経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は全国平均や類似団体に比べ低率であり、給水原価については高い値を示している。料金回収率はやや持ち直したものの、平均値を下回っている。これは、中山間地域で高低差のある地理的要因等のために、水1.あたりの費用や維持的経費が高くかかるのに対し、水道料金でその経費を賄えていないことを示している。今後、給水人口の減少等に伴い、料金収入の減少、施設利用率の低下等が考えられる中、安定的な経営を行っていくため、経費節減に努めるとともに、適正な水道料金収入が確保できるよう検討していく必要がある。
老朽化の状況について
管路更新率は類似団体平均値に比べやや高い割合になっているが、1980年代以降に建設された管路が多く、今後こうした施設の修繕等の維持管理にかかる支出の増加が見込まれる。今後の修繕費等の維持管理にかかる費用の増加を抑制し、施設の効率的な利用をしていくために、アセットマネジメント(資産管理)を実施し、重要度・優先度を踏まえた施設の更新を行い、老朽化に伴う突発的な事故を軽減していく必要がある。
全体総括
現状を見ると、経営はかなり苦しい状況であると言える。今後は施設の老朽化による維持管理経費がさらに増加していくことが想定されるため、重要度・優先度を踏まえた施設の更新を行っていく必要がある。また、上水道事業との統合も含め、計画的・効率的な施設の更新及び適正な水道料金収入の確保を検討していく必要がある。