えりも町：特定環境保全公共下水道

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率は、100%未満であると収支が赤字であることを示していますが、H27年度で50.41%と低い比率であります。これは、支出に対する料金収入の割合が低いことが要因であり、赤字分は一般会計からの繰入金で補填しているのが現状です。④企業債残高対事業規模比率は、低い数値が良いですが、類似団体平均値に比べて高い比率であります。これは、料金収入の割合が低いことが要因であります。⑤経費回収率は、100％以上であることが良いですが、H27年度で23.75%と類似団体平均値に比べて低い比率であります。これは、料金収入の割合が低いことが要因であり、赤字分は一般会計からの繰入金で補填しているのが現状です。⑥汚水処理原価は、低い数値が良いですが、H27年度で857.54円と、類似団体平均値に比べて高い数値となっております。これは、有収水量に対して維持管理費や起債償還費の割合が多いことが要因であります。⑦施設利用率は、高い数値が良いですが、H27年度で38.22%と類似団体平均値と比べて高い数値となっております。まだ施設に余裕がある状態であるため、水洗化率を向上させ有収水量を増加させる取組を図る必要があります。⑧水洗化率は、100％が良いですが、H27年度で81.46%となっています。料金収入を上げるためにも水洗化向上の取組を図る必要があります。

老朽化の状況について

管渠については、整備開始から18年であり、法定耐用年数が50年であることから、現時点ではすぐに老朽化対策を行う必要はありません。処理場については、建設から13年であり、機器の法定耐用年数が概ね15年であることから、更新の必要性や優先度を検討し、将来の収支をふまえた計画的な事業を実施する必要があります。

全体総括

下水道事業会計は、一般会計において負担すべき経費を除き、料金収入等で運営する独立採算性が基本ですが、当町の経営状況は、料金収入だけでは維持管理費や起債の償還費をまかなうことができず、一般会計からの繰入金にたよっているのが現状であり、その割合は類似団体よりも悪い比率となっています。今後、経営状況の改善に向けて、維持管理費の低減による支出の抑制や、下水道接続の啓発による料金収入の確保に努めるとともに、適正な料金体系の見直しを行う必要があります。