経営の健全性・効率性について
平成26年度の地方公営企業会計制度の見直しにより、経営指標に大きな変動が生じたが、平成27年度以降はほぼ同調に推移している。①経常収支比率平成26年度より新たな収益として「長期前受金戻入」を計上したこと等により、比率が100%を超えた。平成30年度は前年度より微増となったが、類似団体平均値、全国平均値を下回った。ただし、長期前受金戻入は現金収入を伴わない見かけ上の収益であるため、引き続き収入の確保と事業の効率化等をより進めていく必要がある。③流動比率平成30年度は前年度より増となったが、これは資本費平準化債を借入れたことによる現金預金の増によるものである。引き続き収入の確保と経費の削減に努める必要がある。⑤経費回収率平成26年度まで100%を若干下回る程度の推移であったが、27年度より汚水処理原価の積算基準を見直したことから100%を大幅に下回ることとなった。使用料だけでは経費を十分に賄えていないため、収入の確保と経費の削減に努める必要がある。⑥汚水処理原価平成27年度より汚水処理原価の積算基準を見直し、大幅に原価が増大したことで類似団体平均値、全国平均値を上回った。効率的に維持管理を行い費用の抑制を図りつつ、今後管渠等の老朽化等により増加が見込まれる維持管理費に適切に対応していく必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率管渠改築に伴い減価償却費が増加するため増加の推移となっている。一方で、本市は平成24年から減価償却費を算出しており、それ以前に耐用年数を超えた資産については減価償却費を計上していないため、類似団体平均値、全国平均値と比較して大幅に低い数値となっている。②管渠老朽化率標準耐用年数(50年)を超える管渠が全体の約5%となっており、類似団体平均値を上回っているため、引き続き改築更新を進めていく必要がある。③管渠改善率平成30年度は管渠の改良工事費が大きく増加したため、管渠改善率は大幅増となった。
全体総括
経営の健全性・効率性については、前年度と比較してほぼ同調であるが改善している指標もある一方で、平均値を下回る指標もあるため、引き続き収益の増加と費用の抑制に努める必要がある。特に収入の根幹となる使用料については、適正な使用料単価及び使用料体系を定期的に検証する。また、施設面においては平均値を上回る数値であるが、平成29年度に策定したストックマネジメント計画に基づき、施設の点検・調査、修繕・改築を効果的に進めていく。なお、経営戦略については平成30年度に策定及び公表を行った。また、令和2年度に見直す予定。