経営の健全性・効率性について
・平成31年4月1日に公営企業会計に移行しており、令和元年度が企業会計移行初年度となっている。経常収支比率は、使用料改定を平成23年度、平成26年度の2回実施したことで100%を上回っており、経費回収率についても、100%に近い状態である。単独の処理場を有し、老朽化による修繕などの維持管理費の増加が今後予想されるが、経営の効率化を図り、営業費用上昇の抑制に努めていく。・流動負債の多くを、建設改良費等の財源に充てるための企業債が占めているため、流動比率は類似団体平均に比べ低い状況となっている。企業債は、年度の元金償還額よりも低い数値での借入を基本とし、経営改善に取り組んでいる。今後も施設の新設と更新状況を踏まえ、償還額と借入額を精査し、企業債残高の上昇を抑制していく。・汚水処理原価は、元利償還金の増加などにより類似団体平均値と比較してやや高い状況である。維持管理費等の見直し、企業債借入額の抑制に努め、営業費用上昇の抑制に努めていく。・施設利用率は、類似団体平均よりもやや高い状況である。最大稼働率など他の指標の推移も見ながら、今後の施設の効率性、運営体制、投資のあり方などを検討する必要がある。・水洗化率は約95%と類似団体平均よりもやや高い状況である。未接続世帯への働きかけや管きょ整備に併せた接続の働きかけなど、水洗化活動の効果が出ている。今後も未接続世帯や事業所等への水洗化活動に積極的に取り組み、水洗化率の向上を図っていく。
老朽化の状況について
・昭和28年度から下水道事業に取り組んでいることから、下水道施設の老朽化が進んでいるが、現在も未普及対策の汚水管きょ整備を進めているため、管きょ更新が進んでおらず、管渠改善率が低い状況である。平成30年度にストックマネジメント計画を策定したことから、未普及対策とともに適正な維持管理に取り組んでいく。なお、管きょ更新については、状態把握を目的とした管きょ調査を行い、その結果に基づいた管きょ更新計画を策定する見込みでいる。
全体総括
・平成23年度以降、2度の使用料改定を実施したことで、経常収支比率、経費回収率は類似団体平均を上回っている。企業債残高対事業規模比率が平均を大きく上回っているため、適正な額での借入により、企業債残高の削減を図っていく必要がある。・未普及対策を優先的に進めていくが、今後は、ストックマネジメント計画に基づき、計画的な更新と適正な維持管理に取り組んでいく。・公営企業化に伴い、今後は企業としての経済性を十分発揮するとともに、これまで以上に経営の合理化と経費の節減に努めていく。