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地方財政ダッシュボード

千葉県木更津市の財政状況(2017年度)

🏠木更津市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数においては、類似団体平均0.07ポイント上回る、0.85となっており、平成29年度においては前年度に比べて0.01ポイント増加している。要因については、税収や交付金収入の増により、基準財政収入額が増加していることによるものである。

経常収支比率の分析欄

平成29年度の経常収支比率は、前年度比1.1%上昇し、94.3%と類似団体平均を上回っている。経常収支比率が上昇した原因としては、分母となる経常一般財源は、地方税や地方消費税交付金の増収により、前年度比0.5%増加しているものの、分子となる経常経費充当一般財源については、扶助費や公債費の増加により、1.6%増加している。人口増が続いている本市において、市税の収入は増加傾向にあるものの、少子高齢化の進展に伴う社会保障費などの行政需要も増加の一途をたどっている。今後、更なる徴収体制の強化により、市税収入を増加させると共に、歳出においても、事業の必要性を鑑み、経常経費充当一般財源を削減し、適正な経常収支比率を保てるよう努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、独自の人件費抑制策として、期末勤勉手当の基礎額に算入される役職加算額の50%削減措置を実施しているところである。今後とも給与の抑制措置、適切な定員管理に取り組み、人件費の抑制を図るものとする。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は類似団体平均を上回っている状況であり、これは国と比較して、初任給基準が高いこと、高齢層職員の給与水準が高いこと等が挙げられる。本市においては従来から高齢層職員の給与抑制に努めているところであるが、今後とも国の制度や基準に合わせ適正な水準を目指していく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均を上回っている主な理由は、消防職員の充実によるものである。今後は、人口増加を背景に、少子高齢化に伴う社会保障の充実など行政需要が増加している状況であるが、ICTの活用など業務の省力化に努め、定員管理計画に基づき、適正な定員管理を図る。

実質公債費比率の分析欄

平成29年度の実質公債費比率については、類似団体平均値を1.9%下回る2.9%であるが、前年度と比較すると0.6%増加している。原因としては、小・中学校の耐震対策及び老朽化対策事業の財源として、平成26年度に借り入れた全国防災事業債及び緊急防災・減災事業債の元金の償還が開始されたためである。今後についても、持続可能な財政運営を念頭に、地方債に大きく依存することのない、健全な財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

平成29年度決算時の将来負担比率については、類似団体平均値を6.9%上回る19.1%であるが、平成28年度決算時の数値と比較して7.3%減少している。要因としては、基準財政需要額は減少しているものの、起債残高においても微少ながら減少しており、基金においても庁舎建設基金や平成29年度に設置した公共施設整備基金の積立などにより、基金の総額が増加しており、将来負担額に対する充当可能額が増えていることがあげられる。今後については、土地開発公社の経営健全化計画に基づき、土地の買戻しを行うことにより、将来への負担を極力減らすよう勤めると共に、特定目的金の計画的な活用や、一般会計財政調整基金の残高確保に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は29.5%と類似団体平均を上回っているが、これは、消防業務を直営で行っていることが主な要因と考えられる。昨年度と比較すると、0.7%増加しているため、引き続き各種手当て等の自主的な給与適正化を推進し、人件費増加の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度と比べ0.5%減少してはいるものの、類似団体平均と比較し、高止まりしている。これは、一部事務組合により共同で行う業務が少ないことが要因としてあげられる。本市では、直営や委託で行う業務が多いため、人件費や物件費が高くなっていると考えられ、補助費等に係る経常収支比率が大幅に低いことにも現れている。今後においては、民間活力を導入することにより、事業の効率化を図ると共に、義務的経費の削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は12.4%と類似団体平均を下回っているものの、前年度と比較して0.1%増加となっている。近年人口増が続いている本市において、子育て支援や介護など、今後も扶助費の増加が見込まれる。年々増加する財政需要に対応するため、市全体として事務の効率化を図り、より経費の削減に努める。

その他の分析欄

その他に分類される歳出の経常収支比率は、近年増加傾向にあったが、平成29年度決算時は前年度と比較して0.3%減少している。これは、国民健康保険特別会計などに対しての繰出金の減少が主な要因となっているが、本市においては平成22年度以降は類似団体平均値を上回っており、繰出先となる各特別会計の一層の健全運営を推進し、比率改善に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率について、平成29年度決算時は前年度と比べ0.7%増加しているが、類似団体平均値と比較すると低水準を維持しており、これは一部事務組合等による共同業務が少なく、負担金額が低いことが要因として考えられる。今後については、補助金等の見直し検討を推進し、低水準の維持に努める。

公債費の分析欄

地方債の活用については、中期財政計画において4年間の市債発行額を年平均28億円以内とした上で、交付税参入率が高い地方債の活用すること、安易に長期の借入れを行わないことで利子の支払いを最小限に留めることなどにより、強い意を用いて計画的な運営に努めてきた。その結果、公債費に係る実質収支比率は類似団体平均を下回る数値で推移してきている。一方で、小・中学校の耐震化事業や新設・建替えに伴う建設事業において地方債を活用したことにより、今後の公債費は増加傾向が見込まれていることから、引き続き中期財政計画に基づき市債管理を行うことで、持続可能な財政運営に取り組んでいくように努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は、前年度比0.7%増加しているが、増加要因となる性質別経費は人件費(0.7%増)、補助費等(0.7%増)、公債費(0.4%増)などである。今後は、各経費の動向に注視しながら、更なる比率改善に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

○農林水産業費住民一人当たりのコストは8,974円となっており、前年度以前及び類似団体平均を大きく上回っている。これは、一次産業の活性化及び新たな交流拠点としてのコミュニティ活性化を図るため、道の駅等交流拠点整備事業を実施したことに伴い、普通建設事業費が増加したことによるものである。○消防費住民一人当たりのコストは14,369円となっており、前年度以前と比較して大幅に増加している。これは、消防本部庁舎の老朽化に伴い、平成29年度から新たな庁舎の建設工事に着手したことによるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

○扶助費住民一人当たりのコストは83,923円となっており、類似団体平均を下回っているものの増加傾向が続いている状況である。これは、生活保護費の増加や少子高齢化の影響による子育て支援事業の拡大などの影響によるものであると考えられ、今後も増加傾向が続いていくものと見込まれるため、市税徴収率の向上を図るなどして、歳入の更なる確保に努めていく必要がある。○普通建設事業費(うち新規整備)住民一人当たりのコストは類似団体平均を下回っているものの、第一次産業及びコミュニティの活性化を図ることを目的とした道の駅等交流拠点の整備、開発が進む金田地区における住民のつながりの更なる強化を目的とした地域交流センターの整備などを実施したことにより、前年度と比較して大幅に増加した。新規整備の実施にあたっては、後年度の物件費や維持補修費の増加要因となりうるため、より慎重に検討を行った上で、実施していく必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金残高は、税収の伸びの不確実性に加え、普通建設事業費等の喫緊の課題への対応を鑑みると流動的であり、平成29年度は一般会計への繰入れが増加したため、残高は減少した。実質収支額は、平成23年度以降、概ね標準財政規模の7%前後で推移している。また、実質単年度収支においては、財政需要に対応するため、財政調整基金の取崩しが多いことにより、平成22年度以降標準財政規模比はマイナスで推移している。老朽化に伴う公共施設やインフラの更新・整備等の必要性を考えると、今後も財政調整基金を活用した財政運営となる見通しである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

○現状一般会計及びすべての特別会計において赤字が生じていない。○今後の対応各会計で適正な財政運営、企業運営を行っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

○元利償還金近年、集中的に実施した小・中学校施設の耐震化事業や人口増に伴う新たな小学校建設事業における地方債の活用とともに、臨時財政対策債を毎年度活用していることなどに伴い、元利償還金は増加傾向にある。○実質公債費比率の分子元利償還金が増加傾向にあること、土地開発公社に係る土地の買戻し額が増となったことに伴い、債務負担行為に基づく支出額が増加したことから、平成29年度は増加となった。○今後の方針早期健全化基準未満であるが、今後も市債の発行の抑制を基調として、比率の更なる改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

○債務負担行為に基づく支出予定額土地開発公社に係る土地の買戻しについて、平成20年度から平成29年度までに約50億円買い戻したことにより、減少傾向が続いている。○将来負担比率の分子債務負担行為に基づく支出予定額の減少が続いていることに加え、木更津市庁舎建設基金への積立てを平成24年度から毎年度行っていること、後年度の公共建築物などの更新整備に備えるため、公共施設整備基金を平成29年度に創設したことなどにより、充当可能基金が増加傾向にあることから、将来負担比率の分子は減少傾向が続いている。○今後の対応早期健全化早期健全化基準未満で推移しているが、土地開発公社に係る土地の買戻しを引き続き計画的に実施していくとともに、一般会計等に係る地方債の現在高を木更津市中期財政計画に基づき、今後4年間の市債発行額を年平均28億円以内に抑えることで、プライマリーバランスの黒字化を図っていくことにより、比率の更なる改善に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)大規模な普通建設事業の実施、社会保障施策に係る扶助費の増により「財政調整基金」を約5億円取り崩した一方、後年度の公共施設の老朽化対策に備えて「芸術文化施設整備基金」及び「学校教育施設整備金」を統合した上で、「公共施設整備基金」を新たに創設し、約6億円積み立てたこと、市役所本庁舎の建替えに備えて「木更津市庁舎建設基金」を約2億円積み立てたことなどにより、基金全体では約1億5千万円の増となった。(今後の方針)財政調整基金は、今後の社会情勢に対応するため、一定額の残高を確保できるように努めるとともに、各種特定目的基金については、基金の運用益やふるさと納税制度を活用した寄附金の受入れにより基金残高の増を図りながら、それぞれの目的に沿った事業の財源として積極的に活用を図っていく。

財政調整基金

(増減理由)道の駅等交流拠点整備事業や旧庁舎解体事業、同報系無線デジタル化整備事業などの大規模な事業が重なったこと、少子高齢化の進展により各種社会保障施策に要する扶助費が増加したことなどに伴う財源不足に対応するための取崩しにより、約5億円の減となった。(今後の方針)現在、喫緊の事業を数多く抱えている一方で、今後の少子高齢化の更なる進展や将来の社会経済情勢の変動に備える必要があるため、木更津市中期財政計画において、4年後の残高を30億円確保できるよう努めることとしている。

減債基金

(増減理由)基金の運用益を約11万3千円受け入れたことにより増となった。(今後の方針)平成35年度まで地方債の元利償還額が増加していく見込みのため、運用益による積立てを継続していく予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:既存の公共建築物やインフラの建替えや大規模改修などの更新への対応産業振興基金:商業、工業、農業、漁業等の発展に資する施策の推進国際交流基金:外国諸国との友好な関係を築くための各種国際施策の推進(増減理由)公共施設整備基金:公共建築物やインフラの建替えや大規模改修に備えるため、2基金を統合した上で、約6億円を積み立てたことにより増となった。木更津市庁舎建設基金:後年度予定されている市役所本庁舎の建替えの財源として約2億円を積み立てたことにより増となった。霊園基金:市営霊園の管理事務所の新設整備を実施などにより、約7千3百万円を取り崩したことにより減となった。(今後の方針)公共施設整備基金:毎年度の公共施設の更新整備費用の平準化を図るため、公共施設管理計画から推計した公共施設の整備更新に係る一般財源所要額(7億3千万円)と、毎年度の公共施設の整備更新に掛かる費用を比較して、その差額を積み立てる又は取り崩すこととしている。木更津市庁舎建設基金:市役所本庁舎の建替えにあたっては多額の費用が必要となることから、引き続き基金への積立てを継続していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年度の有形固定資産減価償却率は72%と類似団体平均と比較して非常に高い水準となっており、既存施設の早急な老朽化対策が必要であることを示している。施設の老朽化対策については、公共施設等総合管理計画において、公共施設の延べ床面積を約23%縮減する必要があると試算しており、公共施設再配置計画において、その数値を達成するため、老朽化の著しい施設の廃止、統合、更新等を進めていくように努めていく。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数については、7.1年と類似団体平均より高い数値を示しており、主な要因として、学校等教育施設の耐震化及び老朽化対策事業の実施に伴い地方債残高が増加傾向にあること、また、扶助費や物件費の増加に伴い経常経費充当一般財源等が増加傾向にあることが挙げられる。今後については、中期財政計画に基づき地方債の発行を年平均28億円に抑えることにより地方債残高や公債費の減少を図ること、物件費や補助費等の見直しによる経常経費充当一般財源の減少を図ることで、債務償還可能年数の改善に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

各比率とも類似団体平均を上回っている状況であり、将来負担比率は近年減少傾向が続いているものの、今後の老朽化施設対策を進めていく中で、増加傾向へと転じる可能性が十分に考えられる。そのため、施設の老朽化対策にあたっては、単に施設の更新を行うのではなく、廃止や統合、既存施設の活用など財政負担が抑えながら行っていく必要があり、公共施設再配置計画に基づいて老朽化の著しい施設への対応を行っていき、各比率の改善を図っていくように努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は減少傾向が続いているものの、実質公債費比率は学校等教育施設の耐震化事業の実施に伴い借り入れた地方債の元金償還が開始したことにより、上昇傾向へと転じている。今後についても、当面の間公債費の増加傾向が続いていくことに伴い、実質公債費比率も増加傾向が続くことが考えられるが、平成30年度に策定した中期財政計画に基づき、令和元年度から令和4年度までの市債発行額を年平均28億円に抑えることにより、比率を改善するように努めるとともに、将来負担比率においても、公共施設等総合管理計画及び公共施設再配置計画に基づき老朽化の進んでいる公共施設を適正に管理することにより、減少傾向を維持できるように努めることで各比率の改善に一層努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体平均を上回っている施設が多い中、公営住宅及び学校施設の有形固定資産減価償却率が特に高い状況にある。公営住宅は、公共施設再配置計画において、9団地のうち老朽化の著しい4団地を令和8年までに廃止することとしている。残る5団地については、平成31年3月に改定した市営住宅長寿命化計画に基づいて必要な長寿命化対策を実施予定であるが、長期的(30年)には廃止の予定である。学校施設については、平成30年度に富岡小学校及び中郷中学校をそれぞれ馬来田小学校と清川中学校に統合することとしている。また、今後の老朽化対策については、個別施設計画を策定した上で、長期的な管理を行っていくように努めるとともに、建替え等の際は、近隣の他の施設との積極的な複合化を行い、地域の拠点としての機能の充実を図ってまいりたい。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

各施設において、有形固定資産減価償却率が類似団体平均を大きく上回っており、早急な対応が求められている中、消防施設においては、令和元年度の供用開始を目指して平成29年度から建替え工事を実施した。富来田分署についても、公共施設再配置計画において令和3年度に建替えを実施する予定となっている。一般廃棄物処理施設は、6市1町の共同による建替えを実施することで、施設の更なる広域化を図っていくほか、公共施設等総合管理計画や公共施設再配置計画、各個別施設計画に基づいて老朽化の著しい施設の中長期的な廃止や民営化、統廃合を進めていき、公共施設の適正な維持管理に努めていく。また、平成29年度に設置した公共施設整備基金を計画的に積み立てることで、今後増大すると見込まれる公共施設の建替え費用の平準化を図っていく。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

平成29年度決算の一般会計等においての資産総額は96,230百万円であり、負債総額は40,224百万円で純資産は56,006百万円となった。資産のうち81%を占めているのは有形固定資産(77,946百万円)であり、その内訳は事業用資産が39%(37,716百万円)、インフラ資産が41%(38,937百万円)、物品が1%(1,293百万円)となっている。これらの資産は将来の維持管理、更新等の支出を伴うものであり、公共施設等総合管理計画に基づき長期的視点を持って適正にマネジメントを行っていく必要がある。平成28年度決算と比較すると、資産総額は2,358百万円の増となっており、変動の大きいものとしては事業用資産の建物が2,503百万円の増、工作物が1,015百万円の増となった。世代間の負担を表す純資産比率では、58,2%が現在及び過去の世代が負担し、41,8%が将来の世帯の負担となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

平成29年度一般会計等において、一年間で行政活動に要した経常費用は39,061百万円で、経常収益を差し引いた純経常行政コストは36,067百万円となり、純経常行政コストに災害復旧事業費などの臨時損失を加え、資産売却益などの臨時収益を差し引いた純行政コストは36,066百万円となった。経常費用のうち職員等の給与や賞与等引当金繰入など人にかかるコストは7,793百万円(20%)で、業務委託や減価償却費等の物にかかるコストは10,817百万円(28%)、補助金などの移転支出的なコストは19,840百万円(51%)となる。経常費用のうちで最も割合が大きいものは、扶助費などの社会保障給付で9,104百万円(23%)となっている。平成28年度決算と平成29年度決算を比較しても社会保障給付は354百万円の増となっており、今後も少子高齢化の進展が見込まれ、子育て支援や介護などの行政需要に対応するため、更なる経費削減に努める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

平成29年度一般会計等において、純行政コスト36,066百万円に対し、その財源として税収等が25,901百万円、国県等補助金が9,943百万円となっている。純行政コストに対する財源を差引すると、マイナス222百万円となり、これに無償所管換等などを加えた純資産変動額は3,997百万円、この純資産変動額と開始純資産残高と合わせた平成29年度末の純資産残高は56,006百万円となった。純資産変動額はプラスであるが、今後も経費の削減や、より一層歳入の確保に努める必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

平成29年度一般会計等において業務活動収支は3,070百万円となっている。投資活動収支については道の駅の整備や旧庁舎解体、消防本部庁舎の建設など大規模工事を行ったことからマイナス1,926百万円となった。財務活動収支については地方債の償還額が、地方債発行収入を上回ったためマイナス608百万円となっており、資金残高は平成28年度から537百万円増の2,633百万円となっている。地方債においては、中期財政計画により計画的な発行を行っており、今後もプライマリーバランスの黒字化に努めていく。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人あたりの資産額においては、71.2万円と類似団体平均を大幅に下回っているが、当市では道路等の敷地において取得価額が不明である資産を、備忘価額1円で評価しているものが多く存在しているためである。平成29年度末の資産額については、資産の減価償却額より取得額が上回ったため開始時点より1.5万円増加している。歳入額対資産比率において2.1年と類似団体平均を下回っているが、資産の形成にあたっては、後年度に発生する費用などを十分に精査し、事業を進める必要がある。有形固定資産減価償却率については、71%と類似団体平均値を大きく上回っており、既存の施設において老朽化が進んでいることを示している。施設の老朽化対策については、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の更新、統合、長寿命化など、適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っているが、負債の大半を占めている地方債のうち、約6割が臨時財政対策債である。このため、臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子として、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体と同程度の14.7%となっている。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人あたりの行政コストは類似団体平均を下回っているが、今後、少子高齢化が進む中で社会保障費の増加が見込まれることから、更なる経費の削減と歳入の確保に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人あたりの負債額については、29.8万円と類似団体平均値より少なく、また、基礎的財政収支についても、1,564万円と類似団体平均値を大幅に上回っている。基礎的財政収支の黒字については、自己資金で収支を賄い、借金返済に一定の余力があることを示している。平成28年度と平成29年度の比較においては、建設関係の事業の増加に伴い、投資的収支のマイナス幅が大きくなっている。年々増加する財政需要に対応するため、業務の民間活力の導入などにより、事務の効率化を図り、より経費の削減に努める必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率においては、7.7%と類似団体平均値を3.0%上回っている状況にある。なお、受益者負担の水準については、「使用料・手数料等の見直しに関する基本方針」(平成28年5月策定)において、使用料・手数料の算定根拠を明確にし、市民に対し明確に説明できるよう努めている。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,