秦野市:公共下水道

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経営比較分析表(2018年度)

経営の健全性・効率性について

本市は、一部地域で広域処理を行っていますが、大部分は終末処理場での単独公共下水道事業により処理しており、1立方メートル当たりの汚水処理費を示す「汚水処理原価」は、152.56円で、前年度をやや下回ったものの、全国平均や類似団体平均を上回っています。さらに、使用料で回収すべき経費をどの程度使用料で賄えているかを示す「経費回収率」は依然として100%を下回っています。また、本市の市街化区域における汚水整備は概成しましたが、処理区域内で実際に水洗便所を設置している人口の割合を示す「水洗化率」がほぼ横ばいと伸び悩んでおり、使用料の水準を示す「経費回収率」の結果に見られるとおり、見込んでいた投資効果が充分に得られていない状況にあります。しかし、施設の利用状況や適正規模を示す「施設利用率」は65.21%で、全国平均や類似団体平均を上回っており、既存施設を可能な限り有効に利用しています。また、本市では、近い将来に迎える施設の大規模更新に備えて財務体質の強化を図っており、毎年、借入額が償還額を下回るよう、計画的な借入れを行ってきたことから、「企業債残高対事業規模比率」は減少を続け、全国平均や類似団体平均を下回るなど、一定の成果をあげています。以上のことから、本市の経営は、依然として多くの課題はあるものの、健全経営の確保に向けた取組みは、徐々に成果を上げつつある状況です。

老朽化の状況について

本市の施設は、整備からあまり年数が経過していないことから、平成30年度決算時点で、「管きょ老朽化率は」0.00%と、法定耐用年数を超えた管きょはなく、「有形固定資産減価償却率」も類似団体と比べて低い状況にあります。しかしながら、近い将来に確実に迎える大規模更新に備えて、終末処理場施設を含め、計画的に施設の更新、耐震化を実施しているところです。管きょ施設については、過去から継続して、防災拠点等の重要施設から終末処理場までの汚水幹線について耐震化を実施するとともに、管きょの更新事業費の平準化を図るため、管きょ改良(長寿命化)事業も継続して実施しています。今後も、市民の生活を支えるライフラインとして、予防保全的な維持管理に努め、適切な更新や耐震化を行っていきます。

全体総括

本市の公共下水道事業は、経営基盤の強化と経営の健全性を確保するため、平成28年度から地方公営企業法を適用しています。経営の健全化に向けた取組みは、十分とは言えないものの、徐々に成果を上げつつあり、今後もこれらの取組みを継続していく必要があります。現在、令和3年度から10年間を計画期間とする新たな経営戦略の改定作業に着手しており、人口減少や更新需要の増大といった、様々な課題を踏まえて、事業の健全経営を将来にわたって維持するための取組みについて、検討を進めていきます。

類似団体【Ac1】

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