収益等の状況について
令和元年度に大規模改修工事が完了し、令和2年度以降は収益の改善を見込んでいたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、利用者が回復することなく、各指標の多くが悪化した。令和4年度は新型コロナウイルス感染症の影響が少なくなり、各指標の良化が多く見られた。また、令和5年度には新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行や米子駅南北自由通路の開通による駅利用者増加に伴う利用料金収入増加により、各指標が更に良化した。しかし、当駐車場の傾向として、地下式であるため維持管理経費が大きく、料金収入で賄えず、慢性的に他の駐車場の収益に頼っている状況である。また、今後各指標が良化する見込みではあるが、令和4年度、令和5年度と大規模改修の起債の償還が続けて開始となり、経営の見通しは楽観視できる状況ではない。まずは単体で黒字経営とすることを目標に、引き続き経営努力に努める必要がある。
資産等の状況について
令和元年度に完了した大規模改修工事に係る起債に伴い、令和2年度企業債残高対料金収入比率が上昇したが、起債の償還が進み、現在は減少傾向にある。地下駐車場の躯体そのものは問題ないが、建設から25年以上が経過し、各種設備の老朽化が進んでいるため、今後計画的に修繕・改修を行う必要がある。
利用の状況について
当駐車場は、米子駅利用者の利用が大半であり、令和5年度は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行や米子駅南北自由通路の開通により駅利用者が増加し、稼働率は良化した。類似施設と比較しても、高い稼働率であり、当該エリアの駐車場需要を満たすものではあるが、入場から30分間無料としているため、稼働率が必ずしも収益に結びついていない状況である。
全体総括
新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい経営状況が続いていたが、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行や米子駅南北自由通路の開通により駅利用者とともに駐車場利用者が増加し、現在は経営状況が改善傾向にある。当駐車場は収益性が乏しく、地下式であり、また駅前の混雑緩和と利便性向上を目的とした都市計画上の道路附属物であるため、民間譲渡や転用には適さないと考えられる。また駐車場需要は高いことから、引き続き設置目的の達成のため、公営駐車場として経営をする必要がある。今後は、経営戦略を基に指定管理者制度を活用しながら、経営の効率化や利用促進を図るとともに、令和4年度から実施している、資本的収入となる一般会計からの繰入を引き続き行い、安定的な経営に努めていく必要がある。