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愛知県名古屋市:自動車運送事業の経営状況

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経営比較分析表(2023年度)

経常収支比率

営業収支比率

流動比率

累積欠損金比率

利用者1回当たり他会計負担額

利用者1回当たり運行経費

他会計負担比率

企業債残高対料金収入比率

有形固定資産減価償却率

経営の健全性について

①経常収支比率は令和元年度までは黒字を確保しており、公営企業平均値や目標値を上回っていたが、令和2年度以降の4年間は赤字となり、ほぼ横ばいで推移した。また、②営業収支比率も過去5ヶ年赤字で目標値を下回っており、いずれの年度も公営企業平均値を下回っている。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした運輸収益の減少が続いた他、人件費やエネルギー価格高騰に伴う経費の増加により、令和2年度に悪化した①経常収支比率、②営業収支比率、④累積欠損金比率はいずれもほぼ横ばいの状態が続いた。③流動比率は令和2年度までの過去2ヶ年は目標値を上回っていたが、令和3年度以降の3年間は、目標値、公営企業平均値ともに下回った。⑤利用者1回当たり他会計負担額や、⑦他会計負担比率は、公営企業平均値を上回る状態が続いており、令和5年度は一般会計補助金が増加したことにより増加した。⑥利用者1回当たり運行経費は、令和5年度は減少したものの、令和元年度までと比べると依然として高い水準にある。これは、年間輸送人員の減少が続いた他、経常費用が増加したことによるものである。⑧企業債残高対料金収入比率は、企業債残高が増加したことにより、増加した。⑨有形固定資産減価償却率は、令和4年度までの過去4ヶ年は80%程度で推移していたが、令和5年度はバス車両の更新数が増加したことから、減少している。

走行キロ当たりの収入

走行キロ当たりの運送原価

走行キロ当たりの人件費

経営の効率性について

①走行キロ当たりの収入は同じ地域内の民間事業者の平均値を上回っているが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした運輸収益の減少が令和5年度も続いたことから、令和元年度と比べると低い水準である。②走行キロ当たりの運送原価も民間事業者平均値を上回っているが、これは③走行キロ当たりの人件費が民間事業者平均値を上回っていることが主な要因となっており、引き続き経営改善を行うこととしている。④乗車効率は公営企業平均値を下回っており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした運輸収益の減少が令和5年度も続いたことから、令和元年度と比べると低い水準である。

全体総括

令和5年度の運輸収益は前年度より増加したものの、支出では人件費や減価償却費の増加があったことから、経常収支が4年連続の赤字となり、非常に厳しい経営状況となっている。こうした中、人々の価値観や生活様式、社会・経済情勢などの事業環境が大きく変わる時代に適応し、持続可能な経営を実現するため、令和6年度から令和10年度までの5年間を計画期間とする「名古屋市営交通事業経営計画2028」を策定した。引き続き収入増加策の展開や業務の省力化・効率化などの経営改善に取り組むことで、収支の改善に努めていく。

出典: 経営比較分析表,

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