経営の健全性・効率性について
津別町の特定環境保全公共下水道事業は、直近の収益的収支比率が100%に近い数字を維持できているものの、使用料以外の収入に対する依存度が高く、処理人口の減少が続く状況にあって、将来に渡り健全な事業を持続するためには、収益体質の改善と経営の細部に対する見直しが不可欠となっている。水洗化率については、類似団体よりも高い水準を維持しているが、下水道の普及促進を図る余地は残されていることから、料金収入確保のためにも向上に向けた取り組みが必要と考える。
老朽化の状況について
現在、ストックマネジメント計画に基づき処理場の機械設備を中心とした老朽施設の改築更新を行っているところであり、概ね順調に進んでいる。平成元年からの供用施設であるため、管渠の更新には至っていないものの、将来的には更新が必要となることが明らかであるが、令和5年度から当事業については企業会計化される予定であり、将来的に必要な更新需要に対応できるよう、まずは地方公営企業としての経営基盤の安定と確立を図ることが必須となっている。
全体総括
現行の特別会計としての下水道事業の経営は、数値的には良好であるもの、今後予定されている地方公営企業法の適用後の経営については、これまで同様の一般会計からの繰入に大きく依存した収支状況の改善が必要となっている。また、人口減少が続くなか、事業の安定的な運営を図るためには、適切な収入の見直しと、一層の事業の効率化が避けられない状況である。