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本市の財政力指数は0.51であり、県平均0.38、全国平均0.49は上回っているものの、類似団体平均0.82を大きく下回っている。これは、人口減少や高齢化等により、人口1人当たりの地方税収入が少ないこと、基準財政収入額が小さいことに加え、合併により市域が広まったことなどで基準財政需要額が大きくなっていることによるものである。今後、合併算定替は段階的に縮小される見込みであり、恒常的な財源不足に陥ることが見込まれるため、「第6次佐世保市行財政改革推進計画」に基づき、定員管理の適正化、選択と受益者負担を前提とした行政サービスの提供、税等徴収率の向上など、行政運営の効率化、財政基盤の強化を進める必要がある。
本市の経常収支比率は89.3%であり、類似団体平均(91.3%)、県平均(89.3%)、全国平均(91.3%)全て下回っているが、前年度(88.4%)と比較すると0.9ポイント上昇した。これは消費税の増税により地方消費税交付金が増となったことなどから歳入の一般財源は増加したものの、歳出において平成25年度に防災・減災事業、地域活性化等への緊急課題へ対応するために実施した給与削減分の復元などにより人件費が増加したことによるものである。今後は、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障関係費の増に加え、合併による財政支援措置の段階的終了により、財政構造の硬直化が進むことが予想されるので、経常収支比率90%を超えないことを目標とし、経常経費の削減、税等徴収率の向上に努めなければならない。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、主に人件費が要因となっている。本市は保健所や港湾、広域消防などの業務があることや、平成17年、18年及び22年に市町合併を行っており、市域が広くなったことなどに加え、人口千人当たり職員数が類似団体と比較して多い(本市7.80人、類団6.16人)状況にある。今後は「第6次佐世保市行財政改革推進計画」に基づき、定員管理の適正化を図ることで、人件費を抑制するとともに、市有財産の再編・統合を進めることで、公共施設の整理縮小及び公共施設の維持管理にかかる物件費、維持補修費の削減に努める。
全国市平均と比較すると、昨年度は0.3ポイント高であったが、今年度は1.1ポイント高となり、差が増加している。昨年度の本市ラスパイレスとの比較では、国体に従事した任期付職員の退職に伴う+0.4、前年度に行った昇給延伸の一部回復に伴う+0.5の変動要因により、昨年度よりも0.9ポイント上がっている。今後も国、他都市の動向等を勘案しながら給与の適正化に努める。
保健所設置市であること、消防業務を市直轄で行い近隣市町の消防業務も受託していることなどの制度的な要因に加え、市域が広いため支所等を17か所設置していることなどの地域独自の事情のため、職員数が多くなっている。今後は、行財政改革推進計画に基づき、施策・事務事業の内容及び手法の見直し、職員の退職不補充等を行うことにより段階的に職員数を削減し、平成33年4月1日現在で1,950人(普通会計部門)を目指し、定員管理の適正化に努める。
昨年度から0.9ポイント低下したが、類似団体平均、全国平均、県平均の全てを上回っている。これは、自主財源に乏しい本市において、公共施設の整備に必要な財源として地方債を多く発行していることが要因となっている。今後も地方債の発行抑制に努め、計画的な財政運営に努める必要がある。
前年度との比較においては、0.9ポイント低下し好転している。これは、財政運営方針として市債発行額が元金償還額を上回らないようにしていることにより市債残高が減少したこと、企業債の残高減少に伴い公営企業繰入見込額が減少したこと、債務負担行為に基づく支出予定額が計画どおり減少していることが主な要因である。自主財源に乏しい本市において、公共施設の整備に必要な財源として地方債を多く発行していることや、平地の少ない地勢上、下水道の設備投資に多額の費用がかかることで各々大きくなっているものであるが、「実質的なプライマリーバランスの黒字化(元金償還額以上に地方債を発行しない)」を原則として財政運営を行っており、地方債残高は今後も減少することが見込まれる。
平成25年度に防災・減災事業、地域活性化等の緊急課題へ対応するために実施した給与削減分の復元などにより0.5ポイントの増となった。類似団体平均(24.7)、全国平均(23.8)、県平均(22.8)と比較してもほぼ同程度の数値となっている。今後とも行財政改革の推進により、人件費の抑制に努めなければならない。
公営住宅の指定管理者制度への移行や庁内情報化基盤整備事業、戸籍システム運営経費などが増となったことにともない、前年度から0.7ポイント増となっているが、類似団体(15.8)と比較すると下回っている。今後は、公共施設の整理縮小を進め、施設維持管理経費等、経常的な物件費の縮減に努める必要がある。
平成26年度は、昨年同様に障がい福祉費が増加傾向にあることに加え、臨時福祉給付金事業の増があったことで、全体で0.4ポイントの増となっているが、類似団体の平均(12.3)を若干下回っており、近年の推移を見ても同様の動きを見せている。
国民健康保険事業、準公会計企業等に対する繰出金の増により、繰出し金は微増となった。類似団体平均(13.8)、全国平均(13.2)と比較すると下回っているが、県平均(12.1)を上回っており、今後も医療費等の動向に注視する必要がある。
平成26年度は、元金償還が進んだことや近年の低金利の影響により減となったが、類似団体平均(16.4)を大きく上回っている。これまでの大規模事業の実施によるものが要因であり、市債権発行額を元金償還金の範囲内とする基本方針を継続するとともに、実施事業の厳選とコスト意識の徹底により、公債費負担の軽減を図っていく。
公債費を除く経費にかかる経常収支比率は、類似団体平均(74.9)、全国平均(73.1)を下回っている。これは言い換えれば、公債費が占める割合が大きく、経常収支比率を押し上げる要因となっていることがうかがえる。今後とも、市債発行額を元金償還金の範囲内とする基本方針を継続し、公債費負担の軽減を図っていかなければならない。ただし、人件費や物件費の増により、前年度から1.6ポイント増加しているため、今後もその抑制に努めなければならない。
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