経営の健全性・効率性について
当町においては供用開始から36年が経過し、ほぼ全町に下水道が整備され、水洗化率も全国平均・類似団体平均ともに上回っている。人口減少が続いているため使用料収入が減っており、経常収支比率については単年度で黒字となっているが、一般会計からの繰入金に依存しているところがある。一方で供用開始から年数が経過しているため、企業債残高のピークは過ぎているものの管渠の改築を進めて行く上で、今後は企業債の増加も予想されることから、事業の計画的な遂行が必要である。また、経営の効率性については、当町の下水道使用料の中には温泉汚水料金も含まれるため経費回収率は高く、汚水処理原価も低く抑えられてはいるが、使用料収入の減少や温泉利用の廃止が増加傾向にあることから、将来を見据えて適正な料金設定を行う必要がある。
老朽化の状況について
平成26年度より企業会計へ移行したことから、前年度までの減価償却累計額が出ていないため減価償却率は低くなっているが、供用開始から年数が経過しており、法定耐用年数を超えた資産の保有はないが、管渠の老朽化は進んでいる。企業会計移行時に作成した固定資産台帳から算定すると減価償却率は44.4%となっている。今後は管渠の改築の必要性があるが、将来負担が重くならないためにも財源確保のための経営改善を行い、計画的な改築更新を進めて行く必要がある。
全体総括
人口減少が続き使用料収入が見込めず、使用料回収率も年々悪化しているため資金収入が少なく、経常収支比率については黒字となっているが一般会計からの繰入に依存しているところがあるため、早い段階での下水道料金の見直しを行い、財源の確保に努めたい。また、管渠の老朽化も進んでいることから管渠の現状把握を行い、将来負担が一度に重くならないよう優先順位等を考慮し、計画的に改築を進めて行く必要がある。