経営の健全性・効率性について
収益的収支比率と料金回収率はほぼ平均値ではあるが企業債残高対給水収益比率はやや高めになっており、歳入に占める起債の割合が高めであることが懸念される。R1年度には3簡水事業のうち1簡水の料金改定を実施したが、当該簡水の給水人口は全体の4分の1にも満たない規模なので、3簡水全体の規模で考えると思ったようには経営の健全化への効果は期待できず、依然、財源において一般会計繰出金と起債への依存状況は続いていると判断される。R1年度で簡水補助金も終了することから更に厳しい状況になるため、財源の安定的確保に向けさらに効果的な料金改定などの対策が必要となる。
老朽化の状況について
既存の水源の減水傾向化と大規模開発進出に伴う配水量不足に対応すべく新水源整備が進んだため一時的に施設使用率が下がったと分析される。また漏水探査による修繕と老朽管路の耐震化布設替えも順調に進捗してきており、成果として有収率が改善してきた。
全体総括
総体的には概ね良好な運営状況であると判断できるが、各表に示されている数値は3簡水事業のうちの過半数をしめる河口湖簡易水道事業のデータからの影響が大きく反映され、他の小規模な2簡水事業が抱える問題点は潜在化していると思われ、3事業を並行して運営していく上ではこの部分に注意を払い丁寧に対応する必要があり、より安定的な運営状態に持っていくために最終的には上水道事業への統合を目指す。また今後は大規模な施設整備計画が複数あり、歳入のうちの料金、起債、基金をバランスよく構成し必要に応じて料金見直しも実施していく。