経営の健全性・効率性について
①料金収入等の収益で維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを表す指標で、当町は資本費が大きいため経常収益で賄えず、経常収支比率が100%未満となっており、類似団体平均を下回っている。②営業収益に対して、累積欠損金がどれだけあるかを表す指標で、当町農集は類似団体平均を下回っているものの263%と高く、料金収入の増加が見込めない現状では今後さらに悪化していくため、使用料改定を視野に入れた経営改善を図る必要がある。③短期的な債務に対する支払い能力を表す指標で、当町農集では償還金が大きく、その財源を一般会計に依存しており、自己資金が少ないことが影響している。④一般会計の負担により0%となっている。⑤使用料で回収すべき経費を、どの程度使用料で賄えているかを表した指標であり、当町は類似団体平均値を大きく下回っており、十分な料金水準とは言えないため、適正な使用料単価への見直しが必要だと思われる。⑥有収水量1㎥あたりの汚水処理に要した費用であり、当町では類似団体平均と比較しても汚水処理費が高くなっており、施設の効率化や維持管理費の削減を検討する必要がある。⑦晴天時一日平均処理水量を現在処理能力で除した数値で、施設がどの程度利用されているかを表すものであり、当町では類似団体平均値を上回っている。⑧処理区域内人口のうち、実際に水洗便所を設置して汚水処理している人口の割合を表した指標であり、当町では面整備が完了しているため平均値を上回っている。
老朽化の状況について
①有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標で、当町農集は供用開始から15年以上経過しているが、法適用初年度のため償却率としては低くなっている。②法定耐用年数を超えた管渠延長の割合を表した指標で、当町農集は面整備が完了しているが、法定耐用年数を経過している管渠はないため0となっている。③当該年度に更新した管渠延長の割合を表した指標で、当町は平成26年度において管渠の更新や改良延長はなかったため0となっている。
全体総括
人口減少の影響で使用料の増加が見込めない中で、現在の使用料収入では処理費を賄えていない状況が続いている。さらに今後も施設の老朽化に伴い改築更新等の工事が発生していくものと考えられ、健全な経営を行っていくためには、コスト縮減を合理的に進めていくとともに、下水道使用料の改定を視野に入れた財源の確保を図っていく必要がある。