経営の健全性・効率性について
本町は、令和元年度より地方公営企業法の一部適用を行いました。経常収支比率は100%を上回っており、累積欠損金も発生していませんが、経常収益の多くを一般会計繰入金に頼っています。流動比率については、保有現金の額に対して企業債償還額が大きいため低い数値となっていますが、企業債償還時に一時借入などは行っていません。すでに整備済みであり、今後は企業債残高が減少していくことから、数値は改善していくと見込んでいます。企業債残高対事業規模比率については、早期整備完了により企業債残高が大きくなっていますが、流動比率と同じく、今後は企業債残高が減少し、数値は下がると見込んでいます。経常収支比率は100%を上回っているものの、一般会計繰入金によるところが大きいため、今後も引き続き、使用料改定の検討や水洗化人口の増加を図り、「経営の効率性」の向上を目指すとともに、将来世代の地方債償還金の負担の増大を考慮に入れながら、ストックマネジメントを行なっていく必要があります。
老朽化の状況について
本町では、昭和60年度から公共下水道事業を展開してきました。古くに整備された管渠で約30年、下水道終末処理施設で約20年を経過しております。しかしながら、耐用年数から見た場合は管渠50年、処理場40年であることから、現在老朽化している状況ではないと判断できます。近年、他自治体において、施設の老朽化が原因となる事故が多数発生しています。このため、今後は事故の「発生対応型」から「予防対応型」の施設の更新、もしくは長寿命化対策に取り組んでいく必要があります。
全体総括
本町では、人口の96%以上を本事業により水洗化整備をしています。早期整備完了に伴う莫大な起債残高を解消しなければ、経営の健全性は達成できません。そのためには、長期的な運営経費削減を想定する必要があります。現在、終末処理場を流域1ヶ所、単独の2ヵ所で運営しています。人口規模も小さく、水洗化率も高止まりしていく現状を考慮しますと、処理場の統廃合は必須です。地方の下水道事業における経営改善の特効薬はありません。なるべく無駄な経費を削減し、持続可能な事業運営を目指したいと考えています。