経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率の指標においては,H25に地方債の借換があり一時的に低下したが,近年80%台をほぼ横ばいで推移している。100%未満となっている要因としては,地方債償還金の増加等が考えられる。④企業債残高対事業規模比率においては,類似団体平均値より低く,横ばいで推移していることから,経営状況の悪化はみられないといえる。しかしながら,計画的に未普及解消を進めつつ,地方債の借入れを抑制することで,さらに健全性を高める努力が必要と考える。⑤経営回収率,⑥汚水処理原価においては,類似団体平均値と比較してもともに良好に推移している。よって,効率的な汚水処理を行っており,汚水処理に係る経費は適正に使用料の収入で賄えているといえる。⑦施設利用率については,人口減少を踏まえ計画規模を見直したことによりH26に大きく上昇した。今後も同水準で推移するものと思われる。⑧水洗化率については92%超で類似団体平均値と比較しても高く,概ね良好である。今後も効率的な経営を維持しながら,さらなる水洗化率の向上を目指す。
老朽化の状況について
③管渠改善率について,H26に一部更新を実施したものの,継続的な更新については老朽化の状況を把握し検討していく必要がある。事業開始から40年が経過し,数年後には耐用年数を迎える管渠が発生することをふまえ,今後長寿命化計画を策定し,計画的な延命化や更新を図っていく。
全体総括
下水道事業の経営は,改善の余地はあるものの概ね安定して運営されていると考える。今後は維持管理コストの増大や人口減少による有収水量の減少など,経営健全化に影響を及ぼす要素が増えてくるため,中長期的な経営戦略をしっかり立て,健全な運営を図っていく。