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地方財政ダッシュボード

大分県玖珠町の財政状況(2020年度)

🏠玖珠町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 簡易水道事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

地方税は対前年度比0.7%増加しているが、類似団体と比較すると基準財政収入額が少なく、普通交付税の算定時に算出される基準財政需要額は多いため、類似団体内平均値を下回っている。人口減少、高齢化率が全国平均を上回る(令和3年3月末38.68%)状況が続くため、今後も中学校跡地等の利活用として企業算入に対する支援などの取組を通じて財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

歳入経常一般財源は、地方税や普通交付税、地方消費税交付金などが増額となり、対前年度比で111,679千円、2.3%の増となっている。一方、歳出経常経費充当一般財源は、物件費、補助費等を除き、すべての性質項目で増加し、対前年度比で14,048千円、0.3%の増となっている。結果的に分母である経常一般財源の増加幅が大きかったことから、経常収支比率は前年度より1.6ポイント下降した。今後もより一層、税の徴収率の向上や給与制度の適正化など、経常経費の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

維持補修費は類似団体内平均値を下回っているものの、人件費については、類似団体内平均を大きく上回っている。その要因は、人口1,000人あたりの職員数が類似団体と比較して多いことなどが挙げられる。職員の年齢構成比率にもよるが、適切な定員管理を行う必要がある。維持補修費については、人口1人あたりの決算額は前年と比べて増加している。今後も公共施設の老朽化対策を実施していく見込みのため、公共施設等総合管理計画に基づき、ライフサイクルコストの抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

職員構成の変動により、前年度と比べ0.5ポイント減少しているが、類似団体内平均・全国町村平均との比較では高い水準となっている。現在、国の給与水準に倣った制度設計に向けた協議を継続して行っている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体と比較して、高い水準となっている。職員の年齢構成上、今後は退職者が増加していく見込みであるため過去に策定した定員管理計画の検証や事務事業の見直し、今後の人口推計を踏まえ適切な定員管理を行う必要がある。

実質公債費比率の分析欄

公債費及び公債費に準ずる費用が類似団体と比較して少ないため、実質公債費比率は類似団体内平均値よりも低い水準となっている。今後の見込としては、平成27年度から平成30年度にかけて整備した新中学校(くす星翔中学校)建設事業、令和2年7月豪雨に係る災害復旧事業に伴う地方債元利償還金が増加し、その大半は普通交付税の基準財政需要額に算入されるものの、水準は高くなっていく見込みである。

将来負担比率の分析欄

地方債残高などの将来負担額に対して、充当可能基金や基準財政需要額算入見込額などの充当可能財源が多くなっているため、将来負担比率はマイナスとなる。しかしながら、新設中学校(くす星翔中学校)建設事業、令和2年7月豪雨関連災害復旧事業などで、今後も地方債現在高が増加し、基金残高が減少していく見込みである。地方債発行額の適正な管理を行い、将来負担の抑制に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

前年度と比較すると、経常収支比率に占める人件費の割合は増加し、類似団体内平均値よりも高い水準となっている。要因としては、会計年度任用職員制度導入による賃金から報酬への移行や、類似団体と比較して、職員数が多いことなどが挙げられる。今後も、適正な定員管理や、国の給与水準に倣った制度設計を継続して進めていく必要がある。

物件費の分析欄

前年度と比較すると、経常収支比率に占める物件費の割合は、1.2ポイント減少しており、類似団体内平均値と同水準となっている。減少の要因として、臨時職員の賃金の廃止、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う研修中止による旅費、通行料などの経常的な物件費の減が挙げられる。今後は新たな生活様式に対応するためのデジタル関連の維持管理経費(保守料など)の増加が見込まれるため、引き続き、活用できる財源の検討と行政費の抑制を図っていく。

扶助費の分析欄

経常収支比率に占める扶助費の割合は、前年度と比較して0.1ポイント減少しているが、類似団体内平均値よりも高い水準となっている。要因としては、施設型給付費や障がい福祉サービス訓練等給付費などが、年々増加傾向にあることが挙げられる。福祉サービスの充実は必要であるものの、給付の適正化を図り、今後も特定財源の確保について検討していく必要がある。

その他の分析欄

前年度と比較して0.4ポイント増加しており、歳出経常経費充当一般財源も増加した。主な要因としては、介護保険事業や後期高齢者医療事業など特別会計への繰出金が増加したことによるものである。今後も健康増進や生活習慣病の予防などに重点を置きつつ、効果的な健康教育、健康相談などの保健事業を展開し、医療費の抑制に努める。

補助費等の分析欄

前年度と比較して1.6ポイント減少しており、その要因は中山間地域等直接支払事業や日田玖珠広域消防組合負担金の減や、新型コロナウイルス感染症による各種イベント中止に伴う団体に対する補助金の減などが挙げられる。恒常的な町独自の補助金については、現在、各事業の要綱等を作成し、事業効果の検証、見直しを行っている。引き続き各補助金の必要性や効果などを検証し、縮小や廃止を行う。

公債費の分析欄

前年度と比較して改善されており、その要因は過疎対策事業債の減などによるものである。類似団体内平均値と比較しても前年度と同様に、若干低い水準となっている。しかしながら、新設中学校(くす星翔中学校)建設事業及び令和2年7月豪雨災害復旧事業により、今後も地方債現在高が増加していくことが見込まれるため、発行額の適正な管理に努める。

公債費以外の分析欄

前年度と比較し1.5ポイント減少しており、財出経常経費充当一般財源も減少したが、類似団体内平均値との差は依然として開いている状況である。主な要因としては人件費、扶助費、その他(繰出金)の増加が考えられる。各性質ごとに記載している分析内容を踏まえ、健全な財政運営に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・令和2年度決算で、類似団体平均値よりも高い項目⇒議会費、民生費、農林水産費、商工費、消防費、教育費、災害復旧費農林水産費は、カウベルランドくす土地購入事業により前年よりも増加している。災害復旧費は、令和2年7月豪雨で被災した河川や道路、農林水産施設等の復旧に伴い増加している。・令和2年度決算で、類似団体平均値よりも低い項目⇒総務費、衛生費、労働費、土木費、諸支出金公債費は過疎債の減少により、類似団体平均値よりも低い水準となっているが、新中学校建設事業、令和2年7月豪雨に係る災害復旧事業の償還が始まることから増加傾向に転じていくと考えられる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・人件費は、住民1人あたり110,113円となっており、過去5年間をみても類似団体平均値とくらべて高い水準にある。これは、人口1,000人あたり職員数が類似団体と比較して多いことなどが挙げられる。職員の年齢構成比率を踏まえ、適切な定員管理を行う必要がある。・扶助費は、住民1人あたり94,497円となっており、平成28年度と比較すると17.4%増加している。要因としては障害福祉・児童福祉に関わる経費の増加が挙げられる。・補助費等は、住民1人あたり191,784円となっており、前年度比で146.6%増加している。要因としては特別定額給付金事業実施によるものである。・災害復旧事業費は、住民1人あたり47,969円となっており、前年度比で243.1%増加している。令和2年7月豪雨に関連する災害復旧事業が要因であるが、甚大な被害のため数年に渡り復旧事業が続くため今後高い水準で推移するものと考えられる。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

2年度については、令和2年7月豪雨に係る災害復旧等の臨時財政需要があったため、実質単年度収支は赤字であり前年対比で悪化している。実質単年度収支は、平成23年度以降赤字であり、財政調整基金残高の減少が続いている。今後は災害復旧事業に係る公債費の増加やデジタル関連維持管理費等新たな経費が発生するため、行財政改革の更なる推進が必要な状況である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

令和2年度決算も、すべての会計において黒字である。水道会計については、今年度においても経常収支比率、料金回収率は良好であり、給水収益により経営に必要な財源を賄っている。今後はアセットマネジメント計画に基づき、保有する資産の老朽化対策や原水の汚濁対策、区域拡張に伴う建設改良事業などの財源確保に努めていく。簡易水道会計については、綾垣簡易水道事業の料金収入が若干増加したが、建設改良事業や事務費に係る財源の多くを一般会計から繰入を行っており、昨年度同様、実質収支は0となっている。今後も引き続き歳出の推移を注視し、必要な措置を講じていく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

平成29年度にふるさと融資分の繰上償還を実施して以来、分子控除額である算入公債費等(貸付金の財源として発行した地方債に係る貸付金の元利償還金)が減少しており、実質公債費比率の分子は増額していたが、令和2年度決算では、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等の減少により実質公債費比率の分子は減少している。今後は災害等による地方債の元利償還金の増加、消防共同指令業務等による組合が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等が増加する見込みであることから、実質公債費比率も増加すると考えられる。今後も、公債費の適正化を検討していくことが必要である。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度決算においては、将来負担額よりも充当可能財源等が上回っているため実質的な負担は発生していない。地方債の現在高が増加しているが、組合等負担等見込額・退職手当負担見込額減少したことにより、将来負担額は減少。充当可能財源等については、令和2年7月豪雨災害復旧に係る地方債の一部が基準財政需要額への参入が見込まれるなどあり、微増しているため、将来負担比率の分子は減少している。今後も災害等の地方債発行、消防共同指令業務等の組合等負担等額の増加が見込まれるため、地方債の適正な発行管理を行い、将来負担の抑制に努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては93百万円の減少となった。増加の主な基金としては、公共施設等総合管理基金・森林環境譲与税基金などの積立、減少の主な基金としては、地域振興基金・ふるさと応援基金などの取崩や、その他、収支調整のため財政調整基金を323百万円、減債基金を28百万円取り崩したことによる減少などである。(今後の方針)今後も特定防衛施設周辺整備調整交付金を財源とした、基金に積立を行い、事業に充当する。財政調整基金が減少傾向にあることから、行財政改革プランの実施により、財政調整基金の取崩しを抑制し、可能な範囲で積立を行う。

財政調整基金

(増減理由)人件費、扶助費などの義務的経費が増加したため、266百万円の積立を行ったものの、323百万円の取崩しを行った。(今後の方針)今後も人件費や物件費、災害普復旧などの負担が発生するため基金残高は減少基調となる。大災害など不測の事態に備えるため、一定程度額を保持するよう努めていく。

減債基金

(増減理由)令和2年7月豪雨に係る災害復旧事業債等の今後発生する償還に備え19百万円の積立を行い、借り入れていた起債の償還に対応するため28百万円の取崩しを行った。(今後の方針)令和2年7月豪雨に係る災害復旧事業債の発行により、前年度よりも起債額が増加した。令和9年度に地方債償還のピークを迎えるため、それに備えて毎年度計画的に積立を行う予定であり、9年度以降は減少予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金地域における豊かで快適な生活環境整備、福祉の充実及び定住促進のため公共施設整備計画に基づく事業に充当公共施設等総合管理基金複合施設管理費などの公共施設等管理総合計画を推進する事業に充当ふるさと応援基金公営塾運営費や小学校運営管理費に充当学力向上推進事業基金町立小中学校の児童生徒の学力向上及び学習環境の向上のための経費に充当町有林災害復旧事業基金町有林災害復旧事業に要する経費及び農林漁業金融公庫からの借入のうち、災害被害林に係る繰上償還に充当(増減理由)地域振興基金玖珠工業団地内の企業進出(新栄合板)等に伴う助成金として取崩しを行った。公共施設等総合管理基金基金に100百万円の積立を行った。ふるさと応援基金事業のため取崩しを行った。学力向上推進事業基金事業のため取崩しを行った。(今後の方針)地域振興基金玖珠工業団地などへの企業誘致関連経費の他、公共施設整備計画に基づいた新規・転用へ充当を行う。その他施設に関連する基金個別施設計画に記載のある修繕や更新事業を優先して予算化するため、現有施設関連基金の統廃合を行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているが、今後上昇していくと考える。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、今後30年間に公共施設等の延長面積を15%削減するという目標を掲げ、平成30年度には施設類型ごとに個別管理計画を策定し、令和7年度までを第1期計画期間(集中及び見直し期間)と位置付けている。当該計画に沿って施設の維持管理を適切に進めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率については、類似団体平均を下回っているが、今後も大型事業による地方債償還と基金残高の減少により、将来負担額が上昇していくことが見込まれる。地方債の適正な発行管理を行い、将来負担の抑制に努めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率及び有形固定資産減価償却率については、類似団体平均を下回っているが今後上昇していくと考えられる。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画及び平成30年度に策定した個別管理計画に基づいた、施設の維持管理を適切に進めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率及び将来負担比率は類似団体と比較して低い水準にある。しかし、平成27年度から新設中学校(くす星翔中学校)建設事業などの大型事業を実施し、平成31年4月に開校し、公債の償還が始まっている。実質公債費率・将来負担比率ともに上昇すると考えられることから、今後も、地方債の適正な発行管理を行い、将来負担比率の抑制に努めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、児童館、公民館である。いずれの施設も、老朽化により今後維持補修費が増加していくと考えられる。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画および平成30年度に策定した個別管理計画に基づき、施設の維持管理を進めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一般廃棄処理施設、保健センター・保健所、福祉施設、市民会館、庁舎である。一般廃棄物処理施設については、玖珠九重行政事務組合の施設であり、事務組合及び玖珠町、九重町の3者で協議し修繕、更新等を計画的に行う必要がある。また、くすまちメルサンホールについても建築から20年以上経過しており、建物や設備の老朽化に伴う修繕や設備更新の費用が増加している。その他の施設も、老朽化により今後維持補修費が増加していくと考えられる。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画及び平成30年度に策定した個別管理計画に基づき、施設の維持管理を適切に進めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,