経営の健全性・効率性について
①経常収支比率使用料収入や一般会計繰入金等の収益で維持管理費や支払利息等の費用を賄えている状態である。②累積欠損金比率前年度に引き続き決算は黒字となったため、累積欠損金は発生していない。③流動比率企業債償還金が多額なため流動比率が低いが、使用料収入や一般会計繰入金で企業債を償還する見込みである。④企業債残高対事業規模比率類似団体平均値より高いが、今後も未普及解消や老朽化対策により企業債発行額は横ばいに推移する見込みであり、一方、償還額は発行額より多い見込みであるため残高は減少していく見通しである。⑤経費回収率及び⑥汚水処理原価各数値と類似団体平均値との差が生じる要因として、当市の地理的特性により工事費が割高になり汚水処理費に含まれる資本費が大きくなることが挙げられる。使用料収入の確保により指標の改善を目指す。⑦施設利用率汚水処理施設の反応タンクの一部を雨水の貯留池に変更したため100%を超えているが、汚水処理に支障のない形で運用している。⑧水洗化率概ね84%台で推移しており、類似団体平均値より低くなっている。
老朽化の状況について
管渠老朽化率は類似団体平均値を上回る数値だが、管渠改善率は下回っていることから、老朽化対策を進める必要がある。今後、ストックマネジメント計画に基づき、老朽化への対応を進めることから、管渠改善率は緩やかに上昇すると見込まれる。
全体総括
当市の公共下水道事業は供用開始から40年以上経過しているが、普及率は66.09%と他都市に比べ低いことから、現在も未普及地域の解消に向けて建設事業を継続している状況である。一方で、老朽化対策等のメンテナンス経費も増加していく見通しである。投資と維持管理経費を限られた収入で賄う必要があるため、国庫補助金等の財源を活用し課題解決に努める。類似団体との比較では、汚水処理原価の高さ、水洗化率の低さが課題としてあげられることから、経費節減に努めることで汚水処理原価を下げるとともに、未普及解消工事を進めることで普及率を向上させ、公共下水道への接続を促すことにより水洗化率の向上並びに使用料収入の確保を図り、将来にわたり継続的かつ安定的な事業経営を目指す。