経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」は100%を超えていますが、「⑤経費回収率」は75.46%と本来使用料で回収すべき経費で全て賄えていない状況です。使用料水準の適正化、経費削減を図り、経費回収率の改善を図る必要があります。「③流動比率」は前年度と同程度でいまだ類似団体平均値を下回っている状況です。これは、保有現金に対して企業債等の支払額が高いためです。「④企業債残高対事業規模比率」は債務償還が進み年々減少しています。これは1990年代における集中投資の企業債が現在の財政負担として影響しています。「⑥汚水処理原価」は近年150円前後で推移しています。「⑦施設利用率」は該当施設がないため計上がありません。「⑧水洗化率」は微増ですが、類似団体平均値より高い数値です。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は、年々増加しており、今後も改築更新等が進むことで増加傾向となります。「②管渠老朽化率」は法定耐用年数(50年)を経過したものがないことから0%です。「③管渠改善率」は、前年度と比較し増加しました。これは類似団体平均値より高い数値となりますが、令和2年度に策定したストックマネジメント計画に基づき計画的、効率的な管渠の改善に努めてまいります。
全体総括
全体の経営状況としては、経費回収率や流動比率が類似団体平均に比しても低く、下水道使用料で賄うべき費用や資金面の不足を示しており、補助等による他会計資金に頼って運営する状況です。今後はこれまでの経営状況を見直し、令和2年度に策定した経営戦略に基づく使用料改定による収益改善とストックマネジメント計画に基づく適切な施設管理による投資の平準化を行い、独立採算による財政基盤を整え、将来の経営環境に即した持続可能な下水道事業を行えるよう努めてまいります。