経営の健全性・効率性について
本事業は、開始後2年程度の事業であることから、経営の健全性及び効率性については、以下のとおり、今後確保していく必要があります。「単年度の収支」については、使用料及び一般会計繰入金を主な収入としている状況です。なお、使用料に関しては維持管理経費を基に算出されており、かつ他事業との比較を行った結果、適正であるといえます。しかしながら、「料金水準の適切性」の改善はみられていますが、依然として低い水準となっています。要因は現在も新規の浄化槽設置を行っており、1基当たり設置費用が使用料に対し大きく、必然的に回収率が悪くなるためであります。また、「債務残高」については、H25年度に比べ、大幅に改善されています。これは、使用料の大幅な増加に起因するものであります。H25年度に関しては、事業初年度であることから、使用料収入が見込めなかったのに対し、H26年度は設置者数の増加やH25年度中に設置した使用者が一年間継続して使用料を納付することにより、回収率が上がったことが考えられます。今後においても、益々使用料の増加は見込まれ、改善していくと考えられます。「費用の効率性」については前述のとおり、使用料の増加に伴い、継続して減少していくものと考えられます。しかしながら、今後も新規設置を行う限り、コストは今後も高くなるものと考えられます。「施設の効率性」については、「施設利用率」が示すように、設置基数が増加するにつれ、現在処理能力が増加していくものの、一日平均処理水量は1基毎の処理水量であるため、変化しません。このことから、設置基数の増加に伴い、施設利用率については、逆に低下するものと考えられます。
老朽化の状況について
本事業においては、事業開始後2年程度であるため、現在のところ、老朽化に関する課題はありませんが、経年劣化を見据え、今後検討していく必要があると考えられます。
全体総括
本事業については、収益的収支比率が100%を超えており、黒字経営となっています。料金体制についても、他事業における使用料と比較検討しつつ、適正な料金設定となっています。しかしながら、収入の多くを一般会計からの繰入金で賄っており、経費回収率の低迷が続いている状況であります。これは新規の浄化槽設置事業を進めている段階であることが要因でありますので、今後、設置基数の増加することで、汚水処理原価と供に改善していくと考えられます。