地区産業拠点整備事業に係る土地を郡山地方土地開発公社から買戻ししたため一時的に上昇している。公表される指標は単年度実質公債費比率の3か年平均から算出しているため、令和3年度まで影響を受ける。
将来負担比率は、前年度から5.3ポイント上昇し、類似団体内平均値を32.3ポイント上回った。その要因は、文化センター耐震補強や学校施設の改修などにより地方債残高が増加したことや、基金残高が大幅に減少したことなどによるものである。今後も文化センター耐震補強や駅西地区都市再生整備等による地方債残高の増加や基金残高の減少などにより、指標が上昇する見込みであるが、交付税措置が手厚い地方債を厳選するなど実質的な将来負担を抑制することで、健全な指標を維持できるものと見込んでいる。
人件費に係る経常収支比率は、会計年度任用職員制度の開始により前年度から4.3ポイント上昇したものの、類似団体内平均値を0.7ポイント下回り、全国平均より低い水準にある。本市では、平成17の市町村合併を機に、平成26年度までの10年間を計画期間とする職員定員適正化計画を策定し、90人の削減目標を立て、最終的に65人の削減を実施。現在は、平成27年度からの10年間を計画期間とする新たな計画に基づき、計画期間内に定年前職員12人の削減を目標とするとともに、ワークライフバランスを保つための職場環境改善に努めている。
物件費に係る経常収支比率は、前年度から4.8ポイント低下したが、類似団体内平均値を2.0ポイント上回り、全国平均より高い水準である。減少要因としては、会計年度任用職員制度の開始により前年度まで物件費としていた臨時職員の賃金等が人件費計上となったためである。これまでは、新規施設の供用開始による施設維持管理費等の増加が指標の主な上昇要因となっていたことから、今後も施設の維持管理経費などの効率化に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、前年度から0.1ポイント上昇し、類似団体より高い水準であるが、全国平均より低い水準となった。扶助費に係る経常経費は、認定こども園等の施設型給付事業の増加等の影響で前年度より上昇した。国の制度設計や社会保障財源の状況に大きく左右されるが、今後は増加傾向が見込まれるため、市単独扶助費については、継続して効率化に努める。
その他の経常収支比率は、前年度から3.7ポイント低下し、類似団体内平均値と同値となったが、全国平均よりは高い水準にある。前年度からの減少要因としては、下水道事業が地方公営企業法の財務規定等適用で公営企業会計へ移行したことによる繰出金等の減少である。
補助費等に係る経常収支比率は、前年度から3.8ポイント上昇し、類似団体内平均値を4.2ポイント上回り、全国平均よりも高い水準である。補助費等は、一部事務組合に対する分担金等が大きな割合を占めるため、その事業進捗を注視するとともに、その他の各種団体への補助金については、費用対効果を見極め、交付基準の見直しや終期設定などの検討を進めていく。
公債費に係る経常収支比率は、前年度から横ばいとなり、類似団体内平均値を2.7ポイント下回り、全国平均よりも低い水準にある。今後は、公共施設等の耐震化事業や災害対応などで、これまでに借入れを行った地方債の元金償還が順次開始されることにより、指標が徐々に上昇する見込みである。これからの地方債の借入れにあたっては、交付税措置が手厚い地方債を厳選することで、実質的な公債費負担の抑制に努める。
公債費以外の経常収支比率は、前年度から0.3ポイント低下したが、類似団体内平均値及び全国平均より高い水準となった。今後、経常経費の抑制にあたるとともに、費用対効果を見極め、一層の効率化に努める。また、公共施設の更新や長寿命化については、公共施設等個別施設計画などを踏まえて対応していく。
(増減理由)令和2年度においては、財源調整に伴う財政調整基金の取り崩しを行った他、公債費負担の平準化と普通交付税の段階的縮減に伴う激変緩和のために減債基金を取崩した。さらに、公共施設等の整備・改修等により、その財源として特定目的基金の取崩しも行った。震災関連事業の完了に伴い、農業水利施設等保全再生事業基金及び東日本大震災復興交付金基金の残高を返還(精算)したことにより、基金全体としては、前年度と比較して、1,070百万円減少した。(今後の方針)公共施設等総合管理計画に基づく施設等の全体適正化に対する財政負担や駅西地区都市再生整備事業などの大型事業に係る財源確保のため、計画的な基金の繰入れと積立てを実施していく。
(増減理由)年度間の財源調整のため700百万円を取崩したことにより、基金残高が減少した。(今後の方針)歳入一般財源の不足額を補っていくことで徐々に減少していく見込みであるが、標準財政規模の10%程度の基金残高を維持することを目標とする。
(増減理由)公債費負担の平準化と普通交付税の段階的縮減に伴う激変緩和に対応するため、平成28年度まで積立てを行ってきたが、平成29、平成30,令和1の各年度に続き令和2年度も280百万円取崩したことにより減少した。(今後の方針)公債費の平準化等のために繰入れを行っていくことで今後も基金残高は減少が見込まれる。
(基金の使途)主な基金・公共施設等整備基金:公共施設等の整備、取得、改修、維持補修等に活用する基金・地域振興基金:活力ある地域づくりの推進のために実施する事業に活用する基金・好きですすかがわガンバレ基金:須賀川のふるさとづくりを支援しようとする個人及び団体から寄附金を積み立てる。(増減理由)公共施設等整備基金については、施設の改修等に充てるため59百万円を取崩したが、200百万円の積立てを行ったため令和2年度末残高は前年度から141百万円増加した。一方、震災関連事業の完了に伴い農業水利施設等保全再生事業基金及び東日本大震災復興交付金基金の残高を返還(精算)したことや地域振興基金など各基金で取崩しを実施したことにより、その他の特定目的基金全体で前年度と比較して90百万円減少した。(今後の方針)公共施設等整備基金については、公共施設等総合管理計画に基づく施設等の全体適正化に対する財政負担や駅西地区都市再生整備事業などの大型事業に係る財源確保のため、決算剰余金を活用した計画的な積み増しに努める。また、好きですすかがわガンバレ基金においては、本市の魅力や取組を広く情報発信することで寄附の獲得を図る。これに加え、令和3年度からスタートする地域振興基金による企業版ふるさと納税の取組も進めていく。
令和2年度の有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と比べると下回っているが、昨年度から0.9ポイント上昇した。耐用年数を超えて使用している施設が増えており、今後も指標の上昇が見込まれる。令和2年度に公共施設等個別施設計画を策定し、施設ごとの具体的な再編方針や実施時期等を定めた。当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めていくことで総量の適正化を図っていく。
債務償還比率は、類似団体平均を上回っている。比率の算出に用いる将来負担額が前年度から増加しており、台風19号豪雨災害や文化センター耐震補強事業に係る借入れなどにより地方債残高が増加したことや、災害対応や市債の償還による財政調整基金や減債基金残高の減少が主な要因と考えられる。今後はより一層、歳入の確保や歳出の抑制により業務活動収支の更なる改善を図り、債務償還比率の低減に取り組んでいく。
有形固定資産減価償却費率は類似団体平均と比べて低い水準で推移しているものの、本市の公共施設は高度経済成長期から平成初期に整備されたものが多く、今後施設の老朽化が進むことで指標の上昇が見込まれる。また、将来負担比率は増加傾向にあり、類似団体平均と比べて高い水準にある。台風19号に係る災害復旧や文化センター耐震補強事業など各施設の更新に伴い市債の現在高は年々増加しており、将来負担比率への影響が考えられることから、公共施設等総合管理計画や令和2年度に策定した公共施設等個別施設計画に基づき計画的な施設の管理に取り組むとともに、公共施設等整備基金への積立など充当可能財源の確保にも努めていく。
将来負担比率が上昇している要因については、災害復旧関連事業や施設の耐震化などによる市債残高の増加や充当可能財源である基金残高の減少などが考えられる。実質公債費比率は、前年度から0.2ポイント低下したものの類似団体平均を上回っている。これは、公債費に準じる債務負担行為となる茶畑地区産業拠点整備事業に係る債務を令和元年度に一括償還したことによる一時的な上昇であり、単年度の実質公債費比率としては前年度から9.1ポイント減少している。しかし、市債残高は増加傾向にあり、これまでに借入れを行った市債の元金償還が順次始まることで、将来的には実質公債費比率の上昇が見込まれることから、市債の借入れにあたっては交付税措置がある起債を厳選し、実質的な公債費負担を極力抑制することで、健全な指標の維持に努める。
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