経営の健全性・効率性について
流動比率は494.36%であり平均値を上回っているため、短期的な資金繰りには窮していない。しかし、経常収支比率は100%を下回っており累積欠損金も発生している。また、料金回収率の値から、給水収益以外の収入に依存しているのが現状であり、繰出基準に定める事由以外の繰出金によって収入不足が補填されているため、経営基盤は脆弱である。今後は、人口減少による給水収益の減少は避けられない課題であり、固定費の見直し等による更なる経費の節減、財源確保が必要になる。将来的には適正な料金設定となるよう料金見直しも視野に入れなければならない。
老朽化の状況について
管路経年化率及び管路更新率の値から見ても更新は進んでおらず、類似団体の平均値と比較しても低い数値である。また、簡易水道施設は、山間部にも点在しており、水道施設等を整備するには非常に効率の悪い地域であることも更新が進まない要因である。今後は、さらに人口減少が進み給水収益が減少していくなかで、施設等の更新に係る財源の確保がより厳しいものとなるため、施設等の現状把握と計画的・効率的な投資が必要となる。
全体総括
今後の人口減少による給水収益の減少を考慮すると、さらなる経費の節減等を行い、財源の確保に努めるとともに、将来的には経営統合・施設統合・料金改定等も視野に入れた経営基盤の強化を進めていく必要がある。また、老朽化した施設等の更新は、計画的かつ効率的に順次進めていかなければならない。簡易水道事業は令和2年度から公営企業会計の適用となっている。経営戦略等でより的確な経営状況を把握した上で、他団体との比較や経営改善及び経営判断を行い、健全な運営となるよう努めていかなければならない。