経営の健全性・効率性について
①収益的収支(%)平成27年度と比較して7.9下回っているが、打ち切り決算のため収益が1.5ヶ月分少ない影響であると考えられる。未収未払分を加味すると、91.89で類似団体平均を14.23上回る。④企業債残高対給水収益比率(%)打ち切り決算のため収益が1.5ヶ月分少ないため、債務は減っているが数値が上がる結果となった。加味すると、1194.29と平成25年度と同水準に下がった。⑤料金回収率(%)類似団体平均を8.68上回っているものの、平成27年度と比較して5.8下回っている。打ち切り決算を加味すると69.93となり、平成27年度と比較して1.05上回りほぼ横ばいとなった。⑥給水原価(円)平成25年度までは類似団体平均を大幅に上回っていたが、平成26年度から改善傾向となり、平成28年度には類似団体平均を21.13下回った。打ち切り決算を加味すると321.69と平成27年度を3.66下回った。⑦施設利用率(%)平成27年度から上昇に転じ、平成28年度では類似団体平均と比較して7.69上回る数値となっている。有収率の低下により利用率が上昇していることも予想されるので、漏水調査や老朽管の更新も必要となっている。また、今後は特に簡易水道地域で人口減少に伴う水需要の低下や老朽管の更新による修繕費の増加が予想されるため、井戸水併用している工場等の水道水への切替えや、施設更新時に適正な施設規模の検討を進める必要がある。⑧有収率(%)類似団体平均を大幅に上回るが、平成28年度で78.63と2割以上の水が失われている。今後も継続して漏水調査を実施し、指標を改善していく。以上、恵那市簡易水道事業の経営の健全性、効率性は類似団体と比較して良好である。
老朽化の状況について
③管路更新率(%)平成23年度以降、類似団体平均を大きく下回っている。平成27年度には指標が上昇し若干の改善が見られたが、平成23年度以降岩村統合簡易水道事業で設置を進めてきた水道施設の供用が開始され、いっせいに除却が進んだことによる。全体的に管路更新率が低く、年度によりばらつきもある。有収率の低下が進む中、計画的に老朽管更新を進めていく必要がある。
全体総括
全国平均、類似団体平均と比較してみると、全体的に経営の健全性・効率性については問題ないものと思われる。しかし、今後は人口減少に伴う水需要の低下により給水収益は減少していく見込みである。また、管路更新率も全国と比較すると非常に低い水準であり、特に山岡町、明智町、串原など、統合簡易水道事業を全体的に行っていない地域について計画的に更新を進めていく必要がある。なお、一般会計繰入金については、基準内繰入金を全額繰り入れておらず簡易水道事業としては料金設定も現行のままで問題ないと思われるが、平成29年度からは水道事業と経営統合するため、従来必要のなかった減価償却費も発生する。更新計画や料金設定については、水道事業の経営戦略の見直しの中で進めていく必要がある。