経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率の指標が低めであり、ここ数年間は80%以下となっている。今回、82.02%となっているが法適用に伴う打切決算により特例的支出分を含んでいないため、例年より高めの数値となっている。特例的支出分を含むと74.67%となり、例年と同等である。その要因としては、経営改善に向けた取組みが不十分であることや使用料収入の不足などが考えられる。使用料収入については将来的にも減少が見込まれることから、企業会計を導入し経営の健全化、効率化を図った上で見直しが必要であると考える。④企業債残高対事業規模比率の指標が高く、類似団体と比較しても高めである。その要因としては、使用料収入が少ないことによる、事業規模の小ささが考えられる。しかし、使用料について見直しをする場合、市民に対する説明責任があることから、企業会計を導入し経営の健全化・効率化を図るといった対策が必要になると考える。⑤経費回収率の指標が低く、類似団体と比較しても低めである。今回、100.97%となっているが、打切決算により例年より高めの数値となっている。特例的支出分を含むと88.59%となり、例年と同等である。その要因として、使用料収入の不足が考えられる。今後、企業会計を導入して経営の健全化・効率化を図り、並行して使用料の見直しについても検討する。⑥汚水処理原価の指標が高く、類似団体と比較しても高めである。今回、122.25%となっているが特例的支出分を含んでいないため例年より低めの数値となっている。特例的支出分を含むと139.34円となり、例年より少し低めである。その要因として、維持管理費の増大が考えられる。しかし、維持管理費については、将来的に施設の老朽化が進み更なる増加が見込まれているので、経営改善の対策が必要になると考える。⑧水洗化率の指標は高く、類似団体と比較しても高めである。その要因として、早期から下水道の整備を進めてきたことが考えられる。しかし、使用料収入については、将来的に減収が見込まれているので、未接続家屋の接続推進対策が必要になると考える。
老朽化の状況について
③管渠改善率の指標が低く、類似団体と比較しても低めである。その要因としては、全体計画の未策定が考えられる。今後、管渠を含む施設全体の老朽化が進むため、ストックマネジメント計画に基づいた長寿命化対策が必要になると考える。牛久市の下水道事業は、昭和50年に事業を着手して以降、古い施設は既に40年を経過しており、特に民間開発により帰属を受けた団地内の施設は、老朽化の他に造成後の沈下等による逆勾配やクラック、浸入水等の問題が多数見られる。また、市内には4箇所のポンプ場と44箇所のマンホールポンプがあり、こちらも老朽化に伴う故障や破損と言った問題が日々発生している状況である。
全体総括
今後の下水道事業においては、人口減少に伴う料金収入の減少や、昭和50年代以降に集中的に整備された施設・設備の老朽化に伴う更新費用の増大により、経営環境の悪化が懸念されます。当市においては、下水道事業という住民生活に密着したサービスを安定して提供していくため、ストックマネジメント計画に基づいた施設の更新や、公営企業会計の適用による貸借対照表や損益計算書等の財務書類作成等を通じて、下水道事業の経営・資産の状況を的確に把握し、これまで以上に中長期的視点に立った経営基盤の健全化・効率化に取り組んでいく。