経営の健全性・効率性について
1経常収支比率令和2年度より法非適用から法適用へ移行したが、法適用以前の収益的収支比率においても100%を下回り、慢性的な赤字体質となっており、経営改善が必要である。②累積欠損金比率③流動比率令和2年度からの法適用により、新たに示された指標である。累積欠損金比率は類似団体平均を大きく上回っている。また、流動比率は100%であることが必要であるが、本市では100%以下で、類似団体平均を24.93P上回っている。収入の増収対策、支出の抑制等により欠損金の解消に努め、黒字への移行、支払能力の向上を図る必要がある。④企業債残高対事業規模比率類似団体平均に比して、114.26P上回っている。使用料に対する企業債残高の割合であり、建設改良事業費の財源としての事業費に対する企業債の充当率見直しや下水道使用料の適正化など検討が必要である。⑤経費回収率100%以上であることが望ましいが、100%を下回っており、類似団体平均と比較しても、9.48P下回っている状況で、使用料水準の見直しが必要である。⑥汚水処理原価明確な数値基準はないが、類似団体平均に比して15.03円、低い原価となっており、これは汚水処理原価のうち維持管理費が低く抑えられていることが要因となっている。⑦施設利用率類似団体に比して4.58P低い数値となっており、概ね類似団体の水準となっている。⑧水洗化率類似団体に比して3.83P低くなっているが、下水道使用料収入に直結することから、100%に近づくよう、継続して公共下水道への接続に向けた奨励が必要である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率類似団体平均に比して17.66P下回る低い数値となっており、有形償却資産の老朽化の進み具合は類似団体に比して低い状況となっている。②管渠老朽化率類似団体に比して4.82P上回っており、老朽化が類似団体に比して進んでいる。③管渠改善率類似団体に比して0.07P下上回っている。投資的経費であることから改善等の財源の確保や経営に与える影響等を踏まえ改善率を高める必要がある。
全体総括
収益的収支比率は過去5年(法非適用)100%を下回っており、令和2年度からの法適用後も、経常収支比率は100%を下回った。慢性的な赤字体質からの脱却に向けた経営改善の取り組みが急務となっている。公共下水道サービスを将来にわたり安定して提供し続けることができるよう、令和2年度に策定した経営戦略の投資計画及び収支計画について進捗管理や見直し等の事後検証を行い、経営改善に向けてPDCAサイクルを回すことを継続的に実施していくことが重要である。