福井市：福井市大手第２駐車場

収益等の状況について

①収益的収支比率はほぼ横ばいで推移しており、いずれも100％以上であるが、類似施設平均値と比較すると、平成28、29年度で下回っている。②他会計補助金比率及び③駐車台数一台当たりの他会計補助金額はやや減少傾向にあるが、類似施設平均値を上回っており、一般会計からの繰入金への依存度は大きい。④売上高GOP比率及び⑤EBITDAはマイナスであり、類似施設平均値を下回っている。駐車場の一部（地下2階部分）が機械式であるため、維持管理費が負担となっている。平成26年度からマイナスが増大している要因は、定期利用者が減少し収益が減少したことによる。定期利用者が減少した分、駐車容量に余裕が生じているので、利用促進策を検討する必要がある。

資産等の状況について

⑦敷地の地価について、敷地の約85％が借地であるため将来的な財源として見込むことは難しい。⑧設備投資見込額は主に機械式駐車装置の修繕費用である。駐車装置の故障による休業を避けるためにも、計画的に修繕していく必要がある。⑩企業債残高対料金収入比率は建設当時に発行した市債の償還が終了しているため平成27年度までは0％である。平成28、29年度は料金管理設備の改修のため起債が必要となった。

利用の状況について

⑪稼働率はほぼ横ばいで推移しており、類似施設平均値を上回っている。稼働率が高水準である要因としては、当該駐車場の地上部分が商業施設になっており、直結していることから、主に商業施設利用者が利用しているためといえる。また、固定の定期利用者が継続しており、収益の約3割を占めている。上記のとおり、商業施設の駐車場としての利用が見込まれること、安定した定期利用者がいること、都市計画駐車場であることから、当該施設は駐車場として維持していくことが適当であると考えられる。

全体総括

収益的収支比率が100％以上で黒字を示しているものの、一般会計からの繰入金に依存した経営となっている。当該駐車場は、地上部分の商業施設と一体的に管理しており、施設を区分所有しているため、管理組合に対する負担金や借地料がかかっている。平成34年度の北陸新幹線福井開業による商業施設利用者の増加が見込まれるため、駐車場機能は維持しながら運営方法を検討する必要がある。平成32年度末までに策定を予定している経営戦略の中で中長期的な健全経営について議論を行っていく。