経営の健全性・効率性について
東神楽町の下水道は、石狩川の汚濁防止及び生活環境の改善を目的として整備され、下水道処理区域内の水洗化率(⑧)は99.96%となっており、処理区域内のほぼすべての町民の皆様が下水道を利用しています。この事業の経営は下水道を使用されている皆様から頂いた使用料をもとに運営を行っておりますが、現状としてこのお金だけでは運営が成り立っていません。それは図の経営資料から、収益的収支比率(①)において、使用料などの収益で、費用を80%程度しか賄われていないこと。汚水量1㎥当たりの処理費用を表した汚水処理原価(⑥)は、現在の使用料水準1㎥当たり108円(一般家庭)に対して、150円台となっていること。経費回収率(⑤)からも、本来使用料金で汚水処理に係る費用(建設費+維持管理費)を賄うこととされていますが、現在の使用料水準では80%程度しか確保できていない状況であり、一般会計からの繰り入れが必要となっています。また、この事業に係る債務については、下水道の整備がほぼ終了していることから、未償還残高が減少傾向にあり、料金収入に対する下水道事業債(下水道整備のために使用した借金)の比率も、企業債残高対事業規模比率(④)のとおり、減少傾向となっています。
老朽化の状況について
これまでに整備してきた下水道管路は、布設後30年を経過したものが年々増加しており、管路の継ぎ手部や亀裂部からの地下水等の侵入といった影響がでており、処理費用の増大などが予想されています。そのため、平成25年度より管路内部のカメラ調査を行い、適正な維持と計画的に修繕を進めていきます。
全体総括
現在の使用料水準が、2,160円/月(一般家庭・20㎥/月使用下水道使用料)であり、総務省の示す使用料単価水準3,000円に達しておらず、一般会計からの繰り入れが必要となっている経営状況を踏まえ、使用料単価の見直しを検討する必要があります。また、公営企業会計への移行調査を行うとともに、資産台帳の整理等を進め、下水道事業経営の健全性・透明性を確保するとともに、経営基盤の強化を図る必要があります。今後とも下水道施設を長きにわたり供用していくために、管路内部のカメラ調査等を踏まえ、既存の下水道施設の計画的な維持管理を進めつつ、老朽化が進んだ管路に対して、長寿命化計画を策定し、適切な更新事業を進めます。