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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

関西国際空港(以下「空港」)の関連事業所等からの固定資産税等により類似団体平均を上回る税収があるため、0.86となっており、近年ほぼ横ばいで推移している。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は104.3%と類似団体平均を上回っている。歳出面では、公債費が著しく高い水準となっており、過去に空港関連の都市基盤整備等を進め、その財源に地方債を活用したことが影響している。一方歳入面では、地方消費税交付金、地方特例交付金でそれぞれ減となったものの、市税、地方交付税、株式等譲渡所得割交付金でそれぞれ増となったことから、全体の金額としては増加した。このことから、経常収支比率は前年度と比べ、0.1ポイント減少した。今後も、令和6年12月に策定した中期財政運営方針(令和7~11年度)に基づき、地方債の繰上償還や遊休土地の積極的な売却など、今後も健全な財政運営に努め、財政構造の弾力性について改善を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均に比べ高くなっているのは、主に物件費を要因としており、各種業務の委託料、ふるさと応援寄附金に係る経費等が増加したためである。今後も中期財政運営方針及び定員適正化計画等に基づき、事務の委託化による人件費と物件費の精査に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

行財政改革推進計画に基づき、平成13年1月から24ヶ月昇給延伸を行ったこと及び平成23年度より給与カット等を行ってきた。平成27年4月1日から段階的に削減率を緩和したことで上昇し、令和5年度は前年度より0.5ポイント改善したが、依然として類似団体平均を大きく下回る低水準にある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

過去に空港関連の都市基盤整備等の事業推進や空港を管轄する消防業務のために必要な人員を確保したことにより、類似団体内平均値と比較して高い水準となっていたが、消防事務を一部事務組合(泉州南消防組合)へ移管した平成24年度から同平均値と比較して低い水準となった。令和5年度は、一般行政職員数増のため前年度より0.33人増加している。今後も中期財政運営方針及び定員適正化計画等に基づき、より適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

過去に空港関連の都市基盤整備等を進め、その財源に地方債を活用した影響で、類似団体と比べて公債費の負担が重くなっている。令和5年度は、臨時財政対策債を前年度より3.5億円減となる3.1億円新規発行したものの、全体の元金償還額が発行額を上回り、実質公債費比率は0.9ポイント改善した。今後も中期財政運営方針に基づき、計画的な地方債の発行を行うことで、公債費の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均を上回っている。主な要因としては、過去に空港関連の都市基盤整備等を進め、その財源に地方債を活用した影響で、一般会計等の地方債現在高が標準財政規模の約2.45倍の600億円となっていること、また、空港対岸の「りんくうタウン」の造成に関して、公費負担となる雨水整備を最優先で進めたため、公営企業債等繰出見込額が115億円となっていることがあげられる。今後も公債費等義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

令和2年度の会計年度任用職員制度の開始に伴い、令和5年度においても実質職員給全体で増加となったものの、分母の歳入全体の改善により前年度と比べて0.3ポイント減少した。人員適正化等の取組により類似団体内平均を下回っている。今後も中期財政運営方針及び定員適正化計画等に基づき、人件費の適正化に努める。

物件費の分析欄

令和5年度は、新型コロナウイルスワクチン接種事業等の委託料減少により前年度と比べて1.1ポイント減少したが、依然類似団体平均より高い水準である。新たに発生する委託料については特に注意を払いながら、物件費全体の精査に努める。

扶助費の分析欄

障害者福祉に係る扶助費などが増加し、前年度と比べて1.2ポイント増加した。類似団体平均を若干下回る水準であるが、各種扶助費の支給については、今後も増加すると見込まれるため、適正化に努めていく。

その他の分析欄

類似団体平均と比較し若干高い水準となっており、前年度と比べて0.3ポイント増加している。これは、後期高齢者医療事業特別会計繰出金が増加したことによるものである。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、泉州南消防組合、泉佐野市田尻町清掃施設組合及び地方独立行政法人りんくう総合医療センターへの負担金などが多額になっているためである。引き続きそれぞれ自立的・効率的な経営を維持するため、これらを含めた補助費等全体の精査に努める。

公債費の分析欄

過去に空港関連の都市基盤整備等を積極的に進め、その財源に地方債を活用した影響で、地方債の元利償還金が膨らんでおり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を3.8ポイント上回っている。今後も中期財政運営方針に基づき、計画的な地方債の発行を行うことで、公債費の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、令和5年度は分母の歳入全体の減少などにより、0.6ポイント増加した。構成比は高い方から順に、補助費等、人件費、物件費、扶助費となっている。構成比において高い割合を占める各費目について、人件費、扶助費以外は類似団体平均より高くなっているため、注意して比率の改善に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり323,403円となっている。類似団体平均と比べ高止まりしているのは、主にふるさと応援寄附金事業に係る経費の増によるものである。前年度と比べ、住民一人当たり47,687円増加し、類似団体平均を大きく上回っている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり837,898円となっている。主な構成項目である物件費は、住民一人当たり131,701円であり、前年度から比較すると0.7ポイント減少しているものの、依然類似団体平均を超える高い水準で推移している。これはふるさと応援寄附金に係る経費が増加したことが主な要因である。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、令和4年度決算黒字の1/2を積立てた一方で、補正事業への充当のため取崩しを行っており、前年度と比較し減少している。また、特別職の給与カット、事業の見直しなどによる歳出削減のほか、遊休土地の積極的な売却、ふるさと納税の推進、空港連絡橋利用税の徴収、ネーミングライツなどの歳入確保に努めたことにより、引き続き25.9億円の黒字となっておりますが、前年度と比較し実質収支額が約1.5億円の減、標準財政規模に占める割合では0.64ポイントの減となった。また、実質単年度収支の標準財政規模に占める割合では、繰上償還額が皆減となったことなどから、6.37ポイントの減となっている。今後も令和6年12月に策定した、中期財政運営方針に基づき、計画的に安定した財政運営を行っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

平成21年4月1日に施行された財政健全化法に基づく健全化判断比率において、本市は平成20年度決算における連結実質赤字比率が26.42%(早期健全化基準17.44%)と早期健全化基準以上となった。本市は、財政健全化法施行前の地方財政再建促進特別措置法に規定する財政再建準用団体に陥らないよう普通会計の収支改善を最優先に取り組んできた結果、平成18年度に普通会計において実質収支の黒字転換を達成したが、特別会計等の根本的な改善措置を講じるまでは至っていなかった。そのような状況下、財政健全化法において、新たに設けられた連結実質赤字比率では、宅地造成事業会計における資金不足額約66億円により、連結実質赤字比率が早期健全化基準以上となったものである。また、同会計の資金不足は現病院(りんくうタウン)建設の財源として、旧病院跡地(上町)の売却収入を充てることとし、将来の公共施設等の整備のために宅地造成事業に売却したものであるが、景気低迷による事業計画の頓挫などにより、その間の金利負担の累積と地価下落による売却差損の発生で生じたものである。なお、同会計は既に役割を終えていることから、平成21年度に第三セクター等改革推進債を活用して、これを廃止し、一般会計の負債として引継ぐことで同年度の決算で連結実質赤字額を解消した。平成22年度及び平成23年決算では、一般会計で赤字額が生じたものの、連結実質赤字額は生じておらず、平成25年度決算で早期健全化団体から脱却した。令和5年度決算は、特別職の給与カット、事業の見直しなどによる歳出削減のほか、遊休土地の積極的な売却、ふるさと納税の推進、空港連絡橋利用税の徴収、ネーミングライツなどの歳入確保に努めたことにより、普通会計の実質収支額は引き続き黒字となっている。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

空港開港に合わせ、遅れていた都市基盤整備を進め、その財源に地方債を活用したことにより元利償還金等の額が非常に大きい。これは、総合文化センターの建設及び空港対岸の「りんくうタウン」の造成に関して雨水整備を最優先で進めたことにより公営企業債(下水道事業会計)の元利償還金に対する繰入金が多額となっていることが主な要因である。令和5年度は公営企業債の元利償還金に対する繰入金の増により、実質公債費比率の分子となる額が増加している。今後も中期財政運営方針に基づき、計画的な地方債の発行を行うことで、公債費の抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

空港開港に合わせ、遅れていた都市基盤整備を進め、その財源に地方債を活用したことから多額の地方債総額を抱えることとなった。これにより将来負担比率は、平成20年度決算で393.5%(早期健全化基準350.0%)と早期健全化基準以上となった。この主な要因は、上記の地方債残高(表中では、一般会計等に係る地方債の現在高)751億円と下水道事業会計・病院事業会計に係る公営企業債等繰入見込額約335億円によるものである。早期健全化団体となった平成20年度以降、平成21年度に宅地造成事業会計廃止で65.6億円、平成22年度に市立泉佐野病院の地方独立行政法人化で43.5億円の第三セクター等改革推進債を発行したため、一般会計等に係る地方債の現在高は平成23年度まで増加した。しかしながら、宅地造成事業会計を廃止することで連結実質赤字額を解消し、投資事業を精査し、新規の地方債の発行を抑制していることで、将来負担比率の分子となる額は減少傾向となっている。令和5年度は地方債残高が28.9億円減少したことなどで将来負担比率の分子が約39.2億円減少したため、将来負担比率は19.2ポイント減少した。地方債残高は依然として高水準で推移するため、中期財政運営方針に基づき、計画的な地方債の発行とすることで、更なる比率の改善に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)奨学金基金(令和4年度末残高321百万円)を令和5年度より定額運用基金から特定目的基金へ形態を変更した。また、ふるさと応援寄附金等により18,296百万円を積み立てた一方、ふるさと応援寄附金の目的に応じた事業に16,367百万円取り崩したことにより、基金全体としては2,250百万円の増となった。(今後の方針)中期財政運営方針に基づき、財政調整機能を有する基金の残高を可能な限り保持していくことで、安定的な財政運営を目指す。

財政調整基金

(増減理由)・令和4年度黒字の1/2以上となる245百万円を積立てた。・259百万円の取り崩しを行い、令和5年度末残高は令和4年度末残高と比べて14百万円減少した。(今後の方針)安定した財政運営を行っていくために、基金残高を保持していく。

減債基金

(増減理由)公共用地先行取得事業特別会計からの買戻し、市有土地の売却により764百万円を積み立て、取り崩しはなかったため、令和5年度末残高は764百万円増加している。(今後の方針)中期財政運営方針に基づき、地方債残高を令和7年度には標準財政規模の約2.5倍の600億円以下とするため、減債基金を活用し計画的に繰上償還を実施していく。

その他特定目的基金

【広報公聴基金】広報及び公聴業務の円滑な運営と充実を図る経費に充当。【国際交流振興基金】国際化の進展に伴い、国際交流の振興に図る経費に充当。【職員福利厚生基金】職員の福利厚生に要する経費に充当。【公共施設整備等基金】公共施設の整備を図るため並びにふるさと応援寄附金事業に要する経費及びふるさと応援寄附者が指定した事業に要する経費に充当。【福祉基金】社会福祉活動の推進に要する経費に充当。【環境衛生事業基金】環境衛生事業の推進に係る経費に充当。【公園等整備基金】公園、広場及び緑地の整備に要する経費に充当。【市営住宅整備基金】市営住宅の整備を図る経費に充当。【地域経済振興基金】地域経済の発展と産業振興を図る経費に充当。【自治振興基金】地域における自治活動の振興と住民自治の促進を図る経費に充当。【教育振興基金】スポーツの振興、図書の充実その他教育の振興に要する経費に充当。【森林環境譲与税基金】森林の整備及びその促進に関する施策に要する経費に充当。【退職手当基金】職員の退職手当の支払に要する経費に充当。【災害セーフティ基金】自然災害をはじめ感染症等の危機から市民の生命及び財産を守るとともに、支援活動、復旧対策等に要する経費に充当。【公益活動応援基金】地域の各種団体が自主的に実施する地域の活性化や課題の解決に向けた公益活動への助成に要する経費に充当。【企業版ふるさと納税基金】まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に要する経費に充当。【泉佐野市魅力創造発信基金】魅力創造発信に要する経費に充当。【奨学金基金】奨学金に要する経費に充当。(増減理由)ふるさと応援寄附金を積み立てたことで増加した。(今後の方針)ふるさと応援寄附金を目的に応じた事業に取崩す。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

それぞれの公共施設等について個別施設計画を策定済みであり、当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めている。個別施設計画策定に際して各施設の老朽化状況の調査を行い、施設ごとの使用可能年数を見積もっているが、使用可能年数を基にした令和5年度の有形固定資産減価償却率は59.2%であり、類似団体内平均値を下回っている。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、地方債残高や土地開発公社を含む設立法人の負債額が大きいため、類似団体内平均値と比べると高くなっている。将来負担額については、中期財政運営方針において、計画的な基金活用により基金残高を確保しつつ、地方債残高の減少に努めることとしており、令和11年度の将来負担比率100%以下をめざしている。今後も事業費の精査等を行うとともに、地方債の新規発行の抑制や、地方債の繰上償還の実施などにより、地方債残高の減少に努めていく。また、土地開発公社については、今後も経営の健全化を進めることで、負債の解消に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和5年度において将来負担比率は類似団体内平均値と比べて高い水準にある一方、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値よりもやや低い水準となっている。これは、公共施設等の集約化・複合化を積極的に進めてきたことにより、新たな施設の建設に係る起債額が増加する一方、老朽化した施設の除却が進んだためであると考えられる。公共施設等総合管理計画において、公共施設等の保有量を40年間(令和4~43年)で25%削減という目標を設定しており、長寿命化の取り組みを効果的に実施し、更新等費用の縮減及び財政負担の平準化を図り、保有量削減と同様の効果をもたらすように努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均値を上回っており、高水準な地方債残高が大きな負担となっているものの、中期財政運営方針に基づいた取り組みにより、将来負担比率及び実質公債費比率が低下傾向にある。引き続き、計画的な基金活用により基金残高を確保しつつ、地方債残高の減少に努めることで将来負担額の改善を図り、新たに作成した中期財政運営方針では令和11年度の将来負担比率100%以下をめざしている。また、実質公債費比率についても、地方債の繰上償還などを実施しながら引き続き令和11年度についても10%以下を継続できるようめざしている。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

令和5年度において、類似団体内平均値と比較して有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、道路、認定こども園・幼稚園・保育所、橋りょう・トンネル、学校施設、公営住宅、公民館である。これは、幼稚園や保育所の民間への委託化やこども園化により施設数が減ったこと、公民館の維持補修工事が行われたことによるものである。本市では、高度経済成長期以降の昭和40~50年代に教育系施設、行政系施設を中心に多くの施設が整備され、令和3年10月末現在で大規模改修が必要となる建築後30年を経過している公共建築物は、全体の41.5%を占めている。今後も、中期財政運営方針に基づき、安定した財政運営を目指すとともに、公共施設等総合管理計画などに基づき公共施設の適正な管理に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

令和5年度において、類似団体内平均値と比較して有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、体育館・プール、福祉施設である。これは、小学校のプールの整備等が行われたことによるものである。一方、類似団体内平均値と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所、消防施設、市民会館、庁舎である。こうした施設では、大規模改修などの整備ができなかったことにより、老朽化が進んでいる。令和3年10月末現在で大規模改修が必要となる建築後30年を経過している公共建築物は、全体の41.5%を占めており、今後も、中期財政運営方針に基づき、安定した財政運営をめざすとともに、公共施設等総合管理計画などに基づき公共施設の適正な管理に努めていく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、負債総額が前年度末から3,435百万円の減少(▲4.9%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)であり、中期財政運営方針に基づき、また地方債の新規発行をコントロールしたことにより、地方債残高が1,870百万円減少した。全体では、資産総額は220,653百万円、負債総額は139,724百万円となっている。これは上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて89,959百万円多くなるが、負債総額も地方債(固定負債)を充当したこと等から、73,118百万円多くなっている。連結では、資産総額は、病院施設に係る資産を計上していること等により、一般会計等に比べて119,658百万円多くなるが、負債総額も地方債(固定負債)を充当したと等から、94,403百万円多くなっている

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は57,075百万円となり、前年度比2,646百万円の増加(+4.9%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は30,225百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は26,850百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。最も金額が大きいのは物件費(20,182百万円、前年度比+1,774百万円)で、ふるさと応援寄付金関連経費と物価高騰関連経費合計が令和4年度比2,350百万円の増加となっていることが主な要因である。次いで補助金等(14,343百万円、前年度比+842百万円)であり、物件費と補助金等で、純行政コストの62.2%を占めている。今後も高齢化の進展に伴う社会保障費の増加など不確定要素も多いことから、中期財政運営方針の基づき、経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常費用が25,925百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が19,439百万円多くなり、純行政コストは20,605百万円多くなっている連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、人件費が11,326百万円多くなっているなど、経常費用が61,314百万円多くなっているおり、純行政コストは33,570百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(59,985百万円)が純行政コスト(55,504百万円)を上回ったことから、本年度差額は4,481百万円(前年度比1,077百万円増)となり、純資産残高は4,825百万円の増加となった。特に、令和5年度は、ふるさと応援寄附金が令和4年度比3,740百万円の増加したため、純資産が増加したことが考えられる。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が8,046百万円多くなっており、純資産残高は80,929百万円となった。連結では、泉佐野ガス、電力等が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が9,848百万円多くなっており、純資産残高は89,343百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は6,343百万円であったが、投資活動収支については、▲3,441百万円となった。財務活動収支については、中期財政運営方針に基づき、また地方債の新規発行をコントロールしたことにより、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲3,094百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から▲221百万円減少し、742百万円となった。地方債の償還は進んでおり、かつ経常的な活動に係る経費を税収等の収入で賄えているため、引き続き、中期財政運営方針により、行財政改革を更に推進していく。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より2,044百万円多い8,387百万円となっている。投資活動収支では、下水道管の老朽化対策事業を実施したため、1,641百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったこと等から、▲544百万円となり、本年度末資金残高は2,824百万円となった。連結では、りんくう総合医療センターにおける入院・外来収益等の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より4,418百万円多い10,761百万円となっている。投資活動収支では、りんくう総合医療センターの医療機器購入等を行ったため、▲2,440百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲2,337百万円となり、本年度末資金残高は6,687百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、類似団体平均を下回っており、前年度末に比べて、小中学校図書室整備等により0.8万円(令和5年)増加している。理由としては、将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成28年度(令和3年度改訂)に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、令和43年度までの取組目標として公共施設等の保有量を25%削減することで、公共施設等の集約化・複合化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

(社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す)将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っているが、令和元年度に策定した中期財政運営方針に基づき、地方債の繰上償還や新規に発行する地方債の抑制を行っており、令和4年度比1.3%減少している。引き続き、高利率の地方債の繰上償還や借換えを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っており、また、昨年度に比べても増加している。特に、純行政コストのうちおよそ36%を占める物件費のうち、ふるさと応援寄付金関連経費が令和4年度比3,740百万円増加したことが、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなった主な要因である。公共施設等総合管理計画に基づき、計画的・効率的な維持管理の推進を図り長寿命化を進めることにより、ライフサイクルコストの縮減を図るとともに、財政負担の平準化を図っていく。また、公共施設等の管理運営は、これまでも指定管理者制度等による民間を活用した運営を積極的に行っているが、引き続き、指定管理者制度の導入や民間委託を推進していく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、令和元年度に策定した中期財政運営方針に基づき、地方債の新規発行をコントロールしたことにより、前年度から4.1万円減少している。引き続き、中期財政運営方針に基づき、地方債残高の縮小に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。特に、ふるさと応援寄附金関連経費や物価高騰対策費用の増加により、経常費用が昨年度から2,646百万円増加している。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、6,680百万円経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、287百万円経常収益を増加させる必要がある。このため、公共施設等総合管理計画に基づき、市民のニーズに配慮した適正な公共施設等の配置により、施設の維持管理や運営に係るコストの削減を目指す。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,