収益等の状況について
山紫苑は国民保養温泉地にある宿泊施設(国民宿舎)。・収益的収支比率:類似施設平均値を超えているが、緩やかに下降しており、28年度は赤字に転落した。利用者減や客単価減による売上高の減少が大きい。また光熱水費や手数料などの経費が上がってきていることも原因である。・定員稼働率:類似施設平均値を下回っており、集客に向けた施策の検討を進めている。・売上高人件費比率:人件費は年々減っているが、売上高の減少幅が大きく、人件費負担は緩やかに増加している。・売上高GOP比率:類似施設平均値を大きく下回っており、徹底した経費の節減により営業収支の改善を図っていく。・EBITDA:H26まではプラスであったが、H27からH28にかけて大きく減少しているのは収益的収支の減少に伴うものである。抜本的な経営の見直しが必要である。
資産等の状況について
資産については、建物が本館と新館があり、資産価値は高いが、本館は老朽化が進んでおり、耐震への対策が必要となっている。耐震対策に係る施設設備投資が多額であるため、資産全体の価値は減少していると考える。
利用の状況について
山紫苑の所在市町村の宿泊者動向については、ともに変動はあるものの若干上向きとなってきている。しかし、山紫苑は宿泊以外の特に休憩人数の減少が著しい。また、全体的に見ると、稼働率は上げているが、売上が減少しているのが現状。客単価アップを図るなどの対策が必要である。●休憩・宿泊人数の実績(うち休憩者数)(H24)32,609人(17,720人)(H25)32,244人(16,935人)(H26)31,502人(17,201人)(H27)29,407人(15,292人)(H28)29,354人(14,802人)
全体総括
収益、資産、利用の状況を考慮すると、大規模な経営改善が必要とみられる。独立採算の基本原則に照らし合わせ、今後の経営計画、当該施設のあり方について検討し、民間ノウハウを最大限に活かせる指定管理制度の再考、利用料金の在り方の再考等による収益の向上を図る。