経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率が80%台、⑤経費回収率が70%台と低調である。また、⑥汚水処理原価も高くなっており、それぞれの指標から、汚水処理にかかる維持管理費・資本費が使用料で賄えていないことがわかる。これは、地方債償還金が多額であることから、資本費が高くなってしまうことが主な原因である。なお、地方債償還金等の使用料で賄えない部分は一般会計繰入金で補填しており、この依存度が高くなっている。④企業債残高対象規模比率については、毎年減少していることがわかる。これは、平成19年から行った経営健全化により、管渠埋設への新規投資規模を縮小していることから、企業債の借入額も低調となっているためである。⑧水洗化率については、やや低調であり、使用料収入の増加を図るためにも、この率を向上させる必要がある。※H24年度の水洗化率が大幅に減少しているのは、算出方法を変更したためであり、実情に沿った数値となっている。
老朽化の状況について
③管渠改善率については、計画的な改善が行われていないことがわかる。また、施設の供用開始から30年以上が経過しているため、処理場に流入する不明水が多く、有収率も低調である。しかし、管渠の更新投資・老朽化対策については未着手のため、計画的な改善に向けた検討が必要である。
全体総括
管渠の老朽化が進んでおり、今後、更新投資や老朽化対策に係る費用の増加が見込まれる。計画的で効率的な投資を行うために、長期的な経営計画を策定しなければならない。また、一般会計繰入金への依存度が高くなっているため、水洗化率の向上や使用料改定についての検討も必要である。ただし、平成17年の市町村合併後、使用料の値上げ及び統一を、平成20年、平成22年、平成24年の3度に分けて段階的に実施したことから、再度の使用料改定についてはこの点を十分に考慮した上で検討する必要がある。