経営の健全性・効率性について
本町の水道事業は、昭和40年に始まり、以来、事業規模を拡大、平成17年度末に水道整備が完了し、町内ほぼ全域で、安全で安心な水を安定的に供給できるようになった。その後10年間は小規模修繕のみの改良にとどめ、施設の長寿命化に努めてきたため、緩やかであるが収益的収支比率、料金回収率は回復傾向にあり、給水原価も費用抑制が図られているが、今後は、施設、管路の老朽化等による更新費用の増加、給水人口の減少に伴う料金収入の減少が見込まれるため、経営の効率化、コスト削減に努めることが必要である。施設利用率は、類似団体平均値を上回っており、前年度より上昇しているが、これは、有収率が低下していることからも、漏水量が増加したことが原因であると考えられるため、更なる漏水対策による有収率の向上を図る必要がある。また、今後は、給水人口の減少による使用水量の減少等将来の見込みを適正に把握し、施設、管路の統廃合や適正規模への見直しを含めた施設更新を検討する必要がある。
老朽化の状況について
平成17年度までの大規模改修事業により、企業債残高が増加し、その後10年間は小規模修繕のみの改良にとどめ施設の長寿命化に努めてきたため全体的に、施設が老朽化している。今後は、近年策定した経営戦略、施設更新計画に基づき、施設・設備の重要度や経年による老朽化度を踏まえ、更新の優先順位付けを行い、効率的な施設の更新を図る必要がある。
全体総括
老朽化する施設・設備の維持管理、起債の償還、人口の減少等を勘案し、施設等の整備を進めるとともに、水道会計の健全運営のため、経費の節減と効率的な業務の執行に努め、経営環境の変化に適切に対応し、そのあり方を的確に捉えながら事業の進捗を図る。有収率については、施設整備を進める中での老朽経年管の布設替え工事の実施により、向上していくものと考えているが、引き続き早期有収率の向上に向けて漏水対策の強化を図る。