北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

熊本県天草市の財政状況

🏠天草市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

人口減少や全国平均を上回る高齢化率(令和2年国勢調査における高齢化率41.17%)に加え、基幹産業である第1次産業の衰退等により自主財源が乏しく、地方交付税に依存した財政状況となっており、類似団体平均を大きく下回っている。今後とも国の動向や社会情勢を踏まえ、主要計画である行政経営改革大綱等に基づき、行政運営のスリム化を進め、行政課題への対応や質の高い行政サービスを効率的に提供していくため、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

給与改定による人件費の増、労務単価上昇及び物価高騰の影響による物件費の増に伴い経常経費充当一般財源(分子)が増加したことに加え、普通交付税算出方法等の見直しによる地方交付税の減少等により前年度より1ポイント上昇した。人口減少などにより市税収入の増加も将来的に期待できない中、今後の財政運営はより一層厳しくなると見込まれるため、事務事業の見直しを更に進めることで義務的経費の削減に努め、持続可能な財政運営基盤の確立に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

労務単価の値上がり等によるごみ収集運搬委託料の増加及び物価高騰による学校給食の材料代値上がりが要因で、前年度より9,506円増加した。広大な市域に集落が点在する本市では、類似団体平均より職員数が多い状況にあることや合併により公共施設の保有量が多いことが要因で、類似団体平均を上回っている。今後も職員の定員管理を行うとともに、事務事業等の見直しによる物件費の抑制、公共施設等総合管理計画に基づく施設の統廃合や計画的な維持管理に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

人事院勧告や熊本県の人事委員会勧告等を参考に給与改定を行っており、ラスパイレス指数は類似団体平均とほぼ同程度となっている。今後も、人事院勧告や熊本県及び県内他市の職員給与の状況等を参考にしながら、適性な給与水準を維持する。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成18年以降定員管理に関する計画に基づき職員総数は大幅に減少してきており、現行の定員管理に関する計画でも、人口の減少に併せて職員数も緩やかに減少することを定めている。しかし、広大な市域の中に集落が点在する本市においては、市民サービスの円滑な提供や地域振興の支援のために、各支所や出先機関に職員を配置していることから、人口当たり職員数は類似団体平均より多くなっている。今後も、効率的な行政運営を推進するとともに、効果的な人員配置を行いながら、適性な職員数の管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

元利償還金が減少したことにより、前年度より0.2ポイント低下した。今後も人口減少等による地方交付税の減少に加え、老朽化した公共施設の改修・更新等による費用の増加が見込まれるため、地方債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

地方債残高の減少により将来負担額が減少、財政調整基金等の充当可能基金の増加により充当可能財源等が増加したことに伴い、将来負担額を充当可能財源等が上回り将来負担比率が算定されなかった。今後も人口減少による地方交付税の減少に加え、老朽化した公共施設の改修・更新等に伴う費用の増加や棚底城跡ガイダンス施設・倉岳支所建設事業が予定されていることから地方債の増発や基金の取り崩しが予測されるため、より一層財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

行政経営改革大綱に基づいた人員管理の適正化により職員数は減したが早期及び自己都合等による退職者増に伴い退職金が増加し、前年度より0.5ポイント上昇した。今後は定年延長の影響により、人件費は横ばいとなる見込みであるが、引き続き事務事業の改善等による行政の効率化を進め、職員数や給与水準の管理を徹底して行い、人件費全体の抑制に努める。

物件費の分析欄

労務単価の値上がり等によりごみ収集運搬委託料が増加したことや物価高騰により学校給食の材料代が増加したことが要因で、前年度より0.4ポイント上昇した。類似団体平均を下回っているものの上昇傾向であり、今後も事務事業の見直しを行いながら、経常物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

障がい福祉サービスにおいて利用者の障がい区分の重度化による給付費の増加、新型コロナ及び季節性インフルエンザの流行による子ども医療費の増加が要因で、前年度より0.8ポイント上昇した。今後も高齢化の進行や福祉ニーズの多様化により社会保障関係経費は同水準で推移していく見込みであり、社会保障制度に関する国の動向等を注視しながら、より効果的な事業の実施に努める。

その他の分析欄

介護保険特別会計への繰出金が減少したものの、後期高齢医療の療養給付費負担金増により後期高齢者医療広域連合負担金が増加したことが要因で、前年度より0.3ポイント上昇した。類似団体平均より下回っている状況にあるが、特別会計の運営においても普通会計と同様に、更なる経費の削減と合理化を図り、普通会計の負担軽減に努める。

補助費等の分析欄

天草広域連合負担金や下水道事業補助金が減少したことが要因で、前年度より0.3ポイント低下した。類似団体平均を上回っている状況にあり、補助金等が果たしている役割や効果等を改めて検証し、交付基準等の見直しを進める必要がある。

公債費の分析欄

新発債はその年度の元金償還額以内に抑制しており、前年度より0.7ポイント低下した。類似団体平均を上回っている状況であり、今後も公共施設の改修・更新等による費用の増加が見込まれるため、計画的な地方債の発行に努める。

公債費以外の分析欄

補助費等は減少しているものの、扶助費や物件費の増加により、前年度と比較して1.7ポイント上昇した。今後も徹底した事務事業の見直しにより、業務の効率化を図り、行政コストの削減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は、住民一人当たり249,260円となり、構成項目の中で最も高くなっている。新型コロナウイルス感染症関連及び物価高騰対策関連の住民税非課税等世帯や子育て世帯への支援給付金に係る事業費が要因で、前年度より11,543円増加した。教育費は、住民一人当たり62,514円となり、スポーツ拠点施設整備事業や本渡学校給食センター建設事業に係る事業費の減少が要因で、前年度より28,722円減少した。土木費は、住民一人当たり44,833円となり、熊本天草幹線道路連絡街路整備事業に係る事業費の減少が要因で、前年度より14,127円減少した。災害復旧費は、住民一人当たり9,799円となり、公共土木施設に係る補助災害復旧事業費の減少が要因で、前年度より2,997円減少した。商工費は、住民一人当たり36,098円となり、恐竜の島博物館整備事業に係る事業費の増加が要因で、前年度より4,694円増加した。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり801,404円となっている。義務的経費である人件費、扶助費及び公債費は、類似団体平均より高い水準で推移している。このほか、繰出金、補助費等においても類似団体平均より大きく上回っている。これは、合併により広大な市域となり、加えて居住地が点在する地形であるため、効率的なサービスの提供や事務事業の実施が困難な状況であり、急速な人口減少、高齢化の進行が影響している。また、旧団体がフルセット主義に基づき施設を整備してきたことにより、施設の保有量が多い状況にあることも影響している。扶助費は、住民一人当たり169,963円となり、構成項目の中で最も高くなっている。新型コロナウイルス感染症関連及び物価高騰対策関連の住民税非課税等世帯や子育て世帯への支援給付金に係る事業費が要因で、前年度より10,794円増加した。普通建設事業費は、住民一人当たり87,126円となり、熊本天草幹線道路連絡街路整備事業やスポーツ拠点施設整備事業等の大型建設事業に係る事業費の減が要因で、前年度より30,561円減少した。物件費は、住民一人当たり102,998円となり、ふるさと応援寄附金推進事業費が要因で、前年度より5,569円増加した。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、前年度からの繰越金の増加や普通交付税の追加交付等により取崩し額より積立額が上回ったため、前年度より4.03ポイント上昇した。実質収支額は、黒字を維持している。実質収支比率は、普通交付税や臨時的な国県支出金の歳入減少のため、前年度より5.85ポイント低下した。実質単年度収支は、単年度収支の減少や基金取崩しなどの要因で7.57ポイントと大きく低下した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

一般会計の実質収支は、継続的に黒字を確保しており、令和5年度の黒字額の標準財政規模に対する割合は6.58%で、前年度より5.85ポイント低下した。また、その他の会計についても、一般会計と同様に黒字を確保しているが、一般会計からの繰出金に依存した状況にある。そのような中にあって、水道事業及び下水道事業において、平成27年度(2015年度)に料金体系を見直しを行い、経営戦略を策定して健全化に向けた取り組みを進めている。今後も、一般会計と特別会計が連携して経費負担の在り方の検討を進め、各会計の経営の健全化を図る。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

元利償還金について、行政経営改革大綱に基づき新発債をその年度の元金償還額以内に抑制しているため、前年度より251百万円減少した。一般会計及び公営企業においても施設の更新時期を迎えており、公債費が増加することが想定されるため、施設の統廃合など計画的かつ効率的な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担額については、行政経営改革大綱に基づき新発債の額をその年度の元金償還額以内に抑制していることや公営企業の過去の建設事業に要した地方債の償還が進んだことが要因で、前年度より2,639百万円減少した。充当可能財源等については、財政調整基金等の積み増しなどによる充当可能基金の増加が要因で、前年度より956百万円増加した。今後、人口減少等による普通交付税の減少が見込まれる一方、老朽化した公共施設の改修・更新による費用の増加に伴う地方債の増発や基金の取崩しにより、より一層厳しい財政運営が求められることが予測されるため、引き続き行財政改革を進め、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)決算剰余金等として財政調整基金を1,935百万円、新ごみ処理建設等に伴う起債償還の財源として減債基金を1,140百万円、ふるさと応援寄附金の増加によりふるさと応援寄附基金を1,022百万円を積み立てた。一方で、ふるさと応援寄附金を活用した事業の財源としてふるさと応援寄附基金を915百万円、財政調整基金を697百万円、コミュニティセンターの指定管理料の財源として地域振興基金を237百万円など取り崩したが、財政調整基金及び減債基金等において取り崩し以上に積み立てたことにより、基金全体で2,036百万円の増加となった。(今後の方針)少子高齢化や人口減少に伴う税収及び普通交付税の減収や施設の老朽化に伴う更新費用の増加等に対応するため、決算状況等を踏まえて可能な限り財政調整基金に積み立てる。

財政調整基金

(増減理由)地方債残高が増加しないよう新発債の額をその年度の元金償還額以内に抑制していることに伴い697百万円を取り崩した一方、決算剰余金及び運用利息として1,935百万円を積み立てたことによる増加(今後の方針)少子高齢化や人口減少に伴う税収及び普通交付税の減収や施設の老朽化に伴う更新費用の増加等に対応するため、決算状況等を踏まえて可能な限り積み立てを行い、標準財政規模の20%程度を確保するよう努める。

減債基金

(増減理由)庁舎及び複合施設建設等に伴う起債償還の財源として146百万円を取り崩した一方、新ごみ処理施設建設費の元利償還金に係る普通交付税未算入相当額の一部、御所浦診療所建設事業の起債償還の財源とするために受けた県補助金及び運用利息として1,140百万円を積み立てたことによる増加(今後の方針)庁舎、複合施設及び御所浦診療所建設等の起債償還の財源として取り崩す予定

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金:地域住民が自主的、主体的に取り組む創造的な地域づくりを支援する事業・ふるさと応援寄附基金:ふるさと応援寄附金を活用した魅力的な天草の実現に資することを目的とする事業・福祉基金:社会福祉の充実発展を図り、住民の福祉増進に資する事業・森林環境贈与税基金:森林の整備の促進に関する事業・ふるさと・水と土保全基金:地域における土地改良施設の機能を適正に発揮させるための集落共同活動の強化に対し支援する事業(増減理由)・地域振興基金:市内53個所のコミュニティセンターの指定管理委託料の財源として237百万円を取り崩したことによる減少・ふるさと応援寄附基金:寄付金の増加により1,022百万円を積み立てた一方で、ふるさと応援寄附金を活用した事業の財源として915百万円を取り崩したことによる増加・福祉基金:福祉基金を活用した事業の財源として30百万円を取り崩したことによる減少・ふるさと・水と土保全基金:ふるさと・水と土保全基金を活用した事業の財源として1百万円を取り崩したことによる減少(今後の方針)・地域振興基金については、コミュニティセンターの指定管理委託料の財源として毎年度同規模の額を取り崩す予定・ふるさと応援寄附基金については、寄附の状況により増減するが、寄付金を有効に活用するため、基金に必要以上に残らないよう取り崩す予定・福祉基金については、地域福祉の充実を図るため毎年度同規模の額を取り崩す予定・森林環境譲与税基金については、譲与税を有効に活用するため基金に必要以上に残らないよう取り崩す予定・ふるさと・水と土保全基金については、土地改良施設の機能適正化を図るため毎年度同規模の額を取り崩す予定

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

合併により市域が広域になっていることから、資産の保有数も多く、毎年の更新費より減価償却費が上回っているため、類似団体内平均値の比率と比較して高い数値となっている。また更新を迎えている資産も多いため、今後も公共施設等総合管理計画等に基づいた施設管理を進めていく。

債務償還比率の分析欄

過疎対策事業債の増加はあるものの、一般単独事業債や災害復旧事業債、臨時財政対策債などが減少したことにより、地方債の総額は減少している。本市では例年、公債費の元金償還額を超えない範囲で地方債の借入を行うこととしているため、類似団体内平均値と比較して低い数値を維持している。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

合併により市域が広域になっていることから、資産の保有数も多く、毎年の更新費より減価償却費が上回っているため、有形固定資産減価償却率は上昇している。また、将来負担比率については、地方債の総額が減少したほか、基金残高が増加したことで令和4年度を境に実質的な負担はない状況となっている。今後の見通しとして、有形固定資産減価償却率については前年と同様の傾向が予想される。将来負担比率については倉岳支所・棚底城ガイダンスセンター建設などの大型事業が控えていることから、基金の取崩しが見込まれるため、将来負担比率は上昇すると考えられる。そのため、総合管理計画に基づいた施設の維持管理を推進していくと共に、地方債の計画的な償還、基金の積立等を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、地方債の総額が減少したほか、基金残高が増加したことで令和4年度を境に実質的な負担はない状況となっている。本市では例年、公債費の元金償還額を超えない範囲で、地方債の借入を行うこととしているため、令和元年度を除き類似団体内平均値と比較して低い数値を維持している。(令和元年度庁舎建替えによる影響)実質公債費比率については、前年度より元金償還額が減少したことにより前年より僅かに下降したと考えられる。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

2市8町の合併により市域が広域になっており、全体的に施設の老朽化が進んでいる。住民一人当たりの数値も平均よりも高く、施設が充実している一方で一人当たりの更新必要額も多額となっていると考えられる。今後は公共施設等総合管理計画に基づき施設の集約化・複合化を進め、公共施設の適正管理を行っていく必要がある。公民館の一人当たり面積については、平成25年からの公民館再編より各支所内に公民館を設置したことで低い数値となっている。一方で港湾・漁港については、市の主な産業が漁業となっているため他団体と比較して一人当たり有形固定資産(償却資産)額が高い数値となっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

2市8町の合併により市域が広域になっており、全体的に施設の老朽化が進んでいる。住民一人当たりの数値も平均よりも高く、施設が充実している一方で一人当たりの更新必要額も多額となっていると考えられる。今後は公共施設等総合管理計画に基づき施設の集約化・複合化を進め、公共施設の適正管理を行っていく必要がある。図書館の有形固定資産減価償却率について、複合施設の完成に伴い令和2年度に中央図書館の解体を行ったためと考えられる。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額は前年度から4,234百万円の減少(△1.8%)となった。金額の変動が大きいものは有形固定資産と基金であり、固定資産の取得では恐竜の島博物館の整備やスポーツ拠点施設の整備が進められ、また道路をはじめとする住民生活に欠かせないインフラ整備が進められた。しかし1年間の老朽化分である減価償却費が公共施設の整備費を上回ったことで固定資産額は減少している。施設においては、すでに建築後30年以上を経過している施設も多く、今後の大規模改修や建替えなど将来的な維持更新費用も検討しておく必要がある。その備えの一つとして基金が挙げられ、令和5年度も積立が行われており、増加となっている。負債については、地方債の償還を進めていることで地方債残高は、前年度から1,505百万円の減少となり、負債総額は、1,741百万円の減少(△3.0%)となった。特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度から6,052百万円の減少(▲2.0%)となり、負債総額は、前年度から3,532百万円の減少(△4.0%)となった。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していることで、一般会計等に比べて61,925百万円増加しているが、地方債を充当していることで、負債総額もまた28,984百万円と増加している。天草広域連合などを加えた連結では、前年度より資産額は6,219百万円の減少(2.0%)し、負債総額は、3,546百万円減少(△4.0%)した。資産総額は、各一部事務組合が保有している資産を計上していることなどにより、全体に比べて6,320百万円増加しており、また負債総額も借入金等があることなどから919百万円増加している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

「純経常行政コスト」は、経常費用から経常収益を差し引いた数値であり、「純経常行政コスト」から臨時損益を加味したものが「純行政コスト」である。経常費用は、業務費用(人件費、減価償却費や維持補修費を含む物件費等)と移転費用(補助金等、社会保障給付、他会計への繰出金等)で構成される。一般会計等においては、経常費用は51,216百万円となり、前年度から697百万円(+1.4%)の増加となっている。経常費用のうち業務費用においては、物件費等が17,646百万円(前年度比△342百万円)となっており、主な要因としては、施設の見直しを進めたことによる減価償却費の減少が大きいと考えられる。また移転費用の中の補助金等については、物価高騰生活支援給付金給付関連事業費が増加しており、また社会保障給付費も増加していることで前年度から移転費用は751百万円の増加となった。全体では、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、一般会計等と比較して経常収益が5,046百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため移転費用が17,808百万円多くなり、純行政コストは21,901百万円多くなっている。連結では、全体と比べて連結対象企業等の事業収益を計上しているため、全体と比べて経常収益が506百万円多くなっている一方、補助金等が11,063百万円多くなっているなど経常費用が14,217百万円多くなり、純行政コストは13,673百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(48,077百万円)が純行政コスト(50,607百万円)を下回ったことで、本年度差額は△2,530百万円となり、純資産残高は2,493百万円の減少となった。財源においては社会資本整備総合交付金や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの減少に伴い国県等補助金が減少した影響が大きくなっている。税収においては、市税の中でも特に市民税や固定資産税が伸びている一方で地方交付税は減少しており、結果としてはコストを財源で賄うことができず、本年度差額はマイナスとなっている。全体では、保険料などが税収等に含まれることから一般会計等と比べて財源は21,640百万円多くなっており、また本年度差額は△2,791百万円となり、純資産残高は2,521百万円の減少となった。連結では、熊本県後期高齢者医療広域連合の税収等や国県等補助金等が財源に含まれることから全体と比べて財源が13,659百万円多くなっており、本年度差額は△2,806百万円となり、純資産残高は2,673百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は5,339百万円であったが、投資活動収支については、恐竜の島博物館の整備やスポーツ拠点施設の整備などの大型事業が進められたことで△5,666百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債償還支出を下回ったことから△1,505百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から1,832百万円減少の2,304百万円となった。経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えているが、今後も倉岳支所・棚底城ガイダンスセンター建設事業などの大型事業が控えているため、基金の取崩しが予想される。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入などがあることから、一般会計等と比較して業務活動収支は2,604百万円多い7,943百万円となった。また投資活動収支は、一般会計等と同様の要因により△8,914百万円となっている。財務活動収支は、地方債発行収入が地方債償還支出を下回ったことから2,761百万円となり、本年度末資金残高は前年度から3,732百万円減少の8,354百万円となっている。連結では、第三セクター等の収入、後期高齢者広域連合の国県等補助金が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は全体より399百万円多い8,342百万円となっている。投資活動収支では、一般会計等と同様の要因により9,174百万円となっている。財務活動収支は、地方債発行収入が地方債償還支出を下回ったことから△2,755百万円となり、本年度末資金残高は前年度から3,606百万円減少し、9,541百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たり資産額は、2市8町の合併団体であり、市域が広域となっていることから保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均値を上回っている。②歳入額対資産比率については、類似団体平均値を上回る数値ではあるものの、資産は老朽化などの影響により縮小傾向にあり、また歳入総額についても同様に減少傾向にある。歳入総額の減少については、社会資本整備総合交付金や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの減少に伴い国県等補助金が減少した影響が要因として考えられる。③施設においては、すでに建築後30年以上経過している施設も多く、老朽化も進んでいることから有形固定資産減価償却率も類似団体平均を上回っている。今後、維持管理や更新等による支出を伴うため、公共施設等総合管理計画に基づいた施設管理を進めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率については、類似団体平均値を上回っており、これは基金の積立や地方債の償還を進めていることが要因として考えられる。⑤将来世代負担比率については、類似団体平均値を下回っている。老朽化により資産額が縮小傾向にあるものの、地方債の償還が進められていることが要因と考えられる。今後も縮小傾向になることが予想される。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を大きく上回っており、コストの割合は高い傾向にある。これは施設の保有数が多いことで、他の団体よりコスト内の減価償却費の割合が高くなっていることが要因と考えられる。また、広大な市域の中に集落が点在する本市では、行政経営改革大綱に基づき、毎年職員数の削減等に努めているものの、依然として類似団体の平均を上回っている。今後も引き続き職員の定員管理を行うとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合や計画的な維持管理に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を大きく上回っている。これは施設の保有数が多く、財源となった地方債残高が多額となっていることが要因の一つとして考えられ、また人口減少により一人当たりの負債額も増加している。今後も倉岳支所・棚底城ガイダンスセンター建設事業などの大型事業が控えていることから増加する見込みである。⑧業務・投資活動収支については、社会資本整備総合交付金や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの減少に伴い国県等補助金が減少し、また恐竜の島博物館の整備やスポーツ拠点施設の整備事業などが進められたことから1,857百万円となっている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率は、類似団体平均値を下回っているが、他の団体と比べてコスト割合(物件費等内の減価償却費が高いことが要因として考えられる)が高い傾向にあり、結果として受益者負担比率を押し下げていると考えられる。他の指標を含め、保有している施設が多いことが大きく影響しており、今後は保有総量の縮小や使用料等を検討する材料としてセグメント分析等の活用を検討していきたい。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,