経営の健全性・効率性について
①50%前後を推移していることから、収支バランスの乖離が大きく恒常的な赤字経営になっています。④全国平均及び類似団体と比較して、債務残高は低い数値で推移しています。原因としては厳しい財政状況のため必要な更新が先送りされていることが考えられます。⑤類似団体と比較して同程度で推移していますが、100%を下回っていることから、さらなる使用料収入の確保が必要です。⑥類似団体と比較して同程度で推移していますが、全国平均と比較して高く推移しているため、さらなる汚水処理の効率化が必要です。⑦全国平均及び類似団体と比較して著しく低い数値で推移しており、施設効率を改善する必要があります。⑧全国平均及び類似団体と比較して低い数値で推移しており、水洗化率を向上する必要があります。
老朽化の状況について
H26年度末での汚水管渠総延長L=72㎞のうち、布設後20年経過した管渠が39㎞、30年経過が5㎞と、管渠全体に占める老朽化の割合は小さいが、大雨時に終末処理場に流入する不明水量は年々増加傾向にあり、その対策が急務です。管渠の更新・老朽化対策は、ストックマネジメント支援制度に基づき計画的に実施することが望ましく、単発的な単費工事だけでは限界があります。
全体総括
現在、経営の健全性・効率性が保たれておらず、今後管渠の更新や施設の長寿命化も予定されるため、益々経営が厳しくなることが予想されます。収入面では、有収率・施設利用率・水洗化率が低いなか、水洗化率を向上させることにより有収水量を増加させ使用料収入を確保していくことが必要になります。支出面では、投資の効率化や維持管理費の削減等、今後の投資のあり方や経営体制のあり方を見直す必要があります。また資金状況の把握・分析や適切な使用料設定の検討をするためには、経営の透明化が必要不可欠であり、人口規模では必須ではないものの今後法適用化への移行の適否について早急に検討する必要があります。