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地方財政ダッシュボード

熊本県水俣市の財政状況(2022年度)

🏠水俣市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

基準財政収入額及び需要額が共に増加したことにより、財政力指数は昨年度と比較して0.01ポイント減少した。昨年度と比較し、地方税等が増額となったものの、自主財源比率は3割に満たない数字となっていることから、類似団体内平均値を下回っている。将来のさらなる人口減少を見据え、人口減少社会に適合した行政の形を構築する必要があり、あらゆる行政サービスや公共施設・インフラの統廃合と効率化を図り、持続可能な行財政の実現のため引き続き財政健全化の取組みを推進する。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率を算定する際の分母である経常一般財源等については、地方交付税が約8,200万円、地方特例交付金等が約3,200万円減少したことにより、総額で約1,257万円減少した。また、分子である経常経費一般財源等については、公債費が約2億3,600万円、補助費が約1億4,000万円増加したことにより、約3億8,500万円増加した。経常収支比率は4.3ポイント増加し89.6%となった。今後は、歳入の減少と扶助費等の微増により、経常収支比率は上昇していくことが見込まれる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、退職手当が約1億4,300万円減少したことにより減少したが、物件費については、市有施設の管理における電気代の高騰や最低賃金の値上げに伴う委託料の増加により、全体として微増となった。県平均及び類似団体内平均と比較して低い金額となっているが、今後はDX対応等により、一時的に物件費が上昇する可能性があるため、業務効率化等による経費削減と併せて進めていく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

全国平均を約3ポイント、類似団体内平均を2ポイント下回っており、引き続き給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員適正化計画のもと、新規採用の抑制、勧奨退職制度の創設など、職員数の削減を図ってきたが、人口の減少により前年度と比較して0.08ポイント増となった。全国平均、熊本県平均、類似団体内平均値のいずれをも上回っている。今後も人口の減少が見込まれるがICTの活用等により、行政サービスの水準を落とさないようにしつつ、事業の見直しや効率化を進めていく。

実質公債費比率の分析欄

令和4年度(単年度)の実質公債費比率を算定する際の分子にあたる数値が前年度と比較し約150百万円増加し、分母にあたる数値が前年度と比較し約201百万円減少したことにより、令和4年度(単年度)の実質公債費比率が10.3となったため、3か年平均をとる実質公債費比率が前年度から0.3ポイントの減少となった。分子の増加は、新庁舎建設事業に伴う元利償還金の増加等により、元利償還金の額が前年度と比較し約240百万円増加したことが主な要因であり、分母の減少は臨時財政対策債発行可能額が約280百万円減少したことが主な要因である。

将来負担比率の分析欄

地方債現在高が減少したことに加え、財政調整基金を約7億7,000万円積み立てたことにより、前年度より17.9ポイント改善した。今後は、人口減少に加え、水俣川河口臨海部振興構想事業や、幸橋架替事業、総合体育館空調工事、袋インターチェンジ開通に向けた工事など、大型事業の実施に伴い地方債残高及び充当可能基金残高が変動する見込みであることから、交付税措置率の高い地方債を活用するなど、後年度の負担軽減に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

一般職給与費は退職手当が約1億4,000万円減少した一方で、一般職及び臨時職員の給与が微増したことにより、人件費の経常経費充当一般財源が約6,500万円減少した。令和2年度まで退職者数が高水準で推移していたが令和3年度以降は退職者が減少していく一方で、令和6年度より会計年度任用職員の勤勉手当を新たに支給することとなったことから、令和6年度は人件費が増加する見込みである。

物件費の分析欄

市有施設の管理において、電気代の高騰や最低賃金の値上げに伴う委託料の増加等により、物件費の経常経費充当一般財源が約3,300万円増加した。今後は、DX対応等により一時的に物件費が上昇する可能性があるため、業務効率化等による経費削減を併せて進めていく必要がある。

扶助費の分析欄

老人福祉施設措置費が約2,300万円、子ども医療費が約1,200万円増加したことにより、扶助費の経常経費充当一般財源が約6,000万円増加した。子ども医療費ついては、新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたことにより、コロナ発生前の水準に戻りつつある状況である。今後は、少子高齢化による扶助費の増加と、人口減少による全体の扶助費減少により、同水準程度で推移していくものと思われる。

その他の分析欄

特別会計への繰出しについては、大きな事業費の増減はなく、概ね昨年度と同程度で推移しており、繰出金の経常経費充当一般財源は約1,600万円減少した。今後は、少子高齢化による繰出金の増加と、人口減少による縮小も見込まれるため、社会福祉制度の変更がなければ、概ね同水準で推移するものと見込んでいる。

補助費等の分析欄

病院事業会計への負担金が、医療機器等の導入による公債費の増加等により、約1億円の増加となったことなどから、補助費等の経常経費充当一般財源が約1億4,000万円の増加となった。今後は、病院事業会計において、病棟の改修工事や電子カルテの更新など大型事業が控えていることから、繰出金の増加が見込まれる。

公債費の分析欄

長期債元金は、市庁舎建替にかかる返済が始まったことなどから、元利償還金が約2億4,000万円増加した。一方で長期債利子は、公営住宅建設事業や一般単独事業債などの利子支払額が約300万円減少したことにより、公債費の経常経費充当一般財源としては、約2億3,600万円の増加となった。今後は、公債費は20億から21億程度で推移していく見込みである。

公債費以外の分析欄

前年度より1.7ポイント増加したものの、全国平均、熊本県平均、類似団体内平均を下回っている。今後も引き続き、財政健全化に向けた取組みを継続して進めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

災害復旧費については、昨年度まで実施していた市庁舎建替事業が終了したことにより、昨年度と比較して大きく減少し、市庁舎建替事業実施前の水準に戻った。しかし、異常気象による災害は毎年のように発生しており、引き続き全国平均よりも高い水準となる見込みである。民生費については、子育て世帯や非課税世帯等への臨時給付金事業が減少したことにより今年度は減額となったものの、高齢化が進む本市においては他市平均と比較して高い水準となっている。公債費については、市庁舎建替事業の元利償還が始まったことにより大きく上昇しており、今後も大型事業が控えていることから、高い水準で推移していくものと見込んでいる。人口減少に伴い、住民一人当たりのコストの増加が今後も予想されることから、行政サービスの水準を落とすことなく事業の選択と集中を一層徹底し、効率的な財政運営に努めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

災害復旧事業費については、昨年度まで実施していた市庁舎建替事業が終了したことにより、昨年度と比較して大きく減少し、市庁舎建替事業実施前の水準に戻った。しかし、異常気象による災害は毎年のように発生しており、引き続き全国平均よりも高い水準となる見込みである。普通建設事業費については、昨年度実施した道の駅整備事業が終了したことにより、昨年度と比較して減少した。公債費については、市庁舎建替事業の元利償還が始まったことにより大きく上昇しており、今後も大型事業が控えていることから、高い水準で推移していくものと見込んでいる。人口減少に伴い、住民一人当たりのコストの増加が今後も予想されることから、行政サービスの水準を落とすことなく事業の選択と集中を一層徹底し、効率的な財政運営に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金は、財政健全化の取組みにより約7億7,000万円を積み立てたことから、標準財政規模比で8.92ポイント増加した。実質単年度収支については、約7億1,300万円の減少となり前年度比で大きく減少したものの2年続けて黒字となったが、新型コロナウイルス感染症に起因する一時的な外的要因による影響も大きく、引き続き事務事業の精査を行っていく必要がある。今後は、少子高齢化、人口減少社会を見据え事業効果の高い事業に優先的に予算を配分するなど、実質単年度収支の黒字と赤字を交互に繰り返しながら持続可能な財政運営を行っていく予定である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

分子側の連結実質黒字額について、病院事業会計の実質収支額が840百万円増加(標準財政規模比10.43ポイント増加)し、一方で介護保険特別会計の実質収支額が153百万円減少(標準財政規模比1.72ポイント減少)したことなどにより、741百万円増加(標準財政規模比9.56ポイント増加)した。介護保険特別会計における実質収支が大きく減少した理由としては、令和4年度において介護給付費準備基金を約2億5,400万円を積み立てたことによるものであり、介護保険特別会計における収支状況が悪化したものではない。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度(単年度)の実質公債費比率を算定する際の分子にあたる数値が前年度と比較し約150百万円増加し、分母にあたる数値が前年度と比較し約201百万円減少したことにより、令和4年度(単年度)の実質公債費比率が10.3となったため、3か年平均をとる実質公債費比率が前年度から0.3ポイントの減少となった。分子の増加は、新庁舎建設事業に伴う災害復旧事業債の元利償還金の増加等により、元利償還金の額が前年度と比較し約240百万円増加したことが主な要因であり、分母の減少は臨時財政対策債発行可能額が約280百万円減少したことが主な要因である。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担比率を算出する際の分子にあたる将来負担額から充当可能財源等を控除した数値が前年度と比較して約1,336百万円減少し、比率が17.9ポイントの減少となった。将来負担額は地方債現在高が約1,012百万円減少し、公営企業債等繰入見込額が約322百万円減少したことなどにより、前年度から約1,241百万円減少した。また、充当可能財源等は、剰余金を財源とした財政調整基金への積立て等により充当可能基金が約1,039百万円増加し、基準財政需要額算入見込額が約779百万円減少したことなどにより、前年度から約95百万円増加した。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金については、令和3年度歳計剰余金を積み立てたことにより、大きく増加したほか、ふるさと創生基金が増額となったことにより、全体として大きく基金残高が増加した。(今後の方針)減災基金については、市庁舎建替に係る起債の償還のために取崩しを行うことから、現在の残高分は令和14年度にはほぼ0となる見込みである。また、総合体育館空調工事に伴う熊本県からの補助により、令和6年度に約1億円を積み立てる予定としているが、積み立てた分はすべて償還に充てる予定としているため、令和16年度には積み立て分もほぼ0となる見込みである。その他特定目的基金については、ふるさと創生基金はほぼ横ばいか減少する見込みであり、その他公共施設整備基金については、公共施設の老朽化に対応するため残高が減少していく見込みである。以上のことから、基金全体としては令和6年度減債基金が一時増額となるものの、それ以降は残高が減少していく見込みである。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金については、令和4年度は取り崩しを行わずに令和3年度歳計剰余金を積み立てたことにより、約7億7,000万円の増額となった。(今後の方針)財政調整基金については、一般的な適正水準とされる標準財政規模の20%である約17億円を目標としているが、現時点ではまだその水準を下回っている。毎年のように発生している災害をはじめとした突発的な財政需要に備えるため、令和3年度当初予算以降財政調整基金を取り崩さないようにしているが、歳出予算での積立ては厳しい状態であることから、歳計剰余金処分による積立てで基金残高を増加させていく見込みである。

減債基金

(増減理由)減債基金については、積立て及び取り崩しを行っておらず、利子分の8.8万円を積立てを行った。(今後の方針)市庁舎建設に係る災害復旧事業債の償還により令和5年度から令和14年度までに約8億円を取り崩す計画であり、令和14年度には残高がほぼ0となる見込みである。また、令和5年度から実施している水俣市総合体育館空調整備による熊本県からの補助により令和6年度に約1億円の積立てを行う予定であるが、令和7年度からの償還に充てる予定であることから、令和16年度には積立て分が0となる見込みである。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと創生基金:ふるさと創生に関する「自ら考え自ら実践する地域づくり」の推進社会福祉振興基金:高齢者及び障害者の社会福祉の充実及び向上に係る施策の推進公共施設整備基金:公共施設の整備新型コロナウイルス感染症対策基金:新型コロナウイルス感染症対策に対する助成(増減理由)ふるさと創生基金:寄附総額が減少したことで、ふるさと納税に係る経費が減少したことにより取り崩し額が減少した。一方で寄付総額におけるふるさと創生基金への積立る割合が増加したため、基金残高が増加した。社会福祉振興基金:高齢者や障害者をはじめ、子どもの予防接種事業に充てるため取崩しを行ったことから、基金残高が減少した。公共施設整備基金:市庁舎建替事業の財源として取崩しを行った。新型コロナウイルス感染症対策基金:新型コロナウイルス感染症の影響を受けた商工業者等への融資貸付の際に利子分を補給したことにより、基金残高が減少した。(今後の方針)ふるさと創生基金については、令和5年度以降は寄附額を増やす取組みを行うため、積立額が増加する見込みであるが、一方で取崩しも増やす予定であるため、基金残高は横ばいもしくは減少していく見込みである。また、公共施設の老朽化に対応するため、公共施設整備基金を財源に活用するなど、一部の基金については残高が減少していく見込みである。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

市庁舎建替えの減価償却が始まったことなどにより、昨年度より1.8ポイント上昇したが、類似団体内平均値とは3.3ポイント低くなっている。大規模改修を必要とする老朽化した施設も多いため、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化と併せて、施設の廃止・集約化を進めていくなど、公共施設等の適正管理及び保有量の適正化に努めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

類似団体内平均値が大幅な上昇となる中、本市は22ポイントの低下した。要因としては、財政調整基金等の積立てにより充当可能基金が増加したことによる。今後も必要な大型事業は実施しつつ、新発債の発行を償還額以下に抑えるなど、地方債残高の減少に取り組んでいく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、前年度と比較すると財政調整基金等の積立てにより充当可能財源等が増加したため低下し、類似団体内平均値とほぼ同じ数値となった。老朽化により大規模改修を必要とする施設も多いため、必要な大型事業は実施しつつ、将来負担比率が大きく増加しないように新発債の発行を償還額以下に抑えるなど、地方債残高の減少に取り組んでいく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、依然として類似団体内平均値と比較して高い数値となっているが低下傾向にある。実質公債費比率の低下は、災害復旧費等に係る基準財政需要額の増加が主な要因である。今後も大型事業の実施に伴う地方債の発行は必要不可欠となる。将来負担比率、実質公債費比率ともに大きく上昇しないように新発債の発行を償還額以下に抑えるなど、地方債残高の減少に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体内平均値と比較し、有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は、橋りょう・トンネル、学校施設及び児童館である。橋りょうについては上昇傾向にあるが、現在、橋りょう(1橋)の架け替え工事を実施しており、それにより今後低下する見込みである。学校施設については計画的に外壁改修やトイレ改修、空調設備導入等の施設整備を実施しており、有形固定資産減価償却率は同水準を維持している状況。児童館については令和3年度に類似団体平均値が大きく低下したため、その差が大きくなった。一方、港湾・漁港の有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を大きく下回っているのは、平成30年度から茂道漁港の保全工事を行ったためである。一人当たり面積等については、類似団体平均と比較し特に高いものはなく、過大な施設はないものと考えられる。今後、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化と併せて、施設の廃止・集約化を進めていくなど、公共施設等の適正管理及び保有量の適正化に努めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体内平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館である。図書館については、令和3年度に類似団体内平均値が大きく減少したため、その差が大きくなった。庁舎の有形固定資産減価償却率については前年度まで類似団体内平均値を大きく下回っていたが、平成28年度の熊本地震で被災した庁舎の建替えにより、類似団体内平均値を大きく上回ることとなった。老朽化により大規模改修を必要としている施設は多いため、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、財政状況を見ながら老朽化対策に取り組んでいく必要がある。なお、一人当たり面積が類似団体平均と比較し高くなっている施設のうち、体育館・プールについては、平成20年度から平成23年度にかけて小中学校の再編成を行い、閉校した学校の体育館等を社会体育施設として活用することとしたため一人当たり面積が大きくなっており、福祉施設については、水俣病患者の療養施設として昭和47年に開設した水俣市立明水園があるため、一人当たりの面積が大きくなっている。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、財政健全化に向けて取り組む中で、財政調整基金残高の回復を図ったこと等により、資産総額が前年度末から548百万円増加した。また、同じく地方債償還額の範囲内に新規起債額を留め、地方債残高の縮減を図ったことにより、負債が減少した。本市の住民一人当たり資産額は類似団体と同水準であるが、純資産比率が低く、将来負担比率が高い状況にある。次世代への加重負担とならないよう、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、普通建設事業を合理的かつ計画的に執行していくことにより、中長期的に地方債残高を適正規模に収れんさせていく予定である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用が13,693百万円となり、前年度比256百万円の減少となった。これは、主に新型コロナウイルス感染症対策事業の影響によるところが大きい。本市は、財政健全化に向けた取組みを進めているところであるが、類似団体平均と比較して、一部事務組合等への補助費等が多い状況にあるため、今後は本市の会計のみならず、広域行政事務組合や第三セクター等への負担金・補助金についても、その事業内容や財務状況等の的確な把握に勤め、削減の可能性を探っていく。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、税収等の財源(14,798百万円)が純行政コスト(13,377百万円)を上回り、純資産残高は昨年度に引き続き1,420百万円の増額となった。なお、令和2年度及び令和3年度に純資産残高が急増しているのは、熊本地震により被災した庁舎の建替事業の本体工事を実施したこと等によるものである。本市は、類似団体と比較して、純資産比率が低く、将来負担比率が高い状況にある。過疎化に伴う人口減少、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が進む中、地方債を原資とする資産の過度な増加は、将来世代に対して過度の負債を繰り延べてしまうこととなる。今後、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、普通建設事業を合理的かつ計画的に執行していくことにより、地方債残高を減らし、将来負担比率を抑制していき、さらに、長期的には、公共施設・インフラの人口規模に見合ったダウンサイジングを図っていく。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、令和4年度は、庁舎建替事業に係る公共施設等整備費支出が大きく減少したことにより、投資活動収支のマイナス幅は縮小したが、財政再建に向けて財政調整基金残高の回復を図っていること等から、依然としてマイナスとなっている。財務活動収支について、庁舎建替事業本体工事の完了に伴い地方債発行収入が減少したこと、中期財政計画に基づき、地方債残高をコントロールしながら公共施設整備投資を図ることとしたこと等により△1,012百万円となった。なお、これまでマイナスで推移していたプレイマリーバランスが、令和4年度において、黒字に転じている。今後も、将来世代に過度の負担を残すことのないよう、公共施設等総合管理計画及び各個別施設計画に基づき、合理的かつ計画的に普通建設事業を実施していく。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、熊本地震で被災した庁舎の建替に係る公共施設整備事業等により、類似団体と同水準にまで増加している。歳入額対資産比率が類似団体を大きく下回っており、歳入規模に比して多くの資産を有している状況となっているが、これは、類似団体の中でも、本市の人口規模、歳入規模が小さいことによるものと考えられる。有形固定資産減価償却率は60.2%で、類似団体平均値と同水準であるが、大規模改修を必要としている施設が多いため、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化及び廃止・集約化を進めていくなど、公共施設等の適正管理及び保有量の適正化に努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

令和3年度と比較して大きな変動は無く、依然として類似団体平均値と比較して純資産比率は低く、将来世代負担比率は高い状況にある。本市では過疎化に伴う人口減少、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が進んでいるため、過度の地方債発行により将来世代への負担となりすぎないよう、地方債残高を本市の資産規模、財政規模に見合った水準まで落としていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、令和元年度及び令和2年度においては類似団体平均値水準に落ち着いていたが、令和3年度以降、再び上回っている。本市は、類似団体平均の人口規模、決算規模と比べて25%程度小規模であることから、住民一人当たり行政コストは割高となる傾向があるが、行政コストの中に無駄な経費が含まれていないか、合理的な事務執行は図られているか、使用料及び手数料の水準は適正か、常に事業の見直しを行っていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均と比較して約1.5倍と非常に高い状況にある。基礎的財政収支は、熊本地震で被災した庁舎の本体工事が完了したこと、中期財政計画に基づき普通建設事業を実施し、新規起債額と償還額のバランスを図っていること等により、令和4年度においてプラスに転じた。今後はさらに、地方債残高を本市の財政規模に見合った水準まで落としていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値を下回っている。経常費用は前年度と比較して減少しているが、新型コロナウイルス対策事業の減少による影響が大きい。事業見直しによる経常費用の削減と併せて、使用料等の経常収益についても継続的な見直しを行うことにより、適正な受益者負担となるよう取組みを続けていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,