経営の健全性・効率性について
特定環境保全公共下水道の事業開始は、小安処理区平成11年度、皆瀬処理区平成14年度、稲川処理区平成15年度、院内処理区平成16年度及び湯沢処理区平成21年度で、湯沢処理区以外は面整備が終了しています。下水道整備の財源は約半分が国からの交付金で、残りの半分を企業債(借入金)で賄っています。その大部分は返済期間が30年ですので、まだ返済が終了しておりません。そのため、下水道の維持管理費と企業債の返済などの費用と下水道使用料を比較する「収益的収支比率」は、年度間のばらつきがあるものの微増し81%となっています。また、「経費回収率」及び「企業債残高対事業規模比率」は、共に低レベルではあるものの営業収益が上がっていることにより類似団体より高い値となっています。経済的に困難であることや高齢者世帯では今の生活環境に不便を感じていないことなどの理由による未接続者が多く、水洗化率が65%と低レベルです。このことにより処理場に流入する汚水量が少ないため、「汚水処理原価」が高額となり、「施設利用率」が類似団体より高いものの44%と低レベルとなっています。
老朽化の状況について
平成11年度整備開始から17年経過で耐用年数未到来であることから、下水道管渠については更新事業を開始していません。現在、湯沢処理区のみで未普及地域解消のための面整備を継続中ですが、更新事業はその後に耐用年数を考慮し行うこととしています。処理場の更新事業については、湯沢市生活排水処理整備構想においては、湯沢処理区以外の5処理区について耐用年数によりそれぞれ小安処理区が平成35年度から、皆瀬処理区及び稲川処理区が平成38年度から、院内処理区が平成39年度から浄化センター施設の更新を行うこととしています。
全体総括
使用料の適正化のため、平成30年度までに段階的に引き上げを行っていますが、その後も使用料の適正化に努めます。また、滞納対策を強化し収納率の向上を目指すと共に、大口需要家の加入活動を強化し使用料収入の増加に努めます。未水洗化家屋に対する普及啓発活動を強化し、水洗化の向上を目指します。面整備事業及び更新事業にあたっては、国の交付金等を活用し、市負担分には企業債を充当することで事業を進めますが、毎年度の元金返済額を超えない範囲で企業債を利用することにより残高の低減を目指します。平成28年度から施設の維持管理業務を運転管理業務と必要な物品や電力等の調達等を併せて委託する包括的民間委託に移行しました。今後、民間活用により経費の節減を目指します。