経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、H28年度が元利償還金のピークとなるので、H29年度以降は改善する見込みである。企業債残高対事業規模比率は、経年で減少しているが、平均値と比較すると高い比率となっている。要因は、事業計画面積に対する整備率が66%程度に留まっており、分母となる使用料収入が伸び悩んでいるためである。施設利用率は平均値と同程度で推移しているが、経費回収率は下回り、汚水処理原価は平均値を上回っている。これは、事業計画面積に対し整備率が66%程度に留まっているため、分母となる使用料収入及び有取水量が伸び悩んでいるためである。水洗化率は、微増しているが、平均値を下回っている。水洗化率の向上は、使用料収入及び有収水量の拡大に直接関連するため、さらなる対策が必要となる。
老朽化の状況について
耐用年数を超える管渠が3%程度存在するため、計画的な更新計画の作成が必要となってきている。
全体総括
各比率は、横ばいの状況であり、また、類似団体平均値に比較して、好ましい状況ではない。面整備率の停滞による有収水量・使用料収入の伸び悩みが要因の一つとなるが、人口密集地の面整備は終了しており、現在残っている未普及地域は農村部となり、期待する投資効果が少ない状況である。また、行政人口の減少に伴う処理区域内人口及び水需要が減少傾向にあるため、大幅な改善は見込めない状況にある。下水道事業は、公共水域の水質改善が重要な責務となるため、企業債償還元利金の推移に注視しつつ、投資の効率化を図り、また、維持管理費の削減に努めていく。そして、現有施設を有効活用するために、類似団体平均値に比較して低い水洗化率の更なる向上に努め、経営の健全化を図っていく。