収益等の状況について
施設の老朽化及び耐震性の問題から平成26年11月から平成28年10月まで休館し、建替工事を行った。②他会計補助金比率及び③宿泊者1人当たりの他会計補助金額の平成26年度数値の悪化が目立つが、これは建替に要する経費及び指定管理者に対する休業補償金を一般会計繰入金で賄ったことによる他会計補助金の大幅増、休館に伴う営業費用及び宿泊者数の減による一時的なものである。⑤売上高人件費比率の平成27年度数値の悪化についても同様に休館に伴うものである。④定員稼働率は、平成28年度は11月の開業から5カ月間の営業であったため、27.3%となっているが、新施設での通年営業となる平成29年度は60%を超える見込みである。⑥売上高GOP比率及び⑦EBITDAについても同様に通年営業に伴い改善され、①収益的収支比率も向上すると見込まれる。
資産等の状況について
当該施設は平成28年8月に建替工事が完成し、同年11月に営業を開始している。⑩設備投資見込額は、備品、機械設備等の更新費として5,000千円/年(見込)を計上したものであり、大規模な設備投資は当面行わない見通しである。⑫企業債残高対料金収入比率の平成27年度数値の悪化は、建替工事に係る起債及び休館に伴う料金収入の減による一時的なものである。今後、新施設での通年営業及び起債の償還開始に伴い、徐々に改善される見込みである。
利用の状況について
宿泊客数動向における公営企業の数値は、平成26年11月から平成28年10月までの2年間、施設建替工事に伴う休館により、利用者数が減少したことから、数値が減少しているが、平成28年11月に新施設の開業により、数値は回復している。また、市町村の数値についても、当該施設の休館と合わせて減少、回復している。これは、市内には12の宿泊施設があるが、そのうち10施設は民間事業者による収容人員が50名以下の小規模宿泊施設であり、当該施設が市内では最大の宿泊施設であるため、数値に大きく影響したものである。本市において当該施設は、観光利用の受け皿が必ずしも十分といえない状況の中、観光振興を図る上で重要かつ必要な施設であるため、今後も引き続き、利用者数の増加につなげるため、県内外へのPR活動に努めていく。
全体総括
当該施設は、平成26年度までは施設の老朽化や宿泊室内にトイレがない等、時代のニーズに合っていいなかったことから、利用者が減少傾向にあり、経営状況は厳しい状況であった。しかしながら、当該施設は、観光振興及び雇用も含めた市内経済への波及効果による地域の活性化に寄与するとともに、市民の健康増進を図る施設として大きな役割を果たしている施設であることから、施設の建替えを行い、交流人口増加を図るとともに経営改善に努めているところである。新施設建設に当たり、建設費用の財源として起債を行っており、償還財源の確保が大きな課題と捉えている。今後、営業においては、定員稼働率を高い水準で維持するとともに経費節減に努め、収益状況を改善する。また、利用料金収入の一部を償還財源に充てる等、一般会計繰入金への依存度を下げる検討を行うことが必要と考えている。